○14番(三宅英子君)
まず、一般質問に入る前に一言つけ加えたいと思います。3月4日金曜日の梶議員の質問に対する市長の答弁の内容についてです。大変僣越なんですけれども、多分、市長の勘違いだとは思うのですが、昨年の総務委員会でも同様の発言がありましたので、この場おかりしてお伝えします。どうぞ御確認ください。市長は、関東大震災で多くの犠牲者が出たのは昌平黌であると説明されていましたが、正しくは墨田区本所の陸軍被服廠跡、現在の横網町公園です。わかっていらっしゃると思いますが、たびたび傍聴していて、そのお話を聞きましたので、この場をかりてお伝えしたいと思います。
さて、本題であります一般質問に入らせていただきます。
指定管理者制度の導入、民間人の中途採用など、地方自治体のこれまでの業務のあり方が今、大きく変わろうとしています。武蔵野市には、これまで専門委員の制度がありましたが、昨年12月に新たに一般職の任期付職員の採用に関する条例が採択され、民間からの期間限定の一般職員の採用が可能になりました。また、自治体の各事業計画の基本方針となる、いわゆる長期計画策定に関しても、他の自治体では市民公募委員を採用するケースがふえて、平成11年から12年度に長期計画を策定した都内の21の自治体のうち、約86%に当たる18の自治体で市民公募委員を採用しているそうです。
さて、武蔵野市では、長期計画策定以外にも、付属委員会、私的諮問機関を含め、平成15年度中に設置された委員会等の数は80を超えています。平成10年から11年度には、委員会の数は56ありましたので、5年間で約1.4倍の数となったわけです。これらの委員会・審議会等は、もちろん市の基本的な施策を決定するためのプロセスとして重要な役割があり、単なるお飾り的な存在であってはならないと思います。
今回は、これらに関連する大きな2つの質問を行いたいと思います。
まず、1番目のテーマは、本市の専門委員についてです。専門委員とは、地方自治法に定められたもので、市長の権限で専門知識を擁する学識経験者を選任し、特定の仕事を委託することができる制度です。市の規則によって定められた部署と業務のみに限定されていて、武蔵野市の場合は11の部署に合計14名の専門委員を設置できることになっていますが、現在は3つのポストにあきがあり、全部で11人の専門委員がいます。これらの方々は、それぞれ委嘱されたテーマについての専門的なアドバイスや研究・報告などを行うことになっていますが、勤務時間や仕事をする場所などは特に決まりはないとのことです。
これに対して、先ほど述べた一般職の任期付職員とは、民間企業などで専門的な知識や経験を持った方々を市の一般職員として中途採用できる制度で、任期は原則3年間、最長でも5年までで、その間はフルタイマーとして武蔵野市で働くというものです。専門委員と、この任期付職員の制度は、少し似通っていますが、基本的な点で異なっています。任期付一般職員が、任期内は他の職員の方々と同一の勤務条件で働くのに対して、専門委員は非常勤で、本業が別にあってもよく、勤務体制などには特に決まりがない。また、報酬は月額約36万円以内なら、市長が決めることができるなど、随分柔軟な制度になっています。また、任期は1年となっていますが、再任も可能なため、任期付職員の場合のように最長5年までというような制限もありません。しかし、専門委員には、市長に提出した答申書や報告書が原則的には公表されるという決まりが適用されます。
そこで、まず、本市の専門委員について3つの質問をしたいと思います。
1番、先日、本市の専門委員の名簿を調べたいと思い、いろいろ問い合わせて、結局、総務課に名簿がありました。専門委員の名簿は事務報告書にもなく、庁内の電話帳に記載されている方もごく一部です。私の場合は、あちこち探さないと名簿を入手できなかったのですが、現在、専門委員の名簿はどのように公表されているのでしょうかお答えください。
2番、市の規則によると、専門委員からの答申や報告は原則として公表するとなっています。これまで私が知っているのは、企画調整課の所管する公会計制度研究専門委員の方の報告書と、ごみ総合対策課の専門委員が、ごみ便利帳など、ごみの有料化に向けてアドバイスしたということぐらいで、他の方々については、報告書や活動については余り記憶にありません。そこで、現在の9つの部署の11人の専門委員が平成16年度の1年間にどの程度勤務しているかと、それぞれの方の実績や報告書の発表状況などについてもお聞かせください。公会計制度研究専門委員の場合は、勤務状況だけで結構です。
3.現在の専門委員は、これから述べる11名です。まず、都市整備部用地課に用地買収対策のための弁護士が2名。2番目は、企画調整課に1名。3番目は、緑化環境センターに1名。4番目は、情報管理課にIT専門委員が1名。5番目は、教育企画課に大野田小学校改築関連に1名と、教育施策関連に前教育長が1名。6番目は、子ども家庭課に前0123アドバイザーの方が1名。7番目は、図書館に前図書館長が1名。9番目は、教育部指導課に大野田小学校教育活動研究関係に1名。10番目に、ごみ総合対策課に前市議が1名。これで合計11名です。
