2005年6月市議会(第2回定例会)での一般質問 | ||
今回の一般質問の大きな項目はです。
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本市の図書館・学校図書室の運営と今後の課題等について、14番三宅英子君。 (14番 三宅英子君 登壇)(拍手) |
○14番(三宅英子君) |
○市 長(土屋正忠君) まず、大きな1点目の図書館について、今後の総合的な調整に関することが多いので、所管は教育委員会でございますが、私から総合的にお答えし、最後の学校図書室については教育長からお答え申し上げます。 まず最初に、新公共施設に絡んでの御質問がありましたが、武蔵野プレイス管理運営基本計画検討委員会の中で、どのようなやり方をやったらいいのかということを種々議論してきたわけであります。また、教育委員会には随時報告し、意見を求めながら進めてまいったわけで、この検討委員会で出された方向性に沿って、今後、具体の論に入っていきたいと、このように考えております。 次に、スポーツ振興事業団の改組のことでございますが、スポーツ振興事業団の今のメンバーには、当然のことながら、図書館運営についての専門家はおりません。これは、当然のことであります。現在のスポーツ振興事業団にとっては、図書館運営を管理していないわけですから、そういう余剰な人員を抱えているはずがないわけであります。したがいまして、このスポーツ振興事業団が仮に改組して、生涯学習スポーツ事業団のようなものになるとすれば、そういった人員を適切に配置していくと、こういうことになるわけであります。ただ、どのようなプロセスで、どのような格好で、何名、いつ、どこで、どういうふうにいくかについては、今後の検討課題でございますので、先ほど申したような具体の話はこれからのことになっていくと、こんなふうに考えています。 次に、現在の館長を初め、司書、その他人事構想については、今後の具体の検討の中でやっていくわけでありますが、今、図書館活動を体系的・継続的にやっている、こういう人材並びにやり方、組織等については、継承し、取り込んでいくと、こういうことになることは当然のことであります。 次に、いわゆる武蔵野市の行政関係団体の経営懇談会の中でそういう話が出たかということですが、経営懇談会は、初めてやった情報交換の会でございますので、この種のことは議論しておりません。 次に、西部図書館についての契約でございますが、基本的には、これは特別委員会でも申し上げましたように、都営住宅の改築という大規模な建築があったわけで、当然その当時は宅地開発指導要綱がありましたので、宅地開発指導要綱に従って、都営住宅といえども、公共用地の提供とか、そういうことが義務づけられていたわけでありますが、一方で、東京都から見ますと、法律上の理由もなく財産を処分するわけにはいかない、こういうことがあって、それでは、地元還元施設をつくって、無償で貸し出しましょうと、こういうことによって、いわゆる宅地開発指導要綱が義務づけた公共用地の提供といったようなことを代替させたわけでございます。したがいまして、この代替措置に従ってできた図書館ですから、現在は図書館として使っていくわけであります。 仮に、この図書館を廃止した場合には2つの方法が考えられ、1つは、そのままお返しするという方法。もう1つは、引き続き武蔵野市が公共的な用途目的に使うと、こういうことになれば、当然のことながら、これは契約の変更ということになるだろうと思っております。まだ、どちらとも決めていないわけであります。 さて、仮に新公共施設を指定管理者制度にして、財団などに委託した場合に、具体的な話として、どのようにサービスが向上するかについては、これから設計と並行しながら、基本設計、詳細設計と入っていくわけでありますので、これと並行しながら、さまざまな形でサービスのあり方を考えていく。また、その一連の出来事の中で、現在やっている図書館サービスについても点検を加えていく、こういうことになるだろうと、このように考えております。これらの作業等については、特別委員会が今議会で任期切れになりますが、もし新たに設置するということになれば、そこの市議会の特別委員会に逐次御報告しながら進めていく、こういうことになるだろうと思っております。 それから、最後の学校図書室については、教育長からお答え申し上げます。 次に、御質問がありました名誉市民についてでございますけれども、名誉市民については、武蔵野市は名誉市民条例という条例を持っております。