○市 長(土屋正忠君) 大きく分けて4点の御質問でございますが、逐次お答えを申し上げたいと存じます。
まず、大きな第1点目、老朽化した公共施設の建てかえについてでございますけれども、古い公共施設を計画的に整備をしていくということは、当然、市に課せられた責任であります。そこで、まず武蔵野市としては、いわゆる建築物の耐震改修の促進に関する法律で定められた3階以上の公共的な建物、並びに延べ床が1,000平米以上、こういう法律上の明快な規定がありますので、これらを優先させて耐震診断をし、対策を練ってきたところであります。主として学校等が当たるわけでありますので、これらについてはもう既に文教委員会等で御報告をしてあるところでございます。
今、御質問のあったのは、それ以下の建物についてはどうかと、こういう趣旨の御質問でございますので、これから逐次進めていくと、このようにお答え申し上げておきたいと存じます。
次に、コミュニティセンターの場合には、既に4カ所で耐震診断が行われております。補強の必要なものについては逐次予算化をしていきたいと、このように考えて、現在、境南コミュニティセンターで一部、平成16年度で予算化をしているところでございます。それ以外のものについては、西久保コミュニティセンター、北町コミュニティセンター、本町コミュニティセンター等について不要ということになり、中央コミュニティセンターについては検討中であります。なお、用途別に耐震診断が終わったときに一括して報告を行いたいと、このように考えております。
3点目の劣化診断でございますが、これは耐震診断とは全く異なり、耐震診断は大規模災害等を想定した場合の安全確保の問題でありますが、劣化診断というのは、例えばわかりやすく言うと、武蔵野市は平成15年、平成14年、平成13年と、3カ年かけて武蔵野市役所の冷暖房施設を全面的に取りかえました。
つまり、一つの建物をつくりますと、建物本体、それに伴う設備、こういったことを含めて、さまざまな経年劣化が起こってまいります。通常、冷暖房施設は10年を超えてくると要注意で、15年たつとかえなければならない。しかし、武蔵野市役所の場合にはこれを20年、18年目ぐらいからかえたわけでございますけれども、こういったいわゆる建物劣化といったような状態が出てくるわけであります。
したがって、これらを計画的に補修、改修を行っていくための基礎資料として建物劣化診断を行っているところでありまして、こういったことをやって、総合的な改修計画を立てているところというのはまだほとんどありません。これは任意のものでありますが、しかし将来