測定
長さは扱いやすいように5m(機械的長さで1/4λで15MHzに共振するはず)にしました。
二階の物干しのベランダに4mほどのパイプを斜めに取り付け(地上高約7m)滑車を取り付けロープでつりさげます。
@共振時のインピーダンスと短縮率の測定
図3のように先端オープンで周波数を変化して測定すると電気長1/4λになる周波数でRs,Xsともに最小になります。これは直列共振状態と等価で高周波的には短絡状態です。この周波数と機械長で計算した周波数の比が短縮率になります。5D−2Vは9.45MHzで共振して短縮率K=0.63、5D−FBは11.2MHzでK=0.75、300ΩTVフィダーは12.5MHzでK=0.83になりました。同軸ケーブルは両方とも公称値よりやや小さくなりましたがこんなもでしょう。
先端ショートでは、先端オープンと同じ周波数ではRsは最大(並列共振状態と等価)になり測定範囲を超えてしまい測定不能です。そのまま周波数をあげていくとほぼ2倍の周波数(1/2λ)で逆にRs,Xs共に最小になりました。1/4λの整数倍でインピーダンス最大、最小が繰り返されます。外部の影響を確認するため写真(1)のように直径30cmていどにループ状に巻いた状態で測定しても同軸ケーブルは2種類ともRs,Xs,共振周波数共に全く変化はなく、外部の影響は受けないことが確認できました。
300ΩTVフィダーでも写真(1)と同様にループ状にすると、若干共振周波数が低下しただけで予想に反し影響は少ないという結果になりました。しかしループ状のまま手で強く握ると大幅に低下しました。300Ωフィダーは同軸ケーブルより伝送損失がはるかに少ないにも関わらず使用されないのは外部の影響を受けやすいためとおもわれます。
念のため50Ωダミーロードをアンテナエレメントに先端開放の1/4λ同軸ケーブルをラジアルエレメントに見立て接続した場合にインピーダンスがどうなるかを測定してみました。
図4Aはダミーロードだけで測定したもので、R=49Ω、Xs=0です。図4bは給電部と並列に接続したものでRs=0、Rs=0、これは先端開放の場合給電部側はインピーダンス最小(短絡状態)のためです。図4Cはロードダミーロードの設置側を1/4λ同軸ケーブルが直列に接続されたものでこの時のインピーダンスはRs=58,Xs=0です。先端開放1/4λ同軸ケーブルは直列共振回路と等価なためこのロス分が直列に加わりRs49Ωより58Ωに高くなりましたになりました。
(A)
図4 ダミーロードと組み合わせた時のインピーダンス変化