そして、その名誉市民条例の中で、御逝去された場合には、相当の礼をもって処遇すると、こういうことになっているわけで、相当な礼というのは一体何なのかということになります。例えば、丹羽文雄先生の場合にも、先生が生誕され、出身したまちがあるわけですが、その市からは、当然のことながら、どうですか、市葬や市民葬は考えていらっしゃるんですかというような問い合わせもあったりいたしましたが、私どもとしては、そういう考え方はないということを申し上げてきたわけであります。何を言いたいかというと、東京のような1,200万人都市のようなところになると、名誉都民の処遇とかということが、多数おられますし、それなりに落ち着いた処遇の仕方をするんですが、名誉市民のようなものは、地方で10万人、20万人の都市になればなるほど、処遇が厚くなると言いますか、郷土の誇りというような要素が絡んでくるわけであります。 武蔵野市は、その中間でありますから、その都度、議会と御相談して決めるわけでございますが、これらについては、過去の前例等に倣って、一定のことで御相談申し上げました。代表者会議などを開いていただく方がよかったのかどうかわかりませんが、議長と御相談申し上げて、処遇として行ったところでございます。過去と同様であります。これが十分弔意を尽くしているかどうかについては、評価の分かれるところでありますが、一定の武蔵野市を代表する立場の市長である私と、それから議会を代表するお立場の議長と2人で弔問に訪れたわけであります。そのほか、仮に名誉市民としての今後の何か講演会のようなものとか、そういうことができるのかどうかは、今後の課題だろうと思っております。 次に、長期計画・基本構想の傍聴等については、今までもたびたび御質問があり、お答えしてきたところでございます。したがいまして、従来と同様なやり方をやりましたので、従来からもお答えしたとおりでございます。 また、福祉三計画と地域福祉計画を総合的に見直すために、それぞれの委員会を定めたわけでありますが、具体的には次のような観点から決定したわけであります。まず、地域福祉の担い手として、地域で活動している市民に参加を呼びかける。それから、要支援者の代表の市民を呼びかける。つまり、受益者ですね。それから、一般市民の代表については公募すると、こういうことになった結果、民生委員、地域社協、老人クラブの代表の方々、また要支援の代表の方は、障害者の団体の代表など、全般的に網羅できたと、このように考えております。常時福祉に携わっている方々が参加して、そういう方々を中心に、さらに行政的な観点を入れて計画を立てていくということが一番大事なことで、一般的・機械的に公募しなければならないという、そういう性格のものではないと、まずそのように申し上げておきたいと存じます。市民参加というのは、その問題に対して関心を持っていて、なおかつ実践されていて、あるいはサービスを提供したり受益したりしている人、そういう人々を中心に物事を組み立てていくのが真の市民参加ですから、別に公募委員の枠によって市民参加したとかしないとかという、そんな単純なものではないと、このように申し上げておきたいと存じます。したがって、公募委員を3名程度にしたのは、全体のバランスとして大変よかったというふうに思っております。 どの委員が発言したかわからないということですが、問題は、だれが言ったかというよりも、どういう意見が出たかですから、これは当然のことながら、委員の自由な発言を担保していただきながら、なおかつ委員会の何を議論しているかがわかるようになっているわけですから、現行で結構だと思っております。 次に、計画など、既にでき上がってからパブリックコメントを求めるのではなくて、素案の段階から求めた方がいいと、こういう趣旨の御質問かと存じますが、前段階という言葉を使いましたが、前段階というのは、多分ある程度形ができてからパブリックコメントを求めるんではなくて、もう少し素案ができない段階からいろいろ意見をとった方がいいと、こういうふうな御趣旨かと存じます。こういうような御趣旨は、まことに結構なことですけれども、それは特定の意見を持った市民がそういう素案を形成するということではなくて、武蔵野市の場合には、さまざまな形でニーズ調査をやっております。例えば、定点観測的にやっているのは市民アンケート調査でありますし、さらに長期計画など立てるときには、綿密な市場調査の手法でさまざまなことをとっております。そのほか、昨日も出ましたが、いろいろな形で市民の声を反映させるような、つまり市民ニーズがどの辺にあるのかとか、こういうふうなことは大いにやっておりますので、かなりいろいろなことができているというふうに考えております。 