本市の規則には、それぞれの委員の抽象的なテーマは掲げられていますが、具体的な役割がいま一つピンと来ません。市長がこれらの専門委員を選んだ理由と、具体的に何をやっているのか活動状況をお聞かせください。
次に、大きな2番目の質問に入ります。2番、本市の委員会・審議会等の委員の決め方、市民公募枠の拡充などについて。
最近の新聞史上、で中央省庁の審議会などの委員のポストの約4割がかけ持ちの委員で占められていることなどが報じられました。審議会は、国民の多様な意見を政策に反映させるために、法律に基づいて設置されているはずですが、実態は審議会の委員が行政側にとって都合のよい人選になっていることが明らかになりました。
私が武蔵野市の委員会等のメンバーについて疑問に思ったのは、平成11年の今から6年前くらいのことです。このころ、情報公開条例について少し勉強していて、武蔵野市の情報公開関係の委員会のメンバーが特定の団体、例えば青年会議所や医師会などからの選出が、昭和61年ごろから指定席化していることに気がつきました。
そこで、小さな1番目の質問です。
1)平成14年以降、3年間の本市の131の委員会の委員や出資団体の理事、評議員、幹事等を調べました。市長や市議、現職の職員を除きましたが、これらのデータを収集し、分析して、次のようなことがわかりました。
@すべての委員のポストの合計数は1,512で、委員の実数は1,058名でした。
A3つ以上の委員会をかけ持ちしている学者や有識者などが110名いました。しかも、その110名で443の委員のポストを分けています。全体の約29%に当たりました。
B委員の肩書を調べたところ、商工会議所、青年会議所、商店会連合などの商工関係、医師会、歯科医師会、薬剤師会などの医療関係、民生児童委員、日赤奉仕団などの特定の団体のメンバーの割合が非常に高い。
C委員のかけ持ちランキングを出したところ、1位は、13もの委員会の委員を兼任している民生児童委員の方。2位は、9つの委員会の委員を兼任している商店会連合会の方。3位は、8つの委員会を兼任しているコミュニティ協議会関係の方などでした。このほか、ランキングの10位までには、医師会関係、歯科医師会関係、日赤奉仕団、老人クラブ連合会、商工会議所の方などがいます。
D前述のかけ持ちランキング10位までに入っている人物で、昨年11月に設置された武蔵野市特別職報酬等審議会のメンバーになっている人は4人もいて、メンバー10人のうち4割が常連の顔ぶれに集中していることがわかった。
Eこの報酬等審議会の名簿を見ると、医師会、商工会議所、青年会議所など、まちの名士やおなじみの団体のメンバーの割合が多い。平成3年の報酬審議会でも、これらの団体の委員が指定席となっている。市民の立場は、コミュニティ研究連絡会会長の1名だけ。特別職の報酬等を検討するなら、労働組合関係者が加わるのは当然としても、もっと民間企業に勤める市民の方などのメンバーをふやすことが必要である。
さらに、次のようなケースがあります。
F平成15年4月には、既に緑化環境センターで市の専門委員となっている方が、平成15年8月に始まった武蔵野市環境市民会議で公募委員2名の枠のうちの1名として選考されている。市長から選任され、市の一定の業務を任されている専門委員は、一般の市民とは言えない。
G武蔵野市公立保育園改革評価委員会の委員になった保護者は、昨年8月1日の市報では保護者代表と書かれていたが、昨年9月8日の文教委員会で他の議員の指摘で、保護者代表というのは間違いであったとの説明が担当者からあった。その前の公立保育園のあり方を考える委員会でも、この保護者の方は委員となっていて、このときも保護者代表と書かれていて、後から訂正されたとの話だった。同じ委員の選任で、二度もこのような不透明な経緯が生じるとは、奇妙である。また、この方も3年間で4つの委員会の委員を兼ねている。
H長年、本市の委員を務め、3年間で7つの委員会の委員を兼任している歯科医師会の方の場合、80歳を超えた高齢で、その弟も他の委員会の委員になっている。また、これ以外にも、御夫婦や親族で幾つもの委員会の委員になっているケースがある。
I出資団体の理事・評議員などには、長年やっている人、他の委員会の委員を兼ねている人が多く、会議でほとんど発言しない人もいる。都計審でも同様で、長年委員を務めている方や団体などの代表者からの発言がほとんど聞かれない。都計審のメンバーで、他の委員会の委員を5つもかけ持ちしている方は、会議を欠席することが多い。
J昨年3月末で債務超過などで解散した本市の第三セクター、株式会社F・Fショッピングセンターの幹事だった市の元職員の方が、翌日4月1日には、市の出資団体の開発公社の幹事におさまっている。
K過去に、市長選挙のチラシの中で市長と対談したエッセイストの方が、その後複数の委員会等の委員になっている。
以上、わかっただけでも、これだけの具体例がありました。選挙で選ばれた市長が委員会などの委員に自分の気に入った方を選任するというのは、一定の常識の範囲内なら認められることかもしれません。しかし、今回、私が調べた結果のように、委員会のかなりの数の委員が市長のお気に入りのメンバーで占められ、固定化しているということになると、これは大きな問題で、これでは幅広い市民の声が反映されません。委員会の存在が形骸化していて、仲間内行政と言われてもいたし方がないのではないでしょうか。
