1. 番長方面
  2. Scenes from the Memories - 目次

Last Modified : 17 OCTOBER 2006


2002年、3月12日。私の分身「topcat Ban」という一人の男と共に、私は初めてネットワークを舞台とした巨大なゲーム世界に身を投じた。そしてそこで初めて、どこの誰とも知れない人達と同じ世界で同じゲーム「Phantasy Star Online」(PSO)に興じたのだった。

その後私は分身を「Sargasso」という女に代え、その世界で過ごしていった。知り合いが出来た。別れもあった。何もかも新鮮だったその体験に、ネットゲームの魅力を感じ取った。そして新たなPSOに舞台を変える。そこでは「Menandoza」という分身を通して新たな知り合いを作ったが、そのゲームに対して抱いた不満から、私は彼らと別れて別の舞台に移ることを選んだ。

2002年11月末。私はパートナー「Dulcinea」と共に、その世界「ヴァナ・ディール」に降り立った。


2003年、正確には2004年の元日午前中までの1年1ヶ月あまりのプレイ期間を経て、私はMMORPG「Final Fantasy XI」(FFXI)のプレイを終了した。あれからもう1年以上が経った。

ネットゲーム、特にMMORPGのプレイ内容を記した、いわゆる「プレイ日記」というのはWeb上によくある。その日あったことをそのまま記し、「楽しかった」という感想とか、知り合いに対する「また遊ぼうね」とかいった私信とかを書いて、それに画面写真を貼り付ければなんだか大層なもののような、雑誌の記事のような見た目それっぽいものが出来上がる。出来上がるのだが、第三者がそれを読んで面白く思えるものに仕上がっていることは、溢れるプレイ日記の数に比例するほどには無いものだと、勿論自分で見た範囲では、であるがそう感じている。

どうにかそれとは一線を画したものにしたいと考えながら、FFXIをプレイしながら私は自分のサイトにプレイ日記を記した。当時は仕事に忙しかったので徐々にリアルタイムで書くことが出来なくなり、最終的にプレイ日記を書き終えることが出来たのは結局2004年の9月になってしまった。実に9ヶ月遅れだ。その更新も終えて、もう半年近くになった。

FFXIのプレイを終えた後で、私は2004年3月から新たに別のMMORPG、「Ultima Online」(UO)のプレイを開始した。その中で知り合った人たちにも前述のプレイ日記を読んでもらったのだが、その知人からはFFXI日記のように、UOのプレイ日記を書かないのかと聞かれたことが何度かある。

実際私自身、また文章を書いてみたいと思ったりもする。UOは私にとって、FFXIと比べてとても快適で、何かに追い立てられるような切迫した気持ちや取り残される孤独感を持つこともなく、実に心地よく過ごせている。そんな世界を記したいと思ったりもするのだ。

だけれど私はFFXIのプレイ日記において、伝えたいと思う大体のことは書いてしまった。FFXIというゲームの内容のことではない。MMORPGという形態のネットゲームを通して感じたことだ。プレイ日記の形を借りて、言いたいことは言ってしまった感がある。UOのプレイ日記を書いても、伝えることはまた同じ事になりそうなのだ。だったらせめて、表現方法を大きく変えられないかと考えているのだが……どうにもいい方法をまだ思い付かない。同じ事をすることは無いだろう。一度終えたFFXIのプレイを、再開しなかったように。そう、2周目は必要ないのだ。

UOというゲームには実に7年という歴史がある。だから同じようなことを書いているサイトは既に何処かにあるような気もする。そこを探して紹介した方が、手っ取り早いのかも知れないな……とか考えたりもする。

プレイ日記を通して自分だけが伝えられることとは、果たしてどの様なことだろうか。


未だドルシネアの印象が、私の中に強く残っているのだけれど……彼女を新たな世界に連れては行けない。彼女は今もヴァナ・ディールにいる筈だし、彼女のストーリーは既に語り終えたのだから。

新たな世界には、新たなパートナーと共に行こう。

Close your eyes, Lavender Alice.

彼女と共に夢の舞台へ、新たなストーリーを求めて。

  • 初出 : 2004/12/30
  • 改訂 : 2006/09/28

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