大事なことは、よく市民、市民という言葉を使うわけでありますが、市民の代表というのはだれもおりません。法的に言って、市民の代表というのはだれもいないわけで、例えば市長は、表現として市民を代表してお祝い申し上げますと言いますけれども、市民の代表ではありません。正確に言うと、武蔵野市という地方公共団体を代表する立場であります。ですから、市民の声を聞くとか聞かないとかということは、例えば13万5,000人の全員の市民の意見を聞くわけにはいかないので、そこでさまざまな市民の意見を聞くというのは、標準偏差によるアンケート調査とか市場調査の手法を使ったようなやり方とか、そういうことが広くバランスよく意見を聞くということであって、たまたま手を挙げた人が、仮に何かの案で5人いたとすると。5人いた人の意見を聞くことが市民の意見を聞いたということにはならない。その場合には、5名の人の意見を聞いたと、こういうことになるわけですから、ここを間違えちゃいけないところで、広く市民参加ということを保障していく際に、実は我々も昭和40年代から30年間以上にわたって、市民の意見を聞くということはどういうことなんだと、真の市民参加というのは、どういうふうにあるべきなんだということを議論してきたわけですから、公募委員だとか、そういう単純なものではないと、このように申し上げておきたいと存じます。 次に、吉祥寺南町のことについてでございますが、これらについては陳情等が出ているようですから、この中で議論いたしますが、昨日申し述べましたように、建築基準法にのっとって粛々と確認事務を行ったと。それに対して、そうじゃないという考え方があり、異議申し立てなどがされた結果、また建築審査会が一定の評価をしたわけで、これは十分機能としてちゃんと動いていると、こういうことを申し上げておきたいと存じます。 条例と要領の関係でございますが、条例は条例で法規範性を持ったものであり、要領というのは、これは一般論として申し上げますが、行政が行政行為をさまざまにやっていく際の一つの基準を示したものですから、これが要綱とか要領とかといったようなもので、これは市長が定めるという形をとっております。 次に、パブリックコメントに対する市民の意見に対する回答ということですが、これはさまざまな意見が寄せられますので、一つ一つ回答していくということにはなりません。ただ、1つだけあるとすれば、市長への手紙という制度があって、市長への手紙という形をとったものについては、必ず回答を出すと、こういうことになっているわけであります。 次に、鳥取県の給与等についてでございますけれども、鳥取県は一定の方式でもって、鳥取県の広報として出しているわけであります。毎週火曜日、金曜日発行となっているわけでありますが、平成16年12月28日、号外第206号という中に、鳥取県の広報でもって、片山知事の名前で、鳥取県の給与等の状況を次のとおり公表するといって公表しているわけであります。今、手元にその写しがあります。これは、総務省通知による標準様式によって、鳥取県は発表しているわけであります。武蔵野市もその方式に従って、同様の発表をしていると、このように申し上げておきたいと存じます。 次に、防災・安全センターの予算については、記者会見のときに総額も含めて申し上げてきているところでございます。 |
○教育長(山上美弘君) 私の方からは、学校の情報教育指導関連の予算がここ数年増加しているけれども、学校図書館はどのような点が改善されたのかという点について、お答えさせていただきます。 情報教育関連の経費の増加につきましては、これは各小・中学校のコンピューター教室におけるパソコン等の機種変更による機器借り上げ料及び保守委託料等の増加でございます。特に、平成14年度につきましては、中学校に校内LAN、これを整備しましたので、これと、それから新たなパソコン購入費の増加、これが主なものでございまして、学校図書室に関する経費は含まれておりません。ただ、課題は何かということですから、情報教育の推進に関しましては、平成17年度から、ことし、指導課に学校コンピューター指導員、これを配置しまして、学校間情報ネットワークのさらなる利用促進とか教員研修、これの充実を図っております。 それから、学校図書室ですけれども、平成15年、16年に市内の小・中学校の図書室のデータベース化を図るためにコンピューターを設置しました。16年度より、司書または同等の資格を有する、持っています図書室サポーター、これを全校に配置しまして、児童生徒の図書室の利用を支援するとともに、図書室データベースの維持管理を行っています。今後は、学校図書室のこれらの機能を活用しまして、子どもの読書活動の推進をさらに図ってまいりたいというふうに考えております。 |
