『歪んだ関係』

(※このお話は、以前に書いた『黒い羽』の別バージョンになっています)



ほのかなランプの灯りに照らされた宿屋の一室。
そこに設えられた粗末なベッドに腰掛けて少年と少女は向かい合っていた。

少女の名はサクラ。
記憶を失った玖楼国の姫。
少年の名は小狼。
飛び散ったサクラの「記憶の羽」を求めて次元を旅する少年。

そして今、その羽は小狼の手の中にある。
昼間、湖に住み着いた怪物を倒して手に入れてきたものだ。
あとはこれをサクラに返してやればいい。

だが。
小狼は羽をサクラに渡そうとしない。
サクラも羽をとろうとしない。
二人とも無言で見つめあっている。
何か不思議な緊張感が二人の間に張り詰めている。
なにかを言い出そうとして戸惑っている、そんな感じのもどかしい緊張。
その緊張を破ったのはサクラの方だった。

「小狼くん。あの・・・・・・」
「なんでしょう、姫」
「その羽、そろそろ渡してほしいんだけど」
「タダで、ですか?」
「・・・・・・」
「わかっていますよね、サクラ姫。何事にも『対価』が必要だって。今回はまだ対価をいただいてませんよ?」

記憶を失った無力な少女への卑劣極まりない脅迫。
・・・・・・にしては小狼の声は上ずりすぎていた。
可愛そうなくらいに緊張しているのがわかる。
それに比べるとサクラの方は落ち着いたものだ。
卑劣な脅迫に特に驚いた様子もない。
小狼の言う『対価』が何をするのかも充分に理解しているようだ。
黙って服を脱ぎ始める。
その表情に怯えの色は見えない。むしろ何かを期待しているかのようにすら見える。
なんの躊躇いも無く、全ての衣服を脱ぎ捨てる。

「これでいい?」
「ダメですよ、姫。手で隠しては。全部見せてもらわないと『対価』になりません」
「うん・・・・・・」

女の子には酷ないやらしい要求にも抵抗しない。
胸と秘所を覆っていた手を下ろして全てを小狼の目に晒す。
小ぶりな胸も、その頂点のピンク色の蕾も、ぬめぬめとした白い下腹も、その下にある秘密の部分も全て・・・・・・
小狼が我慢できるのはここまでだった。

「きゃっ・・・・・・」

サクラをベッドに押し倒し、その唇を奪う。

「では今回の『対価』をいただきますよ、姫。あなた自身を!」

言いながら荒々しくその胸を揉みしだき始めた。
そんな乱暴な愛撫にサクラは黙って耐えている。
一国の姫である身が下賎な男に無残に汚されるという屈辱。
だが後悔はない。
これは自分が選んだ未来なのだから。
あの日、あの世界で自分はこの未来を選択したのだから・・・・・・

NEXT・・・・・・



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