ARGON18 HELIUMツール・ド・草津参戦




1日め(アプローチ)

自転車に復帰して2年。
この度、人生初自転車レースとなるヒルクライムに出てきました。

今年は公募イベントに幾つかエントリーしていて、
イベントとしては浜名湖についで2度目。
ヒルクライムはこのあと、6月1日のMt.富士に出走予定です。

この時期のレースは八ヶ岳や表富士もあって悩んだのですが、
FCYCLEで助言を頂いて、比較的完走しやすい草津としました。
選んだ理由はもうひとつあり、今回はイベント参加と連れとの旅行を
同時に進めるという試みなので、観光地であるという点からです。
Mt.富士も同じ考えでいます。
せっかくの土日を自分の趣味で2日ともつぶすというのは
いまのところまだちょっと抵抗があるもので。

このレースと旅行の両立と初レースというダブルのプレッシャーが
かなり大きくて、先週1週間はずっとナーバスでした。
とにかく不安要素だらけでわからないことばかりです。
そんな状態だったのでコース情報とか集める余裕なし。
一時は考えた減量も結局実行しませんでした。

一応、宿だけはレースのエントリーがとれた段階で予約しておきました。
前に草津に行ったときに満室だった、湯畑に面した山本館です。
しかし由緒ある旅館にレース機材や服装を持ち込むのはどうなのか。

アクセスは新宿からの直行バスだと自転車持ち込み不可なので、
軽井沢まで新幹線、そこから草津まではバスということにして
バス会社に輪行OKの確認もしましたがバス輪行自体が初めてです。
最悪、タクシーというのも考えていました。

服装はかなり迷いましたが、輪行袋を担がないといけないので、
荷物は手提げバッグひとつにおさめる。となると靴はSPDシューズ。
ボトムは普段着ていても違和感の少ないMTB用ロングパンツとなりました。
それでもウィンドブレーカーなどを詰め込むと、バッグはパンパン。

さて当日、朝方仕事でミニベロで少し走り、
帰宅してから新宿までARGONで自走してから輪行。
リアのカーボンホイールは走った感じでは問題なし。
しかし輪行では気を遣いました。

東京駅で昼食の巻き寿司を買い込んで、連れと合流。
新幹線は各駅停車のようでしたが、車内は結構混み合っていました。

軽井沢では13:45発の西武バスになんとか間に合いましたが、
これが観光バスではなく路線バスでした。
自転車は車内持ち込みで追加料金はかかりませんでした。
西武バスは草軽交通バスよりルートが長く、時間はかかるものの、
景勝地をまわるということで選択しましたが、乗り心地が悪く頭痛がしてきました。
確かに鬼押出しやその周辺の開けた景色、冠雪した浅間山はきれいでしたが。

1時間40分ほどかけて、ようやく草津に到着。
まずは宿へ。自転車は輪行状態で玄関脇の小部屋に置かせてもらえました。
他の宿では組まれた状態で玄関ロビーに並べられたりしていましたが、
山本館にはそんなスペースはなく、意外と規模の小さな宿でした。

しかしもてなしは気持ちよく、サービスは良し。
とりあえず荷物だけ置いて、6時までとなっている前日受付へ。
ここで雨がぱらついてきました。
傘をさしてちょっと離れた会場まで歩きましたが、明日の天気が不安です。
途中でぬれせんべいと、悪名高き無料配布の温泉饅頭を食べます。
会場までの坂は結構な勾配で、練習なのか幾人かのローディーを見かけました。

会場ではヘルメットに張るゼッケン、荷物にくくり付ける札、
フロントフォークにタイラップでとめる計測チップ(ニッパがないと困ります)
出走車名簿、参加賞としてオレンジのキャップと赤いデダチャイのロゴが入った
プラボトル、携帯食のこんにゃくゼリーをもらいました。
キャップは使わなそうですが、ボトルは気に入りました。
しかしこれが結果的には悪い方に出てしまいました。

宿に戻って、風呂へ。
露天風呂なしの檜づくりの内風呂男女各1室のこじんまりしたものでしたが、
湯畑に面しているせいかさすがに湯質はよく、湯温も適切で気に入りました。

6時から夕食。部屋食ではなく1階の小部屋でとりました。
もう1部屋の方と相部屋。
料理は量は適切で味も悪くありませんでしたが、さめてしまっているものが幾つかあり
また品書きがないため、何が入っているのかわからないものもあるのが残念でした。