○14番(三宅英子君) 市長の答弁漏れを1点指摘したいと思います。一番最初の大きな1番の1)なんですが、私が質問しましたのは、今後、図書館運営をどのような方向性で進めていくかの基本姿勢を構築することが大事ではないかというふうに述べました。それに対して、市長は、検討委員会などを立ち上げて、そういった今後の大きな意味でのプランづくりを委員会などで検討するつもりはないかという質問をいたしましたが、それについて御答弁がございませんでした。 |
○市 長(土屋正忠君) それがどういう委員会になるかは別にして、たびたび申し上げておりますように、あらあらの方向を答申いたしましたが、これを具体の方向にやっていく際には、当然のことながら総合的な調整が必要なわけですから、先ほど各人事だとか、いろいろなこともお答えしましたように、そういうことも含めて検討していくことは、これは当然のことであります。先ほど申しましたように、その結果については逐次、特別委員会等が設置されるかどうか、これは今ここで私が言うことじゃありませんが、仮に設置された場合には、常時そこに報告し、御意見を求めていく、こういうことになるわけでございます。 |
○14番(三宅英子君) それでは、再質問いたします。 まず、市長市役所交際費についてですけれども、市長からいろいろ御意見を伺いましたけれども、名誉市民条例の中で相当の礼というふうに書いてあるということなんですが、この相当の礼というのは非常にあいまいな書き方だと私は思っています。それで、今、支出基準というものに、武蔵野市の場合は金額を設定しないということで、これまでたびたび市議会の中でも私は金額を設定すべきであるというふうに申し上げてきたと思います。それで、先ほどの市長のお話を聞いても、なぜ名誉都民の場合だと2万円で、武蔵野市の名誉市民だと100万円なのかということは納得できません。ただし、この件については、見解の相違ということですので、これ以上は申し上げません。 本題に戻ります。図書館についてですが、先ほど市長の方から、今後の図書館をどのような形で考えていくのか。それについては、新公共施設の武蔵野プレイスの委員会の中で検討されてきたというようなことと、今後もさまざまな形で検討していくというような、大変抽象的な御答弁でした。しかし、順序が逆だと思うんですよ。その具体的な建物を建てるから、それについて図書館をどうするかと考えるのではなくて、武蔵野市の図書館という文化的な施設やその機能を今後どういうふうにしていくかという基本的な考え方、それがなければ、市民に対しても、今後新しい時代に向けて図書館を武蔵野市がどういうふうに変えようとしているのか。それから、市民にとって、新しい使い勝手やメリットはどういう点なのか、そういったことが全く見えないと思います。それについて、今後どういう形で具体的に進めていくおつもりなのかお聞かせ願いたいと思います。 ちなみに、半年前の昨年11月の長期計画の特別委員会の中でも、市長は、市長部局とすり合わせをしながら、新しい、効率的で、サービスが行き届いた図書館サービスはどうするかについて、今後検討していきたいと思いますとお答えになっておりますので、昨年11月からきょうまで、具体的にどのような検討が行われたか、それについて御説明いただきたいと思います。 それから、やはり武蔵野市の図書館も今までいろいろな変遷をたどってまいりました。現在は、夜8時までやっている曜日もありますし、それから、平成13年には、それまで5冊しか借りられなかった分が10冊となったり、その時々でさまざまな形でてこ入れやサービスが新しくなったり、市民のメリットというのは増進している、そういった点は私は評価しております。 それから、2年前には、館長を民間から登用とか、そういったさまざまな試みが行われていますけれども、これは先ほど述べましたように、もっと今後の全体的な枠組みをどういうふうにしていくのかということを、現状の問題点も含めて分析して、それを市民に対して示していくことが大事だと思います。そのことは、先ほども御質問しましたが、今後どうやって具体的に委員会などで進められていくおつもりなのか。それとも、この新公共施設の委員会の中で話し合われていく予定なのか。それについて、どういうふうにしていくのか、具体的にお答えいただきたいと思います。 