縁起


「正善寺雲海」
温暖の激しい時節、時折ですが、とてもすばらしい雲海が見ら
れることがあります。神石高原町三景ともいわれる雲海は、
中でも春と秋の朝寒く快晴の日には、濃い真っ白な雲海が出
現し、赤い屋根の正善寺がより一層映えます。
「正善寺山門」
数年前に改修しました。土台は今年になってからコンクリート舗装を
直しました。真宗寺院には珍しく、石州瓦の朱色で全体も竜宮をイメ
ージした山門です。今は腐食のため無くなりましたが、山門脇には
唐門もあり、まさに訪れた方は雲海に浮かぶ竜宮に入る気分だっ
たとか。。。。。
「正善寺の鯱鉾屋根」
正善寺の屋根は現在石州瓦です。標高約600mにある正善寺
は備後教区内の真宗寺院有数の豪雪地域にありますので、
屋根は油分を含む石州瓦が必然であり、近くの寺院や家屋
にも数多く見られます。頂にある鯱部分は、数十年前まで李
地区内で焼かれていたといわれる伝説の李瓦であり、現在神
石高原町文化財に指定されています。
「正善寺御本尊」
浄土真宗本願寺派の寺院である当寺の御本尊はもちろん、阿弥陀如来 
立像です。年代や作者は不詳です。宮殿は数年前に改装致しました。
「熊原山 正善寺」
山門脇にある仙養石製の看板です。当寺のある神石高原町仙養地区内には、
休火山でもある仙養ヶ原があり、火山石の類である仙養石がたくさん採掘され
ます。この石の特徴は磨くと青黒く光り、字体を白く染めると何ともいえない風潮
になります。
「正善寺納骨堂と親鸞聖人像」
正善寺門信徒の御骨を安置しています。いつもは鍵がしまっています
が、年2回(永代経、報恩講)の時には特別に開扉しています。その脇
には石像の親鸞聖人像があります。一般的に浄土真宗では銅像の親
鸞聖人像が多く、石造はほとんど存在しません。この像は、ある石材
屋さんより寄進されました。親鸞聖人に関わる書物より等身大の像に
こだわりを持って製作された、唯一無二の像です。
「正善寺秘佛」
正善寺はもともと九州薩摩より移転してきたそうです。当時、隠れ念仏と
もいわれ、藩の念仏弾圧から隠れてながら必死で護りぬいてきた念仏
の御同行と共にこの地へ逃れてきたと伝えられています。その時、同行
したご門徒と共にあったのが、この阿弥陀如来座像と伝えられていま
す。私の勝手なめききによると、恐らく鎌倉時代前期の物かと。。。
「正善寺宝」
今から数十年にも前になります。ある著名な日本画家(書道家)
が、たまたま当寺を休憩に訪れたそうです。のどが渇いていたらし
く、正善寺境内より湧き出ている山水で喉を潤されたそうです。い
たくその名水に感激され、そこで少しの間逗留されたそうです。夕
食のデザートに出されたフルーツの梨をかじったあと、その梨に墨
をつけて書かれた書と伝えられています。裏画有り。
「杉原雅明先生 絵画」 本堂内に常設。見物自由
「記念事業」
正善寺第23世住職継職にあたりつ、門信徒の皆様にはたくさんのお
世話をいただきました。本堂外陣床張替、新住職衣体購入、庫裏増
築にあたり、たくさんの御宝志を戴きまはた。誠に有難うございまし
た。大切に使わせて戴きます。
「正善寺山菜」
正善寺周辺には季節毎にたくさんの山菜が出ます。フキノトウ、ツク
シ、ワラビ、タラノメ等が代表ですが、やはり正善寺名物はタケノコで
す。特にハチクはアク抜きも要らず、重宝します。しかし、正善寺墓地
周辺では草枯らし用の農薬が使用されています。気をつけましょ
う。。。 マツタケという品種のキノコは境内には生えません。。。
「潅仏会白像」
豊松のアーティスト江草氏による白像です。春彼岸会、永代経、潅
仏会を併せておつとめしています。このときに花祭り掛け軸とともに
荘厳しています。