『お兄様へ 2』


(※この先は完全に「男性視点」のR18指定でかなりエグイ表現があります。
苦手な方と18歳未満の方はご遠慮ください)



それからの1月はひょうし抜けするくらいになにもなく過ぎていったよ。
本当になんにもなかったの。
ごく普通にメイドとしてお仕えするだけ。

「お、おはようございます。朝食をお持ちいたしました」
「あぁ、ごくろう。そこに置いておいてくれ」
「はい」

本当に普通に小狼様の身の回りのお世話をするだけ。
小狼様はわたしを気にとめる風もない。
わたしのことなんか全然見てもいない感じ。
あの検査はなんだったの?
ひょっとしてあれはただの身体検査だったのかなあ、なんて思っちゃったよ。
そんなわけ、あるはずないのにね。
もちろん、わたしも気をつけてはいたよ。
もう夜中に呼ばれても絶対に行っちゃダメ、なにか理由をつけて断るんだって思ってたよ。
バカだよね。
あんな目にあったのにわたし、まだ小狼様のことをぜんぜん理解してなかった。
わたしが気をつけるとかそういうのは。
小狼様には何の意味もないことなの……。

1月が経ったその日の夜。
気がついたらわたしは小狼様の部屋にいた。
小狼様の前で気をつけの姿勢をしていた。
あの日と同じように見えない何かに身体をおさえられて。
違ったのは今日はなにかやわらかいものに包まれているような感じなこと。
指1本動かせないのは変わらないんだけどね。

「えぇ? しゃ、小狼様? こ、これは」
「そろそろいい頃合だろう。楽しませてもらうぞ」

どうしてこうなったのかまったく記憶にない。
気がついた時にはもうこうなってた。
結局、そういうことなの。
この人には。
わたしが気をつけるとか注意するとか、そんなのは全然意味がないの。
小狼様のお力をもってすれば。
わたしを自由に操ることなんかなんでもないことなの。

「い、いやぁ!」

わたしの悲鳴を無視して小狼様が服を脱がしにかかる。
スカートを脱がされ、ズロースも下ろされ、シャツもブラジャーも1枚1枚ていねいに剥がされていく。
う〜〜ん、こういうところに育ちの良さっていうのが出るのかなあ。
この後もそうなんだけど、小狼様は乱暴に服を引きちぎったりとかはしないんだよね。
手を通さないと抜けないはずのシャツがひっぱるだけで脱がされちゃうのは不思議だけど。
あっという間に全ての服を脱がされてわたしは裸にされてしまった。
あの日と同じ。
今日は足は押さえられていないけど。
この状態じゃあおんなじだよね。

「あらためて見るとやはり、見事なものだな。さて。1月でこちらの具合はどう変わったかな」

そう言って小狼様はわたしの胸に指を伸ばしてきた。
また捻られる!
1ヶ月前の痛みを思い出してわたしは目をギュッとしたんだけど。

「あぅ!?」

その時走った感覚はただの痛みじゃなかった。
いや、もちろん痛いよ。
あの時と同じように乳首を捻り上げられたんだもん。
ものすごく痛いよ。
だけど、そこにあるのは痛みだけじゃない。
痛みと一緒になにかこう、ぬめっとした痺れるような感じがあるの。
今まで感じたことのない感じ。
それがつままれた乳首からじんじん身体に染み込んでくる。
捻られただけじゃない。
小狼様は指先を使って、わたしの胸をつまんだり、さすったりしてくる。
さらに。

ぺろっ。

乳首の先端を舌で舐めあげられた。
その瞬間になんともいえない切ない感じが舐められたところから走り抜けた。

「あ、あ、あぁ、しゃ、小狼様ぁぁ……」

我ながら情けない声が出ちゃった。
でも、しょうがないよこんなの。
こんなの初めてだもん。
1月前とはぜんぜん違う。
あの時は触られても痛いとしか思わなかった。
けど、今日は痛みだけじゃない。
触られたところから、じんじんする不思議な感じが響いてくる。
触られるのが気持ちいい。
もっと触ってほしくなっちゃう。
エッチな気分になっちゃう……
なんでこんなことに……
1月前はこんなことなかったのに……

後になってわかったよ。
なんで小狼様が1月の時間をとったのか。
この1月の間、わたしの食べるものの中にそういうお薬が仕込まれていたんだよ。
わたしの身体をエッチにするお薬が。
いつも食堂でみんなと同じものを食べていたはずなのに。
小狼様ならわたしの食べるものだけにお薬を仕込むくらい簡単にできるよね。
あるいは食べるものじゃなくて、なにか他の手段でお薬を仕込んだのかもしれないけど。
この1月はわたしの身体が食べごろになるのを待つための時間。
そして、食べごろになったわたしを小狼様が食べにきた、そういうことなの。

