『哀贄編』


(※この先は完全に「男性視点」のR18指定でかなりエグイ表現があります。
苦手な方と18歳未満の方はご遠慮ください)


















「あ・・・ひ・・・うぁ・・・」

あれからどれくらいの時が過ぎたのか。
さくらにはもうわからない。
もう何時間も責められているのかもしれないし、まだ30分も経っていないのかもしれない。
時の感覚が完全に狂っている。
狂っているのは時の感覚だけではない。
視覚も聴覚も触覚も全てが狂っている。
自分が今、どんな姿勢でどんな声をあげているのかもわからない。
確かなのは胎奥を突き上げる熱塊の鼓動と時折与えられる激痛のみだ。

純潔を奪われ、おぞましい精を注ぎ込まれた後も責めは続けられた。
抵抗する力も気力も失ったさくらを小狼は徹底的に責め嬲る。

唇を。
頬を。
うなじを。
胸を。
下腹を。
太股を。
秘所を。
卑穴を。

舐めて。
しゃぶって。
噛んで。
揉んで。
ねじって。
潰して。
挿れて。
抉って。

およそ考え付くあらゆる方法でさくらを弄り続けた。
それだけではない。
責めに疲れ果てたさくらの反応が鈍くなると、魔法のカードまで使ってさくらを苛んだ。
『火』『雷』『剣』『氷』・・・
カードが妖しく光る度にさくらの身体には新たな刺激が与えられ、その度にさくらの口から新たな悲鳴があがるのだった。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

「い・・・ぎぃぃ・・・かはっ・・・!」

新たに加えられた激痛がさくらの精神を再び覚醒させる。
反射的に痛みのもとに向けた目に映ったのは、己の胸に食い込む小狼の指だった。
ずるりと血の糸を引いて抜かれたそれは人の形をしていない。
どう見ても肉食獣のそれだ。
滴る血を舐めとる舌の色も長さも、口元から覗く犬歯の鋭さも人のそれではない。
なによりも燃える宝石のように紅く輝く瞳。
全てが目の前の存在が人ではないことを物語っている。

やっぱり小狼様は人間じゃなかったんだ・・・みんなが言ってたことは本当だったんだ・・・

先輩メイド達に聞かされた噂話がさくらの耳に蘇る・・・

―――――――――――――――――――――――――――――――――

『ここだけの話なんだけどね。小狼様にはあまりよくない噂があるのよ』
『小狼様につけられたメイドはみんないなくなっちゃうのよ。表向きは実家に帰ったとか暇を出されたことになってるんだけど・・・』
『本当は小狼様にどうにかされちゃったんじゃないかって。ほら、さくらも聞いたことがあるでしょ。李一族には魔性の血が流れてるって話』
『みんな満月の晩に小狼様に呼び出されて・・・そのまま帰ってこないんだそうよ』
『夜になると小狼様の瞳、真っ赤に光るって話も聞いたことがあるわ』
『わたしの聞いた話では・・・・・・』

何でも信じてしまうさくらも、さすがにこの噂には半信半疑だった。
魔性の者だの少女の生贄だの、文明開化の今の世の中ではあまりにも突拍子も無さ過ぎたからだ。
古い家によくある怪談話、あるいは後輩メイドを怖がらせるための作り話、そんなものではないかと考えていた時期もあった。
しかし、今はハッキリとわかる。
彼女達の噂話は真実を伝えていたのだと。
この世には人智の及ばぬ恐怖があるのだ。
先任のメイド達もみんなこの男の餌になってしまったのだろう。
今の自分と同じように。

さくらは知った。
人は万物の霊長でもこの世の支配者でもない。
世界を支配しているのはもっと恐ろしくて強大な力を持った存在で。
人は彼らに飼われている餌に過ぎない。
闇の神の欲望を満たすために肥え太らされた豚、それが人の真実の姿だ。
ミジメで無力な抵抗を演じて真なる支配者を楽しませる・・・それこそが人の存在意義なのだ。

だからなのだろうか。
自分の体がこれほどに燃え上がるのは。

全ての感覚を失った体の中で、小狼と触れている箇所のみが驚くほどに鋭敏になっている。
胎奥を貫く小狼のものの形も、大きさも、硬さも、脈打つ鼓動までもが敏感に感じ取れる。
卑穴を抉る指の指紋までもが感じ取れそうだ。
腰を突き上げられる度に、わけのわからぬ愉悦が身体を走り抜けていく。
本来ならば肉の悦びなど感じるはずのない未熟な少女の体を、有り得ぬ快感が蕩かしてゆく。
これも魔性の妖気の成せる業なのであろうか。
それとも・・・相手が小狼だから・・・愛する男だからなのだろうか。

(こ、こんなのって・・・わたし、こんな酷いことされてるのに・・・きもちいいよぉ・・・なんで・・・? あ・・・おぉぉ・・・)

もはや痛みはない。
いや、痛みすら心地よい。
肌に鋭爪を突き立てられるその痛みだけで頂点に達してしまいそうだ。
精を注がれる度に自分の体が別のものへと変わっていくのがわかる。
肉の快楽を求めるだけのあさましい家畜へと堕ちていくのがわかる。
それが嬉しい。
自分は今、たしかに小狼様に愛されている。
見つめるだけで、手を伸ばすことも、声をかけることすら許されていなかった小狼様と肌を重ねている。
それがたまらなく嬉しい。
その喜びは叫び声となってさくらの口から飛び出した。

「あぁ、小狼様お願いです! もっと愛してください! さくらが壊れちゃってもかまいません! もっと、もっといっぱいさくらを愛してくださいぃっ!」

それはこれまで秘め隠し、溜め込んでいたさくらの想いの全てだった。
そして、さくらのその想いは新たな激痛によって報われた。

ぞぶっ

左右の首筋に鋭い痛みが走る。
正面の小狼が左の首筋、背後の小狼が右の首筋に牙を突き立ててきたのだ。
鋭い牙が皮膚を裂き、肉を切り裂いて頚動脈に食い込む。
傷口から大量の血が流れ出る感触。
血が・・・命の元が失われてゆく。
そして、それを啜られている。
恐ろしい魔物に。
愛する男に・・・

(あ・・・わたし、ここで死んじゃうんだ。小狼様に食べられちゃうんだ・・・。あは・・・変だな・・・。こんなに怖いのに・・・痛いのに・・・うれしいよ・・・。小狼様・・・)

お兄ちゃん・・・知世ちゃん・・・ケロちゃん・・・
ゴメンね。わたし、もうみんなに会えないよ。
本当にゴメンね・・・

薄れ行く意識の中でかつて愛した者たちと過ごした日々が走馬灯のように流れていく。
それもすぐに歪んだ肉の悦びに押しつぶされて消えた。

NEXT・・・


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