TOP > DREAM > SとMの悲劇
SとMの悲劇
※注意書き

・タイトル通りの下ネタ話です(それすら解からない方はこの時点でお戻り下さい)
・この作品ではキャラが壊れていたりします。
・忍足が同人界で時折見るような変態です。
・ジローが真っ黒です。
・ヒロインも少し変な人です。
・出来れば義務教育を終えられてない方にはご遠慮頂きたいですが、あくまで自己責任でお願いします。

上記の事が許せないという方は、スクロールせずに戻って下さい。
大丈夫むしろどんとこい!という方は、下へスクロールして本編をどうぞ。
苦情は一切受け付けません。





























































って、自分はSとMのどっちやと思う?」
 パソコン用の椅子に座り怪しげな雑誌に読みふけっていた忍足は、マネージャーのが部室の掃除をしにやって来るなり、顔を上げて唐突にそう訊ねた。
 一歩間違えばセクハラ発言だが、は結構オープンなのであまり問題はない。むしろ自ら進んでそういった話題に割り込んでくるタイプだ。
 忍足と同じく部室で着替えたり談笑などをしていたレギュラーメンバーは、また忍足がおかしな事を言い始めたと呆れ返りつつも、自分達が想いを寄せるがどんな答えを返すのかが気になり耳を傾けた。
「私はSだよ。ひれ伏す男を見るとゾクゾクしちゃう」
 はニコッと魅力的に微笑んであっさり答えた。

 忍足の横でパソコンをいじっていた跡部が、椅子を回してを振り返り話に加わる。
「まあお前はMではねぇな」
「うん。我慢とか痛いのとかは大っ嫌い。むしろそれを男に強いる方が好き」
 まるで経験済みかのようなの言葉に、跡部は動揺した。見知らぬ男を縛りつけ苛めて恍惚とするの姿が脳裏に浮かぶ。
「なっ…お前、誰かとそういうプレイをした事があんのか!?」
「あははー、何言ってんの跡部」
 とは気楽に笑ったが、それだけだった。核心に触れた返事が貰えず、跡部は内心穏やかではない。まさかが自分以外の男と…?という焦りが生まれる。
「まあまあ跡部、経験があろうとなかろうと、どっちでもええやないか。素人っぽいのもええし、俺としては、熟練の業を受けてみたいっちゅう気持ちもあるし…」
 忍足はチラッ、と期待を込めた眼差しをに向ける。誰も承諾していないのにとSMプレイをする気マンマンのようだ。

「踏みつけられたい人がいればいくらでも踏んであげるわよ?」
 忍足はそれを聞いてすかさず挙手をした。心なしか鼻息が荒い。
「はいっ! 俺俺!」
(うわあ…)
 眼鏡の奥の瞳を爛々と輝かせる忍足に、他のメンバーは痛々しいものでも見るかのように表情を歪ませた。
「忍足かあ。オプションで「もっと強く踏んで下さい女王様」って言ってくれる?」
「言う! なんぼでも言うで!」
「でも忍足だけじゃつまんなそうだな〜。他にMな人はいないの?」
 「何ならその手にあるホウキを使うてくれても…!」と迫ろうとする忍足の顔を平然と押しのけて、はキョロキョロと室内の人間を見回す。

「俺、先輩になら…」
 と頬を赤らめて控えめに手を上げたのは、まさかの鳳だ。
(お前もそっちの世界に行くのか鳳よ!?)
 心の中ででもツっこまずにはいられない。
「ホント? チョタは犬っぽいから、首輪とかつけると可愛いかも〜」
 が嬉しそうに手を打ち鳴らして言った。とんだ変態プレイの提案に、忍足はじとーっと羨ましそうな目を向ける。
 自分がに特別扱いしてもらえたような気がした鳳は、こぶしを握って意気込んだ。
「が、頑張りますっ!」
 はうんうんと頷き、鳳の頭を撫でた。従順な犬の耳と尻尾の幻が見える。耳と尻尾を実際につけてみようかとは本気で思った。

