2日目






H.I.Sのツアーは概して朝の集合時間がかなり早く、今回も例外ではなく4:40でした。
準備を考えると睡眠は数時間しか取れません。これが疲労としてたまっていきます。
この日の朝にようやく同行者の全貌がわかりました。
前出のご夫婦と女性2人連れに男性1名が加わり、全部で7名でした。
パスポートは結局荷物と荷物の間から発見されたらしい。

マイクロバスで向かった先は鉄道駅。ひとがたくさん地べたで眠っています。インドだ!
しかしデリーからアグラへの列車はインドにはめずらしいリクライニングシートで、
食事のサービスも付いていました。どうやらこの列車は特別らしい。
欧米人女性にその席違うよ!と言われて慌てましたがこれは先方の勘違いでした。

アグラの駅に降り立つと、客引きがわらわら寄ってきます。いやインドはやっぱりこれだね。
ツアーだと移動手段には困らず、客引きとの交渉も不要なのがメリットです。
まずは土産物屋へ。トイレを借ります。ここではサリーの貸し出しを行っていました。
と,連れ合いが店のひとに捕まり、あれよあれよという間にパンジャビスーツを買うことに。
ちょっと先が心配になります。ちなみにサリーは結構暑いらしい。

さて、最初の観光地はタージ・マハル。白大理石で葺かれた建物状の墓です。
途中電気自動車に乗り換えたり、手荷物チェックを受けたりして、
ようやくたどり着いたそれはたしかに美しいものでした。
が、内部空間がほとんどないという前回の記憶はその通りで、
果たして建築と言えるかというと怪しい感じはします。



ここで1時間ほどのフリータイムになりますが、案外見るものは少なく
見学後、しばらく前庭の木陰にあるベンチで休んでいたりしました。
ここでは野生のシマリスも見ることができます。



タージ・マハルを出るとポストカード売りがまとわりついてきます。
前回はここでリクシャワーラーにストーキングされ、激怒しながらアグラ城まで歩きました。
今回はマイクロバスで移動。こちらは主に砂岩で葺かれていますが大理石の間もあり。



白大理石に埋め込まれたカラフルな色の石の装飾が美しい。
また、庇を支える頬杖の石の彫刻もよくできています。



ここで昼食タイム。マハラジャターリーのランチです。
なんと直径80センチはあろうかという大皿に15種の料理の小皿が乗っていました。
到底食べきれない量なのですが、あほなのか完食を目指し14皿を平らげたところでギブアップ。
ちょっと気持ち悪くなってしまいました。
味の方はと言うと、うーん。特に好みといった感じではありませんでした。
日本の本格インド料理店とさほど違ったものではなかったかと。

ここから街を外れ、郊外にあるファティプール・シクリへ。
いや、この車の運転が荒いこと。どのドライバーもそうでしたが、
常にクラクションを鳴らし続け、対向車がいてもその車線につっこんでいったり。
事故がなかったのが奇跡だと思えるほどでした。クラクションの嵐はインド特有。

ファティプール・シクリはたった14年使われただけで放棄された街。
様々な建物により構成されていますが、壁が少なく石造なのに柱構造で
木組みのようなものも見られるのが特徴です。



その装飾は密度が高く、アグラでは1番かもしれません。



帰路で金属装飾やデコレートボールペンなどの売人にまとわりつかれる。
耐えられず女性ペアのひとりがボールペンを購入すると約束以上の金額を吹っかけてきて決裂。
まあそうだな。それがあるのもインドならでは。

この日の最後は大理石工場へ。アグラ城で見られたものがいろんな商品になって並んでいます。
ぼくらの目標はだいたい決まっていて、それは象の置物。
やはりニーズは高いのか、小さな部屋に大きな物から小さなものまで、
無数の象が並べられていました。少し悩んで6000Rsのものを購入。
その際、布製品も見せられ、どう見ても綿なのにシルクだと強弁する店員あり。
大丈夫か?あのお店。

その後、何やらよくわからない個人宅に招き入れられ、チャイをごちそうになる。
ご主人が自分の結婚と家族について話していましたが意味が分からない。
なにをしたかったのでしょうね。もう時間もあまりなかったのに。

ここから一路鉄道駅へ。来た駅とは別のところです。
バスを降りるともう何か怪しげな雰囲気が。
すべての標識がアラビア文字でしか表されていないので、駅名すらわからない。
既に夕暮れ、駅構内ではたくさんの鳥が鳴いていて不気味度倍増。



しばらくは駅の待合室で過ごしましたが、ここには何匹ものネズミが。
この日の夕食の弁当に食らいついてきたようですが、いや勘弁。

列車到着時刻前にホームに移動しますが、ここもいい環境ではない。
警官に連れられて罪人がお縄にされ連行されるのを見ました。
また到着する列車の2等寝台では格子窓の向こうにうごめく、
異様な人々の雰囲気がひしひしと伝わってきました。

列車は30分ほど遅れて到着。心配していた1等寝台も確保されていました。
が、通されたのは4人部屋で先客2名はインド人男性。
ベッドの周囲にはカーテンすらなく、女性が着替えるのは困難です。
車両にはトイレはありましたがスペースは狭く何もできない。
しばらくは先客2名はベッドに上がるそぶりもなく、10時過ぎてからかなと思っていましたが、
その時間になっても状況は変わらず、仕方なく声をかけて上がってもらいました。

用意されていたのは枕、シーツ2枚と湿った毛布、枕カバーと思われるタオルでした。
毛布は触るのもためらわれる状態だったので、間にシーツをはさみました。
着替えはぼくは気にせず、その場で済ませましたが問題は連れ合いです。
一応準備が整って、消灯したあとインド人2名が眠ったのを見計らって決行したらしい。





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