ところでこの宿、近年リフォームしたようで全体に清潔感があるのですが、
上階の共同トイレの便器が和式だったり、部屋付きのトイレが外から丸見えだったり
理解しづらい点も幾つかありました。部屋自体は広くて問題なし。



コース後半の雪化粧された風景。


2日め(レース当日)

6時前に起きると青空がのぞいていました。ほっと一息。
風呂に入ってから、自転車の組み立て。
朝食まで時間が少しあったので、湯畑のあたりを散策。
8時から朝食で、これはまあ一般的な旅館の朝食でした。

集合が9:15だったので時間が心配でしたが、チェックアウトも
スムースに進み、連れと別れてレース会場へ。ここからレースモード。
連れはその間、露天風呂とエントリー時にチケットをもらった
ベルツ温泉センターで過ごす予定です。

荷物をトラックに預けてから缶コーヒーを飲んでスタート地点へ。
ロープが張られていて4つのグループにおおざっぱに分けられています。
列後方に「スタート」と書かれていたので一応後ろの方に並んだのですが
予想は外れて前方からの出発となりました。

参加者の自転車は様々でしたが、総じて気合いが入っている感じがしました。
昨日もらったボトルやキャップを付けている人はそれぞれ1人ずつしか見当たりません。
FCYCLEの知り合いがいるかもと思いましたが、見つかりませんでした。
9時半からの開会式はさっさと進みましたが、そのあと10分以上間があいてしまう。

ここでふとARGONの前輪を見ると左右逆になっていてあわてて直しました。
ぼけてるなー。空はまたちょっと曇ってきました。

10:05にまずは草津街中のパレードのスタート。
この間は5kmはレースに含まれず、タイムは計測されません。
(しかしトータルの18kmには含まれるようです。わけわからん!)
自分はアップを兼ねて、フロントアウターで少し重いギアを踏み、
渋滞を避けるため、列の少し前の方に移動しました。
街中では地元の人や観光客らが声援してくれます。なんかこそばゆい。

このパレード、距離は短いのですが結構高低差があるので、
スタート地点でいったん自転車を降りてトイレに行き、仕切り直し。
再びまたがったARGONは軽く感じられ、機材的には文句なし。行くかあ。

スタートゲートをくぐるときにサイコンをクリアさせようとしましたが
走りながらのせいか、なかなかうまくいきませんでした。
とりあえずスタート時間だけは記憶。10:24でした。

しばらくは集団のペースで踏みます。
かなり早いところでBeachの阿部さんが結構なスピードで抜いていきました。
阿部さんは結局39分でカテゴリ3位に入ったそうな。
しかしあれについていくのは無理。

しばらくして、自分がサイコンで距離だと思っていた数値がスピードだったと判明。
10km、12kmと順調に来ているなあと思っていたのに大ぼけ。
距離計に切り替えるとまだ4kmちょいとある。

???
ええ?それはないんじゃない?と一気に不安になりました。
トータルのコース距離の記憶もあやふやになってきて、
18kmちょいくらいだったよなあ。でもそれでまだ4kmって?

この原因、おそらく10km/h以下だと時間と距離が計測されないサイコンの
機能によるものだと思いましたが、帰宅したらセンサーの位置が
微妙にずれていたので、そのせいだったのかもしれません。

いずれにせよ、距離も時間もあてにならない。コースも把握していない状態。
途中殺生河原のゴールがあり、係員に残りの距離を聞こうとするも
タイミングが合いませんでした。
あとで確認したらここが11km地点、コース総距離は18kmでした。

ここらから景色が開けて、雪が多く見られるようになります。
前方への視界も開けて、2曲がり先くらいに集団が見えました。
あれに合流すればそこそこのタイムが出るかと思い、
まだそのときはそれだけの余力があったと思います。

当初苦しかった心肺の方はだいぶ落ち着き、足にもさほど痛みはありませんでしたが
ひとつ失敗をおかしていました。給水です。
前日に手に入れたばかりのボトルは飲みづらくて、その間足が止まってしまうので
軽く2回ほどしか補給していませんでした。
それが「あと3km」の看板が出て、主催者の側からの給水が出始めたあたりから
水分不足を自覚してきました。差し出された紙コップにむさぼりつく感じ。
これが晴れていて温度が上がっていたらもっとひどかったでしょう。