 はそういった(調教)グッズを買ってもらおうと跡部の方を見ると、まださっきのやり取りを気にしているのか、跡部は探るようにを見つめていた。構ってもらいたいのだろうかと思って、は首を傾げる。
「でも跡部はSっぽいから、踏まれるのなんて嫌だよね〜…」
 が残念そうに呟くと、跡部は気を取り直して「フッ」と不敵に髪を掻き上げた。
「…しょうがねぇな。お前がそんなに俺様を踏みたいってんなら、踏ませてやるよ」
 跡部は頬を染めてどこか嬉しそうに言い、を抱き寄せようと手を伸ばした。
 が経験済みにしろ未経験にしろ、これからは自分だけを相手にしてくれればいいんだ、というところで落ち着いたようだ。
「いいか、俺がこんな事許すのは、お前だけなんだぜ…」
「――がっくんと宍戸は〜?」
 は跡部の手を自然に躱して後半の愛のセリフを最後まで聞かず、話に加わらないように気配を消していた二人に訊ねた。跡部の手が虚しく空を掴んだのを誰も見ていなかったのは彼にとって唯一の救いだったかもしれない。

 突然指名された岳人と宍戸はビクッと顔を引きつらせて、微妙にから目を逸らす。
「お、俺らはいいよ。な、宍戸?」
「お、おう」
「え〜…いいの〜…?」
 悲しそうにしょぼんとする。そんな顔をされては、断るに断れない。だがしかしここにいる全員がマネージャーにひれ伏して、誇り高き氷帝テニス部がアブノーマル集団になってしまうのは非常に嫌だった。
 上目遣い攻撃をされる前にの興味の対象を変えようと、岳人は大急ぎで部屋を見回す――いた!
「そうだ! 樺地はどうだよ!?」
「ウッ…!?」

 岳人と宍戸以上に壁と一体化して気配を消していた樺地はギョッとした。自分にだけは火の粉は降りかからないだろうと思っていた。跡部が仕事を終えるのを待っていただけなのに。嫌な汗が一筋流れた。
 はじーっと樺地を見つめると、気の毒そうに眉を八の字にした。
「…樺地くんを踏むなんて可哀想でできないよ」
 樺地がホッとしたのも束の間、はニッコリと笑って。
「だからせめて、お馬さんやってもらおうかなっ」
(お馬さん…が馬乗り…!)
 その卑猥な響きに、何人かが少なからず興奮した。もちろんの言う『お馬さん』とは、小さな子供が大人などによくやってもらうあれの事で他意はない。
「ねっ、樺地くん」
「ウッ……ウス…」
 本当は遠慮したい樺地だが、後が怖くて拒めず。というか踏まれるよりは遥かにマシのような気がした。子供を相手にしていると思えばいい。

「えーっとあとは〜…」
 これだけ下僕を手に入れてもまだ物足りないのか、は最後の一人に目をつけた。ソファの上で丸まって眠りこけているジローだ。
 はソロソロと近づき、両手でジローの腕をぽんっと叩く。
「じーろーちゃんっ! 今みんなで遊んでるんだけど、ジローちゃんもやらない?」
「んー…なに? なんの遊び〜?」
 目を擦りながらジローは目を覚ました。
「そうだ、まず最初にジローを踏んでやれよ。どうせ寝起きで感覚ねーだろ」
 生け贄は多い方がいい、と岳人がをたきつけた。自分の身を守る為とはいえ、岳人も結構なワルである。
「踏むの? いいよぉ。なんのゲームかしんないけど、俺、今踏みやすいんじゃない〜?」
 ソファというちょうど良い高さの物に横向きに寝ているジローは、確かに踏みつけやすそうだ。それにあっさり快諾してくれた――だが。
〜、早く〜」
 これまでの経緯を何も知らないジローは、これから何が起こるのだろうかという好奇心いっぱいの無垢な眼差しを向けてくる。
(わ、私にはできない…! こんな可愛いジローちゃんを踏みつけるなんて…っ!)
 ジローの可愛さにSになりきれないは、口惜しげに敗北宣言した。
「む、無理です…」

