マウンテンバイクで雁坂峠



1日目

当初、塩山から走りだして日帰りというのも考えましたが、日が短い今の季節と
自分の体力を考えるとあまりにリスキーだと思い、1泊2日に変更しました。

塩山から広瀬湖へのバスが最も早くて8時半発だったので、中央線各停で
まったりアプローチ。早めに着きましたが、高校へのバスに間違えて乗りそうになった。

バスが西沢渓谷入口終点に着いたのが9:30。そこから直接山に入る予定でしたが、
天気がよく、人気もあるので行程に楽観的になり、せっかくなので西沢渓谷を覗く。
まだほとんど人がいなかったので、行けそうなところまで行って引き返すことに。

結局、最初の見せ場である三重の滝まで見られました。直前に延々と続く木製の
階段もあってなかなかのハードコース。紅葉がまだということもあってか、
滝自体は普通な感じでした。水の色はディープグリーンで綺麗。人はまばら。

広瀬湖に戻って、丁度食堂が開いたので稲荷寿し2個と前回のリベンジで巨峰の
ムースソフトを頼みました。美味なり。トイレに行ってから今度は本当に出発。10:45。

峠へはしばらくちゃんとした看板が続き、迷うことはない。基本は舗装路だが
高架の車道をくぐってから越えるため勾配は結構ある。30分ほど走るとこの道が
登山道に変わるが、幅はあり路面は整備されていて不安はない。基本は押し。

12時に最初の渡渉に遭遇。ここらへんは渓流が滝になって紅葉も進んでいて綺麗。
暑いのでヘルメットとグローブを脱ぎ半袖で進む。ここから道は河原になり
ルートが不明瞭で一時的にロストすることも。足場もガレていて進みづらい。

岩場のようなところでロープがある場面もあるが、片手でつかめば大丈夫なので
さほどの難所ではない。13時前にようやく沢から離れるが、ここから先はさらにきつい。

落葉樹がまばらに植わった綺麗な傾斜地を延々、つづら折れで登っていく。
やがて森林限界を越え、まわりが低木の笹に変わっても急勾配が続く。

一方で標高で1700mを越えたあたりからどうにも身体に力が入らなくなっていく。
水も補給食も摂っていたので原因は高度か。頭がふらついて景色を楽しむ余裕も
失っていく。自転車はなるべく押すが担ぐ場面も多くなっていった。

地を這うような速度で進み、峠に着いたのは14時半でした。景色は山梨方向に
おおきく開けています。正面に黒金山。登攀途中には左端に富士山も薄く見えた。

しかしこれだけメジャーな峠だというのに整地されている部分はほんの僅かで
両側が切り立った本当の峠、もしくは稜線といったほうが近いかもしれません。
ここでGPS台座がもげるというアクシデント発生。後に宿で応急処置をしました。

この日の宿泊地の雁坂小屋には峠から埼玉側に下ります。乗車できるところも
あるのですが、ふらついて危険なので自重しました。14:50小屋着。
この時間だと日が落ちる前に下りきれません。宿泊は正解でした。

雁坂小屋は基本、土日に小屋番が入り、それ以外は部分的に開放しているとのこと。
この部分的がどの程度かわかりませんでしたが、2段のベッドスペースは閉鎖され
ストーブのある共用部のみ開放されていました。たぶん泊まれても10人ぐらい。

おまけに布団と枕はなく毛布のみ。シュラフ持参が前提のようです。小屋に断熱もなく
翌朝、屋外気温が5度のところ、屋内でも同じ気温でした。水は1キロ先から引かれ
ふんだんにあり。トイレも問題なし。宿泊者はテント場含めてぼくひとりだけ。

夕食はフリーズドライのご飯物に、同様のシチューをかけたもの。翌朝も同じ。
初めて食べてみましたが、ふたつ合わさると結構食べた感じがありました。
日没が近いので16時には早々と食べ終わり、寝床につきました。

