5日目






目が覚めたのは夜中の0時前後だったかと。
部屋の電気はついていて、連れ合いは隣で眠っていました。

と、腰部まわりで違和感があり起き上がってみると、
ちょうど腰があたる部分のシーツが茶色く汚れていました。
下着のなかを見ると、そこはもう下痢便まみれ。

どう感じたのか記憶がありません。ただ淡々とバスルームに行き、
排便し、洗面器に水をはって下着を洗います。シーツも拭き、タオルを掛けます。
ひと通り終ったところでまた記憶が飛びます。

次に起きたのは1時頃で、状態は上記したものと全く同じ。

結局同じことを一晩で5回繰り返しました。替えの下着がなくなる寸前。
最後は5時過ぎ。連れ合いの気配を感じて起きました。
とりあえず一通りの説明。ズボンとパンツ買わないとね、と言われました。
ぼくはそれより18時間後に迫った帰国便内で症状が出るのが怖かった。
エコノミークラスの狭い室内で脱糞するなんて考えられない。

とりあえず6時まで待って前日の医者の携帯電話にかけます。
日曜の早朝だったので迷惑だったかと思いますが、対応はしてくれた。
が、どうも電話で済ませたがっているようでなかなか行くと言ってくれない。
ここは食い下がって、何時に来てくれるのか、下痢止めの薬が欲しい、
と、何度も繰り返すと、9時にもう一度電話をくれと言われました。

で、もう眠るわけにはいかなかったので、椅子に座った状態で時を待ちます。
連れ合いは食事に出かけました。ぼくはパス。
果たして9時に電話は鳴りました。が、14時くらいに向かうとか言ってる。
それでは12時のチェックアウトタイムを過ぎてしまうと伝えたところ、
じゃあ11時で、となりました。

連れ合いのこの日のツアー出発は9:15頃。ぼくはギブアップを宣誓し、
ツアーには彼女ひとりで参加してもらいました。

11時までは腹這いになって眠ったりしていました。
チャイムが鳴り、ドアを開けると昨日と同じ顔が立っていました。
とりあえず2人とも立ったまま状況報告をし、汚れたシーツも見せました。

いろいろ聞かれましたが、今日の朝食を食べていないことを話すと、それはよくない。
薬の吸収のために大量の炭水化物と水が必要だと言われました。
便の量の推移も聞かれ、減ってきていると答えると、ああ悪くはなってきていないのか。
尿に関しても聞かれ、そういえばしばらく出ていないことに気づきました。
水分排出機能が腎臓より腸に移り変わっていたのかも。

下痢止め(zifi200)が処方されたあと、医者はどこかへ電話。
相手はホテルロビーだったようで、チェックアウトは延長して、
今晩21時まで滞在できると言われました。無料でです。
さらにこのときベッドメイクが入り、医者が何やら説明していました。
寝具のクリーニング代なども不要となりました。ありがたい。

ランチは取らねばと医者に1階のレストランまで連れて行かれました。
で、店員さんに幾つか指示を出していました。オーダーでしょう。
この段階で医者は帰ることに。入院とかしなくて大丈夫ですか?と聞くと、
問題ない、とのこと。とりあえずほっとひと息。
出されたメニューを食べるのですが、これがなかなかお腹に入っていかない。
結局、2割ほど残して終了。この食費は最終的に請求されませんでした。

インドの医者って力持っているんだなあ、などと思いながら部屋へ。
戻るとガイドやH.I.Sインド支店から電話が入りました。
後者は日曜日は休みなはずでしたが、ありがたかった。

さてあとは日常的に飲む、4時間ごとに食べるを遵守し休むだけ。
ガイドがいつ迎えにくるのかは未定。

高級ホテルの6階の1室。空調はきいていて室内にインド的なものはない。
街の騒音もほとんどシャットアウトされ、現地の言葉にも接しない。
そこはもう日本だと言っても違和感はなかったでしょう。
デリーであってもフロントにタクシーを呼んでもらえば、スムースに帰国できる。



少し安心して眠りにつきました。



18時頃医者から電話あり。一応大丈夫そうだと答えておきました。
ガイドから電話があったのは19時過ぎ。やれやれ、やっとか。
1時間後にツアー一行ご到着。客室へは連れ合いが上がってきて、
新しいズボン、パンツ、長袖シャツを頂きました。

が,このズボン、小さくて全然入りませんでした。
病気でお腹が張っていたのが主な理由でしょう。
無理矢理履くと腹部に痛みが走ります。

仕方なく腰パン状態でOKとし、1階ロビーに降りていきます。
チェックアウトをしている間、ガイドがちらちらと様子をうかがいにきます。
やあ、あのとき医者を呼ばなければこんな元気にならなかったよ、とか
部屋の延長料金はほんとは1万くらいしたんだけどね、とか。

ああ、チップが欲しいのね。その額をめぐってぼくと連れ合いにはずれがあり、
結局、その中間を取った額を渡しました。チップとはいいがたい高額。
最後の最後でガイドの下心をかいま見ることになりました。

さて、あとは空港に向かうだけ。着いたのは21時頃でした。
みんなで記念写真を撮って、ガイドとはお別れ。
空港内では両替をしたあとチェックインしましたが、
移動するときに下腹部が張って痛い。

ま、なにはともあれ、無事に出国できますかね。





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