「え〜だめじゃん〜。がみんなを踏むゲームなんでしょ〜? できなかったから罰ゲームだね〜」
 ジローはニコニコと笑っての腕を引っ張り、あっという間に自分の下に組み敷いた。が持っていたホウキがカラカラと音を立てて床に転がる。
「え」
「今日一日、ずーっと俺の下にいるコト。意味わかるよね〜?」
 は一瞬何が起こったのか理解出来なかったが、ジローの手が躊躇なく自分のブラウスをべろんとめくり上げブラジャーが露わになると、ようやく自分の置かれた状況を悟った。
「――…ギャー!!」
 もっと色気のある叫び方はないものかと誰もが思ったが、さすがにそれどころではないと解かっているので敢えてそちらにはツっこまない。むしろほとんどの者がの胸元に釘づけになっていた。
「お、おいジロー…!」
 良識派の宍戸が、の身体を極力見ないようにしながらジローをたしなめるように声をかけた。
 ジローは顔を上げて笑顔で宍戸を見たが、目が笑っていない。
「なに? 俺とがヤってるとこ見たいの?」
「え、いや、ちが…」
 宍戸はジローの威圧感にたじろぐ。暗に「殺されたくなかったら出てけよ?」と仄めかされているような気がした。
「もちろん見た――…ああいや、俺らはまずに踏んでもらうんや! そこどきぃジロー!」
 忍足が息巻いてナチュラルに変態発言をかまし、いらぬ勇気を見せてくれたが、今のジローには全く効き目はなかった。
 ジローはゆらりと忍足の方に顔を方向転換させた。
「そんなに踏まれてぇなら、明日俺がみぃんなまとめて踏みつぶしてあげるよ。だからとっとと出てってくんねぇ?」
『…………』
 ジローのどす黒いオーラにあてられ、そそくさと部室を後にするメンバー達。校内最高権力者であるはずのあの跡部様ですら関わり合いを避けた。
「うおォい待てや薄情者どもォォ!!」
 の叫びが二人残された室内にこだました。

「ちょっ、ジローちゃん、話し合おうか!」
 はもがいて必死の抵抗を試みたが、強く押さえつけられた手首にジローの指が食い込んでさらに痛むだけだった。
「私Sだから、同じSのジローちゃんとは合わないんじゃないかなあ!」
 というか今の時点でもジローのSは、余裕でのSの上を行っている。
「これを機にMの世界を知ったらいいんじゃない〜? 案外ハマっちゃうかもよ〜」
「じゃ、じゃあジローちゃんがMになれば?」
「俺ぇ? あはは、まっぴらごめん」
 無邪気な笑顔でジローはキッパリ答えた。確かにここまでドSだと、修整は難しいだろうと思われる。
「あ、でも騎乗位は大歓迎だよ。あとでやろーね。上に乗れば支配欲満たされるんじゃない? ロデオがしたかったんでしょ? SもMも両方体験できてよかったね〜」
 樺地に馬乗りがどうのという話をジローが知っているという事は、その辺りですでに起きていて、声をかけた時には狸寝入りをしていたという事だ。
(こやつ、確信犯…!?)
 今頃気づいても後の祭りだった。ジローはの制服のネクタイを解き、目の前でピンッと真っ直ぐに張らせる。
「そんじゃまず、ネクタイ使って手ェ縛ろっか。あ、それとも目隠しの方がE〜? そんで濡らさずにいきなり挿れるとか〜、もしくは×××を使って○○○に〜…――」
 ジローの口から次々と吐き出されてくるそのあまりにも異常な提案に、はゴッドスピードで首を左右に振って抗議した。
「せめて、せめてノーマルプレイでッ!!」
 の切実なる願いを、ジローは最高の笑顔で――

「やだ」

 ――却下した。


「さ、今日は部室に泊まり込みだね〜?」
「いやいやいやいや帰る帰る!!」
「…抵抗すると痛くするよ?」
 一段低くなったジローの声に、はピタリと大人しくなる。
「ん、いいコだね。だいじょーぶだいじょーぶ……壊れない程度に手加減するから」
 ジローの目が獲物を狙うようにぎらりと光った。



「やっぱお家に帰らせてえェェ!!」










終われ。
update : 2006.7.22
ドリームメニューへトップページへ