・走行距離:14.5km
・獲得標高差:1069m
・最高標高:2080m




雁坂峠



2日目

前日18時位には入眠していたので、午前2時頃目が覚めました。
当然まだ真っ暗なのですが、することもないので3時位から朝食をとります。

食べ終えてもやはりすることはなく寒く、ヘッドランプの電池が無駄に
減っていくばかりだったので、4:15に暗闇のなか、早々と出発することに。
曇り予報でしたが、まだこの頃には星空が広がっていた。

乗車できるパートではないので問題ないかと思っていましたが、歩行速度は
1キロ台前半とやはり遅くなっていました。ガレが多く踏み幅の狭いトラバースも多い。

それとやはり前日同様、高度の影響が残っていたのだと思います。まだ高度は2000m前後。
最初の沢の手前で休憩。5時過ぎでしたがようやく空が白み始め雲海が姿を見せる。

途中でリアのチェーンが外側に外れ、脱落防止ピンを越えてしまうというアクシデント発生。
工具でスポークとの隙間をこじ開けてなんとか修理するも手はオイルで真っ黒に。

ここらへんは余り記憶が残っていません。なかなか進まない苛立ちはありました。
この間にカロリーメイト1箱4本平らげているので、エネルギーも足りなかったのかも。

6:45にようやく展望の良いという地蔵岩入口に到着。自転車を置いて往復します。
ここは絶景でした。稜線の向こうの西側の景色が一気に開け、甲武信ヶ岳の山々が
一面に広がる雲海から頭を覗かせていました。北に遠く冠雪した山が見えたのは浅間山か?

ここは紅葉も綺麗でした。しばし見とれたあと、復路では道を見失い自転車を探す。
リスタートは7時。ここからは下りと標識にも書いてありました。ガイドブックにも
乗れるとあり、期待していましたが実際しばらくは乗車不可な下りでした。

無理して乗っていたら、前輪を載せた石が滑落し前方に派手に落車。
無傷で済みましたが危うく斜面を滑落するところでした。

本当に乗れるのは標高が1800mを切ってから。緩勾配の極上のシングルトラック。
しかし長すぎて脚が悲鳴をあげます。突出峠からは路面が荒れ、勾配が急になり
テクニカルになりますが、それでも9割は乗車できます。

水元あたりで一回休憩を入れ、登山口で国道と合流したのは8:40でした。
地蔵岩往復やアクシデントがあったにせよ、これはかかりすぎですが結果的には良かった。
ここから秩父滝沢サイクルパークに寄るか迷ったのですが、9時から営業とのことでGo。

パーク入口には9時過ぎに着きますが、ここからつづら折れを70mほど上ります。
しかし受付には人がおらず、閑散としている。どうやら雨予報に変わって休みモードに
入っていた様子。一応受付はできてBMXとダートジャンプコースを独り占め。

ダートジャンプを主に走りましたが、4連コブの最初でどうしても後輪が引っかかる。
さらに3つ目で力尽きて最後のコブは飛べない。何回やってもこれは同じでした。
BMXコースの方は大きなコブのプッシュの感覚が掴みやすい。あっているかは不明ですが。

10時過ぎにはパークをあとにしますが、気になっていたのはMTBコースと練習コース
というものが見当たらなかったこと。帰宅してネットで聞いたら坂の途中に入口が
あったらしい。あー、やっぱり受付で聞いておけばよかった。

そこから下って大滝温泉には10:25着。食事をとろうと思ったら11時からだったので
温泉を先にします。上に檜風呂で下に岩風呂。岩風呂のほうが露天風になっています。
前日風呂に入れていないので、ここは外せない。荷物の整理もまとめてします。

温泉を出てから食堂で手打ちそばを食す。付いてきた味噌風味のこんにゃくが美味。
結局温泉と合わせて1時間ほどまったりしてから帰路へ。

ここから西武秩父駅まで1時間程度ですが、最後の30分で小雨に降られました。
やれやれですが、2日間無事にフィニッシュできてなによりです。

・走行距離:49.3km
・獲得標高差:427m
・最高標高:2011m




地蔵岩から見た雲海。


(15/10/15-16 h.taki)




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