マウンテンバイク完組ホイール導入




MTBでご一緒した方が2名履いていたホイール、Crank Brothers Cobalt。
気になって画像検索していたら面白いフレームに出会いました。

Ibis Mojo SLのカーボンフレーム。かっこいいなあ。
ただフレームだけで2358gと結構ある上、前三角に肩が入らず担ぎ辛い。
まあ重さはXTRで組めば10.2kgくらいにはなるようですが、60万円超えだって。
いまのぼくには高嶺の花です。

しかしMojoを知ってから数日、久しぶりに物欲にうなされました。
フレーム定価は30万円。が、ebayで1450ドルで中古が出品されています。
手持ちのScottのパーツを移植できないだろうか?

うーん、でもFサスのストロークが140mmのようだから今のフォークは使えなさそう。
担げなくなるし、だいたいRサスが必要なダートジャンプ?とかしないし。
たぶんフレームを替えるより軽いホイールを買った方が幸せになれる。

というのも、うちにある5台の自転車のうちカーボンロードとMTBはともにパフォーマンスが求められますが
ロードが当初の面影がなくなるくらい変貌したのに対し、MTBは購入時にサドル、グリップを交換しただけです。
こんな状態でフレームだけで4-50万もするチタンバイクやRacing Red Zeroを履いたMTBについていけるわけがない。
もともと脚力で劣っているのに機材で挽回しないでどうする。

MTBは完成車購入だったので、見えないところで手を抜かれたりしています。
ただ、Scottロゴのついたハンドルバー、ステム、シートピラーは意外と軽い。
一方、ホイールの方は輪行するたびになんでこんなに重いのか嘆くほどです。

チェーンホイールまわりも重そうですが、今期、大弛峠の上りで苦労したこともあり、
ターゲットをホイールに絞りました。タイヤはデフォルトでそんなに重いのはついていません。

ということでMTBの軽量ホイール。とりあえず候補としてはこの辺り。
・MAVIC CROSSMAX ST
・CRANK BROS COBALT
・EASTON EA90 XC

それにしても海外通販はやはり恐るべしで、これらがセットで3-5万円台で売っています。
第一候補は造形が美しいCobalt。ただ、派手な色が多いのが難点です。
性能はMavicがよさげですが、代わり映えしないからなあ。

通販サイトではスペックも情報不足だったりするので、ネットをあさります。

mtbrという海外のMTB関係のフォーラムサイトがありました。
そこで今回候補に挙げたホイールのレビューを見てみましたが、いや、ひどい。
どの製品にも複数の破損レポートが載っています。トラブルはリアハブ周りが多い様子。

山のなかでハブが壊れるのは勘弁してほしい。押して帰ることもできなくなります。
今ついているDEOREクラスのハブのレビューを見たらもっとひどかったので
そんなに神経質になることもないのかもしれませんが。

で、本当に軽量ホイールに替える意味があるのか、今のホイールを調べてみました。
重量はざっとしたところで、フロント960g、リア1100g超。
これはシマノの最廉価の完組ホイールよりフロントがやや重いというレベルです。

そこでThat's real MTB!2という雑誌を参考にしてみたところ、
その最廉価ホイールの29erバージョンのインプレは燦々たるものでした。
上記したようにハブの評価も低いので、やはりホイールを替える意義はありそう。

その雑誌では3つの候補の29erバージョンのホイールのインプレがあるのですが、
Crank Brothersは硬くてレーシーだけど総合評価はさほどでもない。
Mavicは中庸でまったりトレイル向けでそこそこ点もいいですが、
最も評価が高かったのは意外なことにEastonでした。

このホイール、mtbrでも今のところ悪い評価はついていません。
新製品なので安売りしているところが少ないのが難点ですが。

その後、ワイズロードでCrossmax STの実物発見。
うーん、ハブのホワイトが生かしきれていなく、地味。
高揚感が湧いてこないので、これはないかな。

家に帰って、候補の製品の価格を調べます。
・Easton EA90 XC:バラ売りが多く、前後ペアはとても少ないながら
 4万円台後半の商品を発見。
・Mavic Crossmax ST:これも少数。最安値で4万円台後半。
・Crank Brothers Cobalt XC:5万円台半ばに多数あり。
・Crank Brothers Cobalt2:最安値で3万円台後半。

ここでMavicは脱落。今のホイールもMavicだし、替えても目立たない。
Crank Brothersは色の関係で、古いXCを候補にいれています。
色見だとCobalt2もありえるのですが、やや重たいのが難。

Crank Brothersは幾つかのブログでレビューを見て回りましたが、
スポークやハブフランジ破損例が幾つか見つかり、
それによると、高剛性のホイールなのでハードテールのバイクには向かないとのこと。

