Last Modified : 8 JANUARY 2004
From Dulcinea's diary Part.1 "The Mother Dulcet Wind".
今日の釣りはいきなり竿が折れる音から始まった。すぐ近くにあるモグハウスから竿を持って戻り、釣りを再開。先日、毒消しを送ってくれたMmさんとTellで会話しながら、ヒットしまくる竿を上げ続けた。最も安い竿のためか、その後更に二本も折れてしまったが、堀ブナはようやく12匹集まった。これで競売に出せば、3,000ギルの売り上げが見込めるだろう。
この釣りの前に、ドルシネアは既にジョブチェンジを済ませていた。新たなジョブは「赤魔道士」。回復・強化などの白魔法に加え攻撃の黒魔法のどちらも使うことが出来、武器に特殊効果を付加するエンチャント系の専用魔法を扱うことが出来る。更に片手剣を持ち近接攻撃を仕掛けることも可能。それぞれの専門職には及ばないものの、その場面場面において役割を柔軟に替えることの出来るジョブだ。そして一人で冒険する、ソロプレイでもその多面性は有効だろう。
白魔法だけでなく、黒魔法も使ってみたいと思っていた。そしてFlさんとの二人パーティにおいても役立つだろうと考えた。魔法で強化、敵にダメージを与えてから剣で斬りつける。HPが減ってきたら回復に回る。悪くないんじゃないかなと考えた。
かくして赤魔道士・ドルシネア、東サルタバルタの草原に出撃。さぁ、まずはハチで経験値稼ぎ……と息巻くドル猫の横を、突然全裸のミスラが走っていった。目を丸くするドルシネア。もちろん全裸といっても、単に何も装備していない下着姿である訳だが、それはとても場違いだ。まぁ、恐らくレベルが高いのでここら辺は安心なのだろう。しかし、見てるこっちの方が恥ずかしい。特に同じミスラなだけに。
気にしないことにしてハチを狩る。レベルが2に上がろうとする頃、道の向こうを全裸ミスラが駆けていた。その後ろをハチとピクミンが追っている。……ト、トレイン? あのように敵を複数引き連れて逃げる様を、ネットゲームのスラングで「トレイン」というのだが、あのトレインは今まで見た中で特に敵の数が多い。ハチが三体にピクミン二体。なんであんな弱っちいモンスターに追われるんだ?とミスラのレベルを確認する。……レベル1だ……。
全裸ミスラ、あっという間に轟沈。あんな低レベルな敵のトレインなんて初めて見た。っていうか、集まってくるんだったのか、ハチやピクミンって? そもそもあのミスラ、何をしたかったのだろう……? 疑問の中、赤のドルシネアはレベル3になった。
シーフにジョブチェンジして再度出撃。この日は二人のタルタルを助け損ねた。最初のタルタルはどうにも不可解な状況だった。すぐそばにいた仲間と思われるタルタルが、白魔道士の最終手段とも言えるジョブアビリティ・女神の祝福まで使った仲間を助けなかったのだ。助けられなかった私に、お礼はしてくれたのだが……よく分からない。しばらく後に、また二人でいるのは見掛けたけれど。
二人目のタルはGiant Beeと戦っていた。戦況が微妙なので、遠隔武器をダートに持ち替えて見守っていたのだけれど、救援要請が出たのですかさずこれを投げつけた。しかし、ダートがハチに当たっているのに、ターゲットがこちらに移らない。慌てて剣を抜いて走り寄ったが、遅すぎた。
最初からもっと近付いておいて、剣戟なりジョブアビリティの「ぬすむ」なりを仕掛ければ良かった……姿を消してホームポイントに戻ったタルタルに、Tellで詫びを入れる。「気にしないでくださーい 蜂にやられるなんてちょっとショック!」と、少し楽しい返事。さっきもタルを助けられなかったので……と話すと、「一日一死が基本タル!」と返され、思わず吹き出した。ちょっと救われちゃったな。でも、獣人支配に気を付けろ。
ゴブリンやヤグードのキャンプ地を襲い、焚き火を強奪しながらサルタバルタを北上する。
夜が明けたサルタバルタ北部で、ガルカの背を見た。ためらいがちにゴブに攻撃を仕掛けたその様子が気になって見守ると、やはり微妙な戦況に。そして爆弾炸裂でちょいとピンチ、やはり救援要請が出たっ! 剣を抜きながらだーっと駆け寄り、ゴブリンに斬りつける。ガルカさんも逃げずにウロウロしながら戦っている。ガルカさん、ゴブリン、そしてドル猫……三者入り乱れるちょいとした混乱状態に。
ゴブのHPを見て、あと一、二撃と判断したその時。ドガァーッ!と大きな効果音と画面に派手なエフェクトが掛かったかと思うと、そのエフェクトの中から一人のタルタルが勢いよく飛び出して、あっという間にドル猫の目前を駆け抜けていった。……ゴブリンは死んでいた。ログを確認すると、そのタルさんの一撃がクリティカルヒットでトドメを刺していた。
振り返ると、もうタルタルの姿は見えなかった。一瞬のことに少し呆然となっていると、「ありがとう〜」というガルカさんの声が届いた。振り向いて、二人でその場にしゃがみ込む。「いえいえー、というか、あのタルさん格好よかったw」と返すと、「うんw」とガルカさんも頷いた。まさに辻斬りタルタル。タルタルのイメージが、少しだけ変わった。