歯科に慣れるための練習のよくある例1:
小学生の女の子。駆け足で、できています。
初診時:
お話をお聞きすると、歯医者さんは初めてです。
怖くないけど、何をするかわからないと言われました。
レントゲン写真とお口の中の診査、フッ素塗布の予定です。
レントゲン写真は先に、先生がしました。
お口の中の診査は、先にぬいぐるみがします。
5ずつ数えながら、歯磨きをします。
上手に口があけられました。
むし歯はなかったので、練習を始めることにしました。
少し、家が遠い方です。
目標は、上手になって近所での定期受診にしました。
2回目:
新しい道具を練習します。
お母さんと相談して「歯医者さんの電気の回転歯ブラシ」に決めました。
最初に練習するようが良いと言われたので、その予定をしています。
まずは、見ます。余裕があったので、手で触ります。
もう少しできそうだったので、回転しているのを手で触ります。
楽しくなってきたので、歯で1数える間、触ります。
ノリノリになったので、5数える間、できました。
お母さんも、動画を撮ってもらいました。
もう少しできそうだったけど、ここはガマンです。
他の予定もできて、にっこりで帰りました。
3回目:
前回の動画をお姉ちゃんが見て、ほめてくれたそうです。
今日は、回転歯ブラシを普通の定期健診で使う順番にしました。
専用の歯磨きペーストもつけて、全部を磨くことができました。
ハイタッチで帰りました。
4回目:
今日は途中で先生と衛生士さんと交代してみます。
担当する人が代わっても、同じことができるのは、転院をするために大事です。
最初に鏡で口の中をみたあとに、交代です。
自信がついていたからか、困ることもなく、できました。
今日も、にっこりです。
その次は、お隣のチェアーでしましょうと、お約束しました。
5回目:
4回目と同じメニューです。
別なチェアーでもできる、と自信をつけてもらう目的です。
場所を替えても、大丈夫でした。
お母さんも大喜びです。
近所の歯医者さんに行くように、お手紙をお渡ししました。
6回目:
近所の歯医者さんで上手にできたと教えてくれました。
にこにこで同じメニューをしました。
そらまめ歯科は、いったん終了です。
困ったことがあったら、また来てね、と声を掛けました。
歯科に慣れるための練習のよくある例2:
4歳の男の子。警戒心が強いので、ゆっくりペースです。
初診前:
初めての場所が苦手なので、下見に来ました。
お母さんの手を握って、表情はこわばっています。反対の手には、プラレールです。
問診はお母さんだけを希望されましたので、予定を組みました。
前の歯医者さんでは、固まってしまっているのをできると思われて、予定外のことをされてしまったそうです。
その後、家で大変だったとのこと。
安心して歯医者さんに来ることができるようにしたい、不安を解消したい、と強く希望されています。
むし歯の確認は、前の歯科でしているし、今はそこではない、と言われました。
予定以外のことはしない、歯科医院の絵カードは使わない、まずは家で使っている歯ブラシで磨くだけ、という約束を本人に伝えてもらうようにしました。
初診時:
歯科用チェアーに座ることはできませんでした。
少し離れたオレンジの椅子に座ったので、そこで5カウント数える間、歯磨きをしました。
歯科用チェアーで電気をつけて歯磨きとミラーを目標にしました。
ほっとした様子で帰宅されました。
2回目:
オレンジの椅子を歯科用チェアーの近くに寄せました。
同じように5カウント数える間、歯磨きができました。
3回目:
オレンジの椅子を歯科用チェアーの隣において、座ってもらいました。
お母さんは歯科用チェアーに座ってもらいました。
同じように5カウントだけ歯磨きをしました。
4回目:
歯科用チェアーの隣に置いたオレンジの椅子には、お母さんが先に座りました。
本人は歯科用チェアーに座って5カウント歯磨きができました。
お母さんと次回の相談をしました。緊張が強いので、もう一度、おなじメニューです。
5回目:
前回と同じように、隣に置いたオレンジの椅子には、お母さんが座りました。
本人は歯科用チェアーに座って5カウント歯磨きができました。
お母さんと次回の相談をしました。次のステップに進みます。
5カウントを2回にするか、ライトをつける練習をするか、ミラーを試すか。
お母さんは5カウント2回を希望されました。
次は、どう伝えるか、の相談です。
今日のうちに伝えるのか、直前に伝えるのか、誰が、2回は声掛けだけか書くか。
直前のアナウンスで、絵カードに⑤⑤と表示したいと言ってくれました。
でも、それではいきなり⑤が沸いてしまいます。
今後の練習のことも考えて、院内の絵カードとホワイトボードを使うことから始めます。
次回は椅子に座る前に、院内で歯ブラシの絵カードを見てもらうことにします。
大丈夫なら、その次の練習で⑤をつけましょうとお約束しました。
果たして、どんな反応をされるのでしょうか?
まだまだ、道は長いです。
これらの例は、代表的な練習であり、特定の個人ではありません。
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