加えて、その構造美はストイックでシンプルなフレームでこそ映えるのであって、
Scottの派手なグラフィックの色分けには似合わないと判断しました。
もともとホイールに物欲が移ったのはCobaltを見たからだったのですけどね。

で、結局グラフィックが主体なEaston EA90 XCに決定。
竹谷さんによるレビューも後押しになりました。

これで舗装路の上りも少しは楽になるかな。
あまり変わらないようだったら、タイヤを少し細身のものに替えてみようと思います。
ま、何にしても完成車のチープな部分が減るのは嬉しい。

今回ホイールを発注したのはBikeBling.comという初めて使う海外通販店です。
聞いたこともない店でしたが、mtbrからリンクが張られていたし、
mtbrのフォーラム内でも特に問題ないとのやりとりがありました。

本当はリスクを負うのは避けたかったのですが、捜した時期が遅かったようで、
前後輪ともにアクスル径がQR対応のものというのがほとんどありませんでした。
まあ正規の価格なら購入できるのですが、決めた予算は6万円未満。

当初の計算では48810円でした。送料無料と判断したのですがここで間違った。
サイトには"All orders shipping to APO and FPO addresses ship for free! "とあります。
このAPOをアジア生産性機構だと勘違いしてしまいました。

正しくは軍事郵便ということです。つまり海外の基地にいる軍人には送料無料だと。
で、日本のアメリカ大使館まで無料で送ってくれないかな、と聞いたらやっぱりNG。
ならば送料を交渉するしかありません。USPSで22453円なんて料金、飲めるわけがない。

幸い、海外発送の場合は送料の交渉に乗るとは書いてありました。
で、アメリカよりの送料を調べて、8ポンドなら59.35ドル、10ポンドなら64.85ドルと計算。
その数値を提示すると59.35ドルの請求が送られてきました。交渉成立?

結局、なぜかクレジットカードが使えずPaypalで支払い、割高になったこともあり、
送料含めて55587円かかりました。まあこれでちゃんと送られてくればいいか。
一時は今回の購入は断念しようかと思っていたので。

その後、PayPalでトラブルになり、発送が遅れ、ポチッてから実に23日後にようやく商品が届きました。
欧州のEMSに比べて米国のUSPSは時間がかかる感じもありました。
消費税は1000円で通関料は200円でした。関税は無税。

ホイールはEastonの箱に入ったまま2箱がくっついて送られてきました。
重さは結構あって6.4kg。送料は結局800円くらい不足していました。申し訳ない。

荷物はこの日に届くと知らされていたので、あらかじめ今のホイールからタイヤ、スプロケット、ディスクローターは外しておきました。
ここでスプロケットがトップから7枚までが金属でカシメてあり一体となっていることにびっくり。
こんなことするならSRAMみたいに大胆に軽量化できそうなものですが。

荷物を解いて早速計量してみると、前輪720g、後輪855gと公称と+15gの誤差。軽い。
ホイールだけで500gも軽くなりました。結果、車重は10.6kgです。

まずタイヤをはめて空気を入れます。ここでバツンバツンと音がするのにびっくり。
チューブレスタイヤだとなる現象のようですが、チューブレス対応のリムでも発生するんだ。

スプロケットを入れて、ディスクローターをボルトに緩み止めを塗って取付けますが、
こういう細かい作業は最近本当に不器用になっていて思うように手が動きません。
緩み止め、ちゃんと効いているかしら。ネジ山がつぶれかけているものもあったので少し心配。

ホイールを本体に取付ける頃にはもう4時。やばい、日が暮れる、というので急いで撮影しました。
それが終ってようやく新しいホイールを履いたMTBをじっくりと鑑賞。

Eastonのロゴがフレームと同じ白抜きなのが合っています。
ハブのメタリックレッドも想定通りで、ハンドル周りに加えた赤とともに戦闘的雰囲気をかもしだしています。
いや、いいわ、これ。現物を一度も見られずに購入したのに大成功でした。

その後、新しいホイールのシェイクダウンで里山に行ってきました。

感触はというと、まず硬い。次に軽いというか、車輪に空洞があるような感じ。
ともにダートに入って、特にきつい上りで感じられました。逆に舗装路ではよくわからない。

そういった印象は車輪がよく跳ね、滑る感覚によることが大きいと思います。
タイヤのエア圧は前と一緒なのですが、いきなり高圧になったような印象。
このホイールなら0.5気圧くらい下げた方が気持ちよく走れるのかもしれません。

感じた硬さと軽さはホイールからもっと攻めろ!と言われているような気がして、
やはりXCレースとかに特化した製品なのだなあ。

(2012.12.11-12)






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