「ひっ、あっ、あっ、あぁっ」

それからしばらく、小狼様はわたしのおっぱいを弄りまくった。
つまむ、揉む、捻る、ひっぱる、舐める、噛む、なんでもやりたい放題。
それに逆らう自由なんてわたしにはない。
情けない泣き声をあげることだけがわたしに許された自由。


「きぃぃっ!!」

止めと言わんばかりに両方の乳首を引っ張り上げられた時、ものすごい激痛と気持ちいいのが一緒になって脳天まで突き抜けた気がした。
イクっていうの?
それもわたしには初めてのことだったよ……

「ハァ、ハァ、ハァ……」

もちろんこれで終わりなわけはない。
本番はここから。
乳首を弄り終わった小狼様の指がわたしのあそこに伸びる。

「あぁ、嫌ぁぁぁ! やめてください!」

なんて言うだけ無駄。
指は容赦なくあそこに突き刺された。
わたしのそこはもう、恥ずかしいくらいにびちょびちょになってる。
お薬で敏感になったおっぱいをあんなに揉まれちゃったんだもん。
しょうがないよね。
お薬は当然、おっぱいだけじゃなくてそこにも効いてる。
小狼様の指が気持ちいい。
中でくねくね指を動かされる度にぷるぷる身体が震える。
中だけじゃなくて一番敏感なところも指でつままれたりひっぱられたりしてる。

「あっ、あ、だ、ダメぇぇぇ……」

わたしの口からははしたない言葉が、あそこからはだらしない涎がだらだらと垂れ落ちる。
もう、恥ずかしいとかそんなのはふっとんじゃってる。
ただ気持ちがいい。
くちゃくちゃといやらしい音がするのも全然気にならない。
もうダメ。
このまま小狼様にされちゃう。
抵抗なんてできない。する気にもならない。
多分、今小狼様に求められたら自分からすすんで身体を捧げちゃう。
わたしの「女の子」はここでおしまいなんだ、って思ったよ。

けどね。
小狼様はそんなに簡単な方じゃないの。
小狼様はすごい意地悪な方なの。
もうこれ以上はダメ! ってわたしが思ったまさにその瞬間。
すっと指がひかれちゃったの。

「えあ……?」

なんで?
もうこんなに準備が出来たのに?
どうして?
その理由はすぐにわかった。
身体が熱い。
お腹の奥がむずむずしてる。
おっぱいもあそこもじんじんしてたまらない。
もっと触ってほしい。もっと弄ってほしい。
もっと、もっと。
もっと身体の奥まで。
身体の奥までめちゃめちゃにしてほしい……
ほしい。
小狼様の。
お………が。
そんなの言えるわけないじゃない。
女の子から男の子のお………がほしいなんて。
ぜったいに言えないよ、そんなのは!
普通だったら。
でも今はダメ。
声が出ちゃう。
それをわたしに言わせるためにこうしてるんだってわかってても。
恥ずかしいお願いをわたしから言わせるためにしてるんだって。
わかってても声が出ちゃうよ。

「あ、あの、しゃ、小狼様ぁぁぁ……」
「ん? なんだ」

そんなわたしを小狼様はいつも通りの無表情で見ている。
こんな状況なのにこの人はぜんぜん変わらない。いつもとおんなじ。
ポーカーフェイスにもほどがあるよね。
女の子をこんな風にして男の子ってこんなに平気でいられるものなの?
ここでいやらしそうに笑っててくれたらわたしもまだ救われるってものなんだけど。
そういうのがないんだよね。この人は。
この辺が小狼様の本当に意地悪なところかなあ。

「お、お願いです、小狼様…… 最後までしてください……」
「なんだ。なにをしてほしいって? はっきり言ってくれないとわからないな」
「そ、そんなぁぁ……」
「言ってみろ、さくら。きちんと言えたらご褒美をくれてやる」

こう言われてそう言えるわけがないよね。
わたしは女の子なんだよ?
これまで男の子の手を握ったこともなかったんだよ。
そんな女の子が「はっきり」あんなことを口にできるわけないよ。
だけど、身体の方は「女の子」をあきらめちゃってる。
もう身体中が熱い。
身体のどこを触られてもそれだけで気持ちよくなっちゃいそう。
たまらない。
ほしい。お………がほしい。だけど。

そんなわたしの葛藤はたぶん、ほんの数秒しかもたなかったと思う。
わたしの身体はそして心も完全に小狼様に屈服しちゃってた。

「お願いです…… しゃ、小狼様のおちんちんをわたしのあそこにください!」
「ふっ。わりとあっさり落ちたな。もう少し粘るかと思ったが。まあいい。ご褒美だ。くれてやろう」
「ありがとうございま……ぐひぃぃぃっ!」

