羽白美衣龍神 


 羽白美衣龍神(はくびりゅうじん)  高針東山ゴルフ場西南に隣接して祀(まつ)られている。

  羽白美衣龍神鳥居  羽白美衣龍神本殿

参道入り口の鳥居をくぐり、人気のないアップダウンのある山道を700〜800メートル進むと、急に視界が開け、眼下にゴルフコースと五合池が望(のぞ)める。

その眺望(ちょうぼう)地点に羽白美衣龍神本殿がある。



以下、本殿に貼られている由緒書を要約する。         ※ ( )内は、執筆者による。

昭和28年春、ゴルフコース造成に従事する多くの人達が、池の面を泳ぐ大蛇を目撃した。
大蛇は、長さ三間半、胴廻り二尺余り、尾はビール瓶の太さ位であった。
目撃した高針の人々は、恐怖の余り数日間床に臥(ふ)した。
一日でも早く大蛇を祀り、村の隆盛とゴルフコース工事の安全を祈ろうという声が高まり、地元木曽御嶽山の行者にお伺(うかが)いを立てたところ、
「霊妙なる神通力を有す羽白美衣龍神と申し、数百年前よりこの地に棲(す)んでいたが、ゴルフコース造成で、ついに人々の前に姿を現してしまったが、祭祀怠(おこた)らずば、大願成就の神力を発揮するものなり」との御神託を得た。

昭和廿八年霜月二十七日遷座(せんざ)す。  
平成十五年、遷座五十年が過ぎた。       大鐘龍昇 書 

 ※元は「白美龍神」と称していたが、「遷座五十周年」の頃、「白美」の文字を「羽衣」で飾ったと思われる。



以下、新聞記事。


   2004年(平成16年)4月28日(水曜日)    中日新聞市民版

 名東区の羽白美衣竜神社   今も続く竜神信仰
 
名東区の牧野ケ池緑地内にある羽白美衣竜(はくびりゅう)神社で、大蛇を祭った社が50年ぶりに新調され、26日に行われた大祭で披露された。

 大蛇を祭った社   50年ぶり新調

地元の多くの人が見たとされる大蛇を竜神として祭る同神社は1953(昭和28)年11月に建立された。
ことし五十周年を迎えたのに合わせ、同神社奉賛会が募った寄付金などで、神社内部のご神体を納めている老朽化した社を新調。
この社は高さ95センチ、奥行き81センチ、幅65センチ。
前の社と同じ板宮丸柱造りで、市内の宮大工がヒノキを利用し約一カ月をかけて制作した。
大蛇の存在は江戸時代から伝えられていたが、目撃者が増えたのは1947年前後に、同緑地内でゴルフ場開発が始まってから。
住民は「この付近の主だから祭らねばならない」と神社建立を計画し、木曽御嶽山(きそおんたけさん)の行者に相談した結果、現在の場に建てた。
 
実際に大蛇を目撃したという同会会長宮島哲朗さん(72)=名東区松井町=は、
「体長が6メートルはあった。神社ができると姿を消してしまったけど、今でも竜神として私たちを見守ってくれているんでしょう」。
この日、境内で同会会員と御嶽山の神職の計15人ほどが、粛々と儀式を営んだ。





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