それから、実際に指定管理者にして、今後、市民サービスは具体的にどう向上するかという点についてですが、これもこれから設計と並行しながらやっていくというお答えでした。新公共施設というのは、これを見ますと、平成20年6月に工事完了ということですので、あと大体3年ぐらいの間で、そういったことを固めていくおつもりなのかもしれません。しかし、そういったり、いわば場当たり的に一つの施設をつくるから、それに向けて図書館をどういうふうにしていくんだというのではなくて、やはり全体の構想を固めていくべきだと思っているんですね。ですから、そういったやり方、お答えいただきたいと思います。 それで、図書館の市民サービスの点ですが、平成14年に本市の図書館でもアンケートを実施していますね。それから、最近は、小金井市の図書館は昭島市と図書館システムを共有して、5月13日からインターネット予約を開始しました。それで、利用者1人当たりの本の貸し出し枠は無制限になった。これで、とうとう図書館のIT化については、武蔵野市は近隣市の中では一番おくれているというのが実態だと思うんです。ですから、建物自体を建てるからということではなくて、ソフト面のサービスを、こういった観点からも、この際、きちっと固めていただきたいと考えています。 それから、現在、IT化について、一言申し上げたいと思いますが、武蔵野市では、市役所や学校、図書館と、システムを別々に構築していらっしゃいますね。これは、システムがばらばらで、非常に非効率ではないかというふうに考えますし、コストも結局高くつくと思います。今、ITの専門委員とか、それから図書館の専門委員とか、そういった形では委員がいらっしゃいますけれども、具体的にこういった図書館専門委員が今後の図書館の方向性についてレポートを出されたということも聞きませんし、ITの専門委員がそういった全体のシステムをどういうふうにかかわってやっているかということも、聞いたことがありません。そして、市長が今、CIO、すなわちIT推進の最高責任者と聞いていますけれども、忙しい市長がトップにつくのではなくて、例えば三鷹市のように民間でITやシステム構築を実際に手がけたキャリアのある専門家をCIOに置いて、一定期間に集中して、スピードアップしたやり方で全体のネットワークを組むべきだと考えるんですけれども、これについてはいかがでしょうか。 それから、平成14年に本市の図書館サービスのことですけれども、アンケートを実施しています。その結果ですと、今後の図書館サービスとして要望の高いものは、インターネット予約が27.1%で1位、7位にメールによる相談というのが8.5%とありますが、35.6%の高い比率でインターネットで図書館の機能を利用したい人がいるということになります。しかも、これはホームページ上では実施されていませんので、潜在的なニーズはもっと高いと考えています。こういった、本当に図書館というのは建物よりもソフト面だと思っていますので、そういったことも含めて、建物を建設するから考えるということではなくて、図書館の方向性について明確に御答弁いただきたいと思います。 それから、情報公開の点ですけれども、市民参加ということについて、市長のお考えは従来から聞いておりますので、わかっています。しかし、特にこの福祉三計画の場合、これから時代は非常な高齢化で日本は進んでいるわけですよ。ですから、常時参加している人が中心にやっていくというのは、私は適切ではないと思うんですね。いつ、だれが、自分がその立場になるかわからないという、そういったそれぞれの市民にとって大変密着したテーマだと思いますので、こういった話題こそ、きちっとした形で公募委員をふやしていただきたいと思います。 それから、委員である発言者が匿名となる点なんですけれども、自由な発言を担保するということですが、お聞きしますけれども、例えば市長と語る会などでは、その発言した市民は、フルネームはもちろん、住所、氏名まで議事録にきちっと残されています。こういった形で、市民として公的に選んだ委員が、これは自由な発言が担保されないということで匿名になり、市民は、いわば市長へ相談ごとをしているという話もあると思うんですね。そうしますと、これは行政の守秘義務にも関することですので、市民の場合は、すべて名前も出されてしまって、そういった委員の場合は匿名にしろというのでは、ちょっと話の筋が違うと思いますので、この点についてお答えいただきたいと思います。 それから、策定プロセスの公表とか前段階での情報の公表ということは、素案の段階ということではありません。今、何をやっているかという状況を市民に対してホームページなどできちっと説明してほしいということです。