その瞬間に来た。
とてつもなく熱い、とてつもなく大きなものがわたしの中に入ってきた。
あそこのひだひだをズルズルとひきずりながら入ってくる。
凄まじい圧迫感。
お腹の底をバットで突き上げられるかのような重圧。
痛い!
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!
もう、痛いなんてもんじゃない。
だってお腹の中になにかが突き刺さってくるんだよ?
痛いなんて言葉じゃ表現できないくらい痛いよ。
それにこの圧迫感。
お腹が押し潰されちゃいそう。
男の子のおちんちんっていったい、どんだけ大きいの?
しかも、それが動くの。
小狼様がゆっくりと腰を上下に動かすとお腹の中のものも一緒に動く。
ずりゅずりゅとわたしのあそこを擦りながら動く。
とんでもない圧搾感。

だけど、それだけじゃない。
小狼様が動く度にこすられるところからすっごい気持ちいいのが出てくる。
こんな酷いことされてるのにそれが気持ちイイ。
もっともっとしてほしくなっちゃう。
突かれる度にビクンビクン身体が震える。
身体が悦んでいる。
小狼様に蹂躙されるのを。
あそこがいやらしい涎をだらだら垂れ流してるのがわかる。
まるで小狼様をもっともっとほしがっているみたいに。

「あぁ、イイっ、そ、そんな……こんなので、おぉぉ」
「くくっ、よく効いてるみたいだな。高い薬を使った甲斐があるものだ」

小狼様の侮蔑の言葉ももうわからない。
ただ気持ちがいい。
自分がどんな酷いことをされているかなんて、もうどうでもいい。
気持ちよくなるならどんなことをされてもかまわない。

「くぅっ、イクぞさくら!」
「小狼さまぁぁぁ……」

どくん、どくん

これまでにない最大の絶頂。
身体の一番奥の深いところで熱いのをぶちまけられる感触。
男の人の精を身体の中で出されるという、女の子に絶対にあってはならないはずのこと。
そんなのはこの時にはわたしの頭の中にはぜんぜんなかった。
ただ、それまでで最大の快楽に身も心も徹底的に打ちのめされる。
それだけだった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

目を覚ましたら自分の部屋にいた。
お洋服もちゃんと着ている。身体も洗われているみたい。
いつのまにどうやって、とかはもうどうでもよかった。

このお屋敷から逃げる。

わたしが思ったのはそれだけ。
ようやく理解できた。
なんで李家が自分みたいな縁もゆかりもない者を雇ったのか。
メイドとしてじゃない。
生贄だ。
小狼様への生贄にするためだったんだ。
わたしに求められた役目はメイドとしてじゃなくて、小狼様の性の相手をすることだったんだ。
あきらかに普通の人じゃない、ううん、多分、本当に人ですらない小狼様の相手をしたら普通の人じゃあとうていもたない。
だから、わたしみたいに使い捨てにできる人間が必要だったんだ。
はじめからわたしは使い捨てとして雇われている。
そして、壊れたら捨てる。きっと、そういうつもり。
冗談じゃない。
こんなところにいたらすぐに壊されちゃう。
逃げなきゃ。
幸い、今日はお給料日だ。
今日のお給料だけもらって逃げよう。
机の上に給与明細がある。
あれをもらって逃げるんだ。
そう思ったよ。
この時はね。
けど。

「え、こ、こんなに……?」

給与明細を見たとき、それは呆気なく崩れちゃったの。
そこにはびっくりするくらいの額が書かれてたの。
もちろん、そんなに桁外れの額だったわけじゃないよ。
でも、これだけあればお兄ちゃんにもっといいお薬を買ってあげられる。
もっといいお医者さんに診てもらえる。
もっといい病院にだっていける。
これだけあれば……お兄ちゃんを助けられる……
まるで計ったようにわたしがほしいだけの金額が書かれていたの。

はは。
わかるよね。
計ったように、じゃないよ。
計ってるんだよ。
どれだけのお金を出せばわたしが逃げられないか、きちんと計ってるんだよ。
小狼様は知ってたんだよ。
わたしがどうして働こうとしたのかを。どうしてお金がほしいのかも。
みんな知ってたんだよ。
世間知らずのわたしにも、他のお仕事でこれだけのお金を手にできないのはわかるよ。
たとえ風俗のお仕事についたってこんなお金は手に入らない。
お兄ちゃんを助けるには……
このお屋敷で働くしかない……
このお屋敷で……
小狼様のおもちゃになるしかない……
わたしが本当に小狼様に屈服したのはこの明細を見た時だったよ……

NEXT……


続く。

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