このような状況を打破するために、国が既に実施している審議会の運営指針、兼職制限4つまで。任期は原則2年で、継続10年までとし、高齢者は選任しないなどのように、本市でも委員等の選任基準を明確にすることが必要だと思いますが、市長はどのようにお考えになりますか。
また、委員のかけ持ちを防ぐために、庁内で統合したデータベースなどをつくったり、例えば先ほど述べた新聞報道でも示されているように、委員の選任についても、その人を選ぶ理由やそれぞれの経歴をホームページなどで事前に公表するなど、透明性を高めるべきだと考えます。この点についても、それぞれ明確に御答弁ください。
次に、小さな2番目の質問です。2)市民公募枠の拡充と委員会の公開などについてです。
最近、答申が出ました武蔵野市行財政改革検討委員会の報告書を拝見しました。なかなかわかりやすく、明快な分析で、この中身のすべてを受け入れることはできませんが、公会計制度研究専門委員の一貫性ある仕事ぶりには、敬服の念を持ちます。ただし、幾つか重要な部分で問題点を見つけましたので、これについてお答えいただきたいと思います。
@この報告書の19ページには、付属機関と私的諮問機関の公募委員の数はそれぞれ6名、110名と表示されています。しかし、内訳を見てみますと、私的諮問機関の人数には、まちづくり推進課と緑化環境センターの4つのワークショップなどの参加者が85名もカウントされていました。担当の2つの課に問い合わせたところ、この方たちは委員ではなく、参加者だと、そういう説明がありました。また、図書館運営委員会の委員と選書部会の委員は、運営委員でなければ選書部会の委員になれないのに、実質3名が2つの委員会に所属している形になり、6名と、倍の人数を計上しています。これらを考慮すると、報告書にある110名から88名を差し引いた22名が正確な数となり、全体に占める公募委員の比率は、報告書に記載された12.7%から一気に2.5%と、がくんと下がります。このようなデータのつくり方は問題です。武蔵野市の委員会の公募実態とかけ離れた数字になっていますので、早急な訂正を求めます。市長の今後の対応をお尋ねします。
A同じく行財政改革検討委員会の報告書で、公募委員の拡充を図るべきであると指摘されていますが、市長としては、これをどのように実現させていくつもりですか、具体的なプランをお尋ねします。また、これを推進させる担当部署はどこでしょうか。
B昨年の第四期基本構想・長期計画の市議会での議論の中で、長期計画を分科会方式でやるというやり方もあるとの市長の発言がありました。今後の長期計画の策定に関して、委員の人数、策定方法など、修正する余地があると考えているのでしょうか。どのような方向性が考えられるのか、次の調整計画から実施するのか具体的に御説明ください。
C最近の本市の委員会は、傍聴できないものや、議事録なども発言者名が公開されないものが多いと感じています。例えば、農水省跡地利用施設建設基本計画策定委員会では、傍聴もできず、議事録でも委員名は非公開でした。行財政改革検討委員会の報告書でも、審議会等については市政の透明性の確保を図る重要な手段であることから、公募委員の拡充を図るとともに、会議情報のより一層の公開を図るべきであると指摘されています。
そこで、下記の3つの提案をしたいと思います。
まず、公募委員の応募人数やパブリックコメントの応募数・内容をその都度発表する。次に、委員会の公開は原則とし、傍聴手続も、当日、簡単にできるように改善する。最後に、委員会等の議事録・要録の発表の際、委員名は原則公開とする。以上が提案です。委員として任命されたからには、名前も発言も公表されることは前提条件のはずです。委員になったけれども、匿名で発言を公開してほしいというのでは、余りにも無責任だと思います。
最後に、自分なりの率直な意見をつけ加えます。市長は今まで、自分に反対するような人は委員にしないとか、予算に反対する議員には市政に口出しする権利がないかのような発言を何度もおっしゃっていますよね。私は、こういった姿勢にある種の狭量さを強く感じます。イエスマンや物を言わない人ばかりを集めていたのでは、市役所の中が今、問題になっているグループ企業と同じ体質になってしまうのではないだろうかと危惧しています。批判的な声も含めて、もっと幅広く市民の意見を聞く度量が必要だし、市としてそういった仕組みや体制をきちんとつくることが大切ではないでしょうか。これまでの市議会の常任委員会での陳情審査などを見ていると、市長はまるで、市のやり方に反対する人は敵で、賛成する人は味方であるような態度をとることがあります。市民を敵と味方に色分けするという、こういった発想からは、新しいものは生まれにくい、そういうふうに強く感じます。
以上で私の壇上での一般質問を終わります。
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