DVD-RAMドライブ導入レポート - Last Modified SEPTEMBER 28 1998
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■ DVD-RAMドライブ導入レポート ■


1998年9月に購入した、DVD-RAMに関するレポートです。PC(しろうと)番長・コラムに書いたモノに少しだけ手を入れてまとめました。

 


 


- DVD-RAMドライブ導入方法 -

まず取り付け。私の購入した「MVD-5200F」(
メディアインテリジェント)は内蔵のSCSI接続です。サクッと取り付けてマシンを起動すると、取りあえずCD-ROMドライブとして認識されます。そこでDVD-RAMドライブ用デバイスドライバ「Write DVD!」をインストール。再起動するとCD-ROMディスクとDVD-ROMディスク用のドライブアイコンと、DVD-RAMディスクとPDカートリッジ用のリムーバブルドライブアイコンがマイコンピュータに追加されます。読み取り専用のメディアを入れた時は前者のドライブ、読み書き可能なメディアを入れたときは後者のアイコンからアクセスします。システムのプロパティのデバイスマネージャ上でも、「MATSHITA PD-2 LF-D100」というのが2つ追加されています。松下のドライブであることが分かりますね。

続いてフォーマットソフト「Format UDF!」をインストールします。DVD-RAMメディアのフォーマットは、このソフトを使って行わなければならないとされています。Windows標準の(ドライブアイコンを右クリックして表示されるメニューの)「フォーマット」を使用すると、FAT16形式で2GB超のフォーマットをしてしまうということです。FAT16には2GBの制限があるのですから、異常な動作をする可能性が高いです。というワケで、このソフトのインストールが済めばDVD-RAMドライブのセットアップは終了です。

早速、メディアをフォーマットします。DVD-RAMのフォーマット形式には、独自のUDF形式とWindows標準のFAT16形式があります。前者は容量の大きなファイルの高速読み書きに有利なフォーマットで、フォーマット後は2.32GBが使用可能になります。後者は容量の小さなファイルの読み書きが速いフォーマットですが、フォーマット後はFAT16の制約のために使用可能なサイズは2GBになります。

UDFでフォーマットしたくなるところですが、ここで問題があります。"UDFファイルシステムの仕様上の制限"として、短いファイル名とロングファイル名を混在して使うと、ファイルのコピーや移動などがうまくできないという不具合があるのです(1998年9月現在。松下の不具合報告:http://www.pcc.panasonic.co.jp/p3/news/072/)。ドライバの不具合ではなくて、仕様の不具合ですから根が深いんですね。こういう状態では危なすぎて使う気になれません。よって私は、FAT16で使用しています。メディアは片面2GB、両面で4GBとなりますが、別に少なくはないですしね。

"片面2GB、両面で4GB"と書いたところでもう1つ。DVD-RAMのメディアには、裏と表の両面が使用できる「TYPE-1」と、片面のみ使用できる「TYPE-2」があります。松下が発売しているメディアの価格は、TYPE-1が4,000円、TYPE-2が2,500円となっています。広告や雑誌記事などでは、このTYPE-1を差して「両面で5.2GB使える」という書き方がされています。これを見て、例えば「空き容量5.2GBのメディアが作れる」というようなイメージを持っている人もいるかと思います。少なくとも私はそうでした(笑)

そうではなくて、最大容量はあくまで2.6GB(アンフォーマット時。UDFで2.32GB、FAT16では2GB)で、それが2枚分あると言うだけの話です。同時に使えるのは片面だけで、裏を使うときはメディアを取り出して、ひっくり返して挿入しなければなりません。レコードやテープと同じですね。


- DVD-RAMドライブ使用感 -

さて、私のDVD-RAMの使用目的は、CGなどのデータの日常的なバックアップです。できれば毎日バックアップをしていたいですね。ちなみにシステムなどのバックアップは考えていません。システムが吹き飛ぶというのはHDDがクラッシュしたとき以外はほとんど考えられません。その時は、全てを再構築して綺麗なシステムに作りなおすつもりです。でも、データだけはそうはいかないですからね。



メディアのフォーマットを終えて、早速HDDからの大量コピーをしてみました。方法は単純にエクスプローラ上でのドラッグ&ドロップです。コピーされるのは6,500個余りのファイルで、総容量は約690MB(うちクラスタギャップ50MB…)になります。この時点でMOやCD-Rへのコピーは(容量的に)不可能になってますね。で、結果ですが、約1時間かかりました。…速いのか遅いのか分かんないです(笑) こんなに大量&大容量のコピーなんて初めてなもんで…参考にならないかな、これじゃあ(汗) ちなみにDVD-RAMに入った時点で、メディアを占有する容量は約740MBに膨らんでいます。これはフォーマット形式がFAT16のために、HDDではクラスタサイズが16KBだったのに対し、DVD-RAMの方では32KBになった事によるものです。

FAT16だったおかげで1時間で済んでいますが、UDFでファーマットした場合はもっと時間がかかるハズです。松下のサイトに、UDFとFAT16でのパフォーマンスの違いを示しているページがあります(
こちら)。



使っていて気になったところですが、エクスプローラで下位にフォルダを持っているフォルダ…つまり、ツリーのフォルダアイコンの左が「+」になっているフォルダですが、このフォルダを開く時に下位のフォルダがツリー上に展開されますよね(あぁ、言葉では分かりにくいか…(^_^;)。この展開が、フォルダがペペペペペ…と1個1個表示されていくののが確認できるほど遅いんです。頻繁にDVD-RAMを参照しようとする人には、これはキツいかもしれません。

それと、リード/ライトキャッシュのON/OFFを制御できるソフトが松下のドライブにはついているのですが、私の買ったメディアインテリジェント販売のドライブにはついてません。どの程度、パフォーマンスが変わってくるのかは分からないのですが、少し気になりますね。

また、私には関係ないことですが、まだWindows98用のドライバが出ていません(9/28追記:9/25に出ました)。Win98ではこのドライブは使用できないことになっています(松下のWin98対応予定表はこちら)。わざと「できないことになってい」るという思わせぶりな書き方をしましたが、マイクロスタッフの製品「SCSI郎バックアップキット」では、DVD-RAMドライブをMOドライブのように見せかけることにより、Win98などのFAT32形式で扱うことができるということです。詳細はリンク先を見ていただくとして、個人的にはこういう類は信用(信頼)しないので、使う気にはなりません(笑)


- 関連リンク -

DVD-RAM & PD (松下のDVD-RAMとPDに関するページ)
http://www.panasonic.co.jp/pd/

日経パソコンonlineの新製品リポート(「細かいファイルの読み書きは苦手」記事あり)。
http://www2.nikkeibp.co.jp/NPC/report/report_0112.html

 
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