それと「あと3km」と出た時点で、ヒルクライムの3kmというのがどれくらいなのか
まるでイメージが湧きませんでした。おそらく長いのだろう、という程度。
そこまでの走行距離もわからなくなっていたのでなおさらです。

ここまでは抜きつ抜かれつ同数くらいだったのですが、
ここからあとはインナー-ローに入るようなきつい坂で後ろから次々と抜かれていきます。
自分のペースが落ちたのか、まわりのペースが上がったのか、おそらく前者でしょう。

クロモリに抜かれ、女性に抜かれ、MTBに抜かれ、小径車(ポケロケ)に抜かれ。
1度ギアを2つあげてダンシングを入れてみましたが、
さほど加速しないうえ、長続きしませんでした。
時間はスタートから1時間の11:24が刻々と近づくのにゴールは見えない。

「あと500m」から遥か遠く、ようやくゴールラインにたどり着いたときは1時間を過ぎていました。
ただタイムトライアル形式なので、この時点では自分の順位はわかりません。
計測チップを外し、とりあえず駐車場で座り込み休憩。まわりは雪だらけです。
心肺はOK。筋肉は座るとさすがに痛みが出ました。給水はボトルがぶ飲み。
それでも足らずにこんにゃくゼリーも流し込みました。

一息ついて、運んでもらった荷物を受け取り、レストハウスに行くとココアがもらえました。
なかは選手でいっぱい。暖房が効いた室内に入ると外の寒さが実感されます。

連れも待っているのでそそくさと下ることに。
しばらくは指ぬきグローブを着けた手が寒さで痛かったです。
上の方は景色がいいので写真を撮りながら下り、下の方は上る選手もいなくなったので
重い荷物に身を任せて豪快に下りました。直線で60km/hくらいは出たか。
とても気持ちよかったです。それにしてもよくこんなに上ったなあと感慨に耽りました。
学生の頃のサイクリングクラブでこの距離の上りのノンストップというのはなかったと思います。

12:10ころスタート地点に着。
リザルトは既に携帯サイトにアップされているようでしたが、
携帯を持っていない自分にはわかりませんでした。
ここでは豚汁、バナナ、温泉饅頭がもらえました。嬉しい。

1:30から閉会式とのことで、完走証の交付、抽選会などがあるようでしたが、
抽選ははずれもあるとのことと、リザルトはネットで見られると思ったので
帰ることにして、温泉センターで連れと合流。バスターミナルまで歩きます。
ここからまた旅行モードにスイッチ。

自転車を分解している間に連れは土産を購入して、13:30の草軽バスに乗車。
こちらは観光バスで、自転車は車両下部のトランクに入れさせてもらえました。
但し直立はできず、横に寝かせるかたち。草軽バスには電話では自転車は子供料金
が必要と言われていましたが、追加料金はとられませんでした。
1時間20分ほどで軽井沢駅着。またちょっと小雨が降ってきました。

駅近くには何もないので新幹線のチケットをとって15:20ころのあさまに乗車。
指定席は余裕で取れました。途中停車駅は大宮、上野のみだったので着くのも早かったです。
京王線まで輪行して日の明るいうちに帰宅。
雑事を済ませ、夕食をとって帰ってから連れの携帯でリザルトを見ました。

…うーん、やっぱ遅かった。
男子Cグループ、登録367人中237位、タイム1時間3分41秒。
ちょっと落ち込みました。(しかも出走338名だそうな)
ま、初レースでいい記録を期待するってこと自体がおこがましいですが、

参考にFCYCLEで去年出走した健脚のnさんのタイムは50分だったそうな。
それを考えたらトラブルなくても3-5分くらいしか変わらなかったかな。
5分速くても順位は全体の真ん中くらいです。
それ以上の成績を出すにはやっぱりトレーニングが必要なようです。
次のMt.富士には出ますが、その後トレーニングをしてレースを続けていくのか。
しばらく考えてみようと思います。

とりあえず今回は初レース兼旅行として無事終了できて良しです。
走行中、自分の真横でチューブラータイヤをパンクさせて泣く泣くリタイヤされた方もいましたし。


雪に埋もれたゴール地点の白根山。


(08/04/19-20 h.taki)




back