これは、文教委員会などでもずっと言い続けてまいりましたので、私は素案を出せとか、そういうことを言っているのではなくて、市役所自体の今の動きについて、市民に対してもっと前向きに説明してほしい、そういう趣旨で言っておりますので、そのことについて御説明いただきたいと思います。 それから、公募委員について、市長はたまたま手を挙げた人の意見は市民の意見を聞いたことにならないという発言は、私は情報公開の観点からも非常に大きい問題だと思っています。行財政改革報告書の中でも、公募委員をふやすようにということできちっと意見が出されておりますので、その点について明確な御答弁をお願いいたします。 |
○市 長(土屋正忠君) 最後のところからいきましょう。たまたま手を挙げた人が市民を代表するとは限らないという意見はおかしいと言うけれども、私は全然おかしくないと思いますよ。そもそも、公募委員をなぜ選ぶのかと。公募委員制度というのは、どうして公募委員ということになるのかと言えば、多様な市民の意見を聞くと。市民の意見を聞く、市民参加ということがねらいだから、公募という形も一つの市民参加の方法としてとるんです。ただし、公募の場合には、その公募したことを見過ごしてしまう人もいるでしょうし、あるいはさまざまな意見を持ったうちの、AからZまであるとすれば、Aという意見の人をとればAという意見だし、Zという意見をとればZの意見になるわけで、これはあくまでも市民参加の一つの形態であります。私は、公募委員が市民の意見を代表するとは限らないと思っておりますけれども、公募委員を否定しているわけじゃありません。 ただ、福祉の三計画のように、実際に福祉計画を立てる際には、福祉の事業をやっている人とか受益している人とか、そういう関係の人たちや専門家の意見を聞くのが、市民の意見を聞いているということの主流じゃないですかということを言っているんです。あれかこれかじゃない。あなたのおっしゃっているのは、公募委員じゃないと、いかにも市民参加していないような、こういうおっしゃり方をしているから、そうじゃなくて、実質的な市民参加というのはどういうことですかと。市民、市民と言うけれども、1人で市民を代表している人はいませんよ、13万市民を代表している人はいませんよと、こういうことの趣旨で言っているわけであります。だから、あれかこれかじゃなくて、公募委員もそこそこにやりますと。それから、そうじゃないやり方で幅広い市民の意見を聞くということもやりましょう、こういうことを申し上げているわけであります。 次に、公募委員について、ついでに申し上げておきますと、応募状況について、地域福祉計画部会では5名の応募者、高齢者保健福祉計画、介護保険計画は3名の応募者、障害者計画部会ではゼロ、これが公募委員の実態でございます。 それから、さきに福祉の方を申し上げておきたいと存じますが、前段階からというのは、今、何をやっているのかということをホームページなどで報告しろということですが、これは時と場合によって、必要があればそういうことをやっていきたいと思っておりますが、ホームページだけを見る方だけを念頭に置いていると、これまたバイアスのかかったことになります。私たちは、市民に情報が伝わるということはどういうことで伝わるのかということを、定期的に市政情報の認知率並びに認知方法について調査しております。数年前に調査した方法では、七十数%の人が市報から情報を得ていると、こういう結果になっているわけで、だから、たびたび市議会でも、IT、ITと言うけれども、ITリテラシーの問題があるから、ITだけじゃだめですよという角度からの御意見が出ているんだろうと思っております。だから、ホームページに何でもかんでも載せれば、それで情報公開が足りたというのはエクスキューズ、やっていますからねというのにすぎないんで、私たちは実質的にどのような格好で情報を市民の間に出していくかということは、時にはホームページもありましょうし、時には市報もありましょうし、時にはFM−むさしのという方法もありましょうし、時には、例えばCATVというふうな方法もありましょう。いろいろな方法がありますねということで考えているところであります。 自由な意見を言っていただくために、別に名前を絶対に秘密というわけじゃありませんが、一定の意見の開陳ということで、名前を隠していることと、市長と語る会の話について申し上げたわけでありますが、市長と語る会というのは、もう既にそのこと自体が公開されていて、だれもが参加して、時にはテレビが入ったりするような内容ですから、これは当然公開されるべきものと、このように考えております。 さて、図書館についての質問に対してお答えいたしますが、建物をつくるとなってから図書館を検討するんではなくて、どういう図書館が必要かという角度から、まずその計画を立てて建物を建てるべきだと、一見正論に聞こえます。しかし、その正論が成り立つためには、2つの前提が必要です。その1つは、現在何もやっていないところから新しくやるということならば、そういうことになりましょう。それから、もう1つは、もう時間がせっぱ詰まって、あと半年後に開館するというような場合だったらば、そういう批判が当たりましょう。だけれども、大事なことは、今の武蔵野市の図書館は、全国的に見ても極めてレベルの高い状態になっていて、必要があれば文教委員会、その他でデータを出してもいいですけれども、10万人から15万人という範囲の中では、全国的に見てベスト5ぐらいに入る図書館活動をやっているわけです。そして、例えば8時まで図書館をあけるようになったと言いましたけれども、これは三多摩と23区を通じて、一番最初に武蔵野市がやったんです。こういう一つ一つの過去の出来事を積み上げてきてみれば、今、かなりレベルの高い図書館活動をやっているわけですから、これを前提にして、さらに発展させるというやり方で、別に全くおかしくないわけで、白地に何か物を書くような話ではないわけであります。 それから、もう1つは、これから新公共施設ができ上がるまでは、幾ら早くても3カ年ぐらいの時間があるわけですから、3年というのは、今の時代にとっては非常にたっぷり与えられた時間であります。したがって、この間にいろいろな議論をやっていきましょうということで、なぜ手順が逆なのか、さっぱりわかりません。こんなこと、当たり前のことであります。ばたばたやるときは、半年ぐらいであっという間にやっちゃうケースなんて、いっぱいあるわけですから。そういう意味では、全くおっしゃっている趣旨と実態が違うと、このように申し上げておきたいと存じます。 とりわけ、新公共施設ということについては、従来の図書館の枠の中だけに入らないような、特定目的だけじゃなくて、つまり新西部図書館をつくるんではなくて、その他の機能も兼ね備えたような新公共施設、知の伝道、そして交流の場というような新しいコンセプトを打ち出しているわけですから、それに向かって既存の図書館サービスみたいなものをどうやって調和させたり連携させていったりするか、こういうことについて、これから検討していくということについては、当然の手順というか、当たり前のことじゃないでしょうか。 それから、昨年から今日までどういう検討をしたかということですが、新公共施設をつくる、そしてそれのかなりの部分を図書館機能が占める、こういうことですから、これらを先行させ、この議論の中でやっていきたいと、このように考えているわけであります。したがって、場当たり的という御批判は、何が場当たり的なのかよくわかりませんけれども、インターネット等の対応が他市と比べておくれているということをもって、場当たり的ということになるのかどうか。私どもは、決してそうは思っておりません。インターネット対応についても、着々と現在、準備を進めて、慌てず、おくれず、しかも個人のプライバシーをちゃんとやりながら、新しいシステムを今、構築して、平成17年度予算、残念ながら賛成していただけませんでしたけれども、この予算の中にもインターネット対応の予算が組まれているわけですから、粛々とやっていると、このように御理解いただきたいと存じます。 なお、IT戦略について、三鷹市はCIOを民間から来た方がやっているということでございますけれども、三鷹市は三鷹市のやり方がありましょう。ほかの市は、ほかの市のやり方がありましょう。武蔵野市は、もちろん私がコンピューターやITの専門家でないことは、私自身がよく熟知しておりますが、最終的な意思決定のあり方として、庁内全体をまとめていくという点からすれば、私が望ましいということで部内の議論がありましたものですから、そうかと。それじゃ、やろうと、こういうことで。ただし、ITの専門家も民間企業の超大手の中でそういう情報システムをやっていた人を専門委員として置いていますし、またIT専門参事も配置して、つまり市長の意を帯して、市長が最終的な意思決定をするわけですけれども、それをアドバイスしたり補佐する体制を、それぞれ専門家や、あるいは専門の部長職を置いたり、こういうことによってやっているわけですから、これはこれで武蔵野方式でいいのかなと、こんなふうに思っております。決して場当たり的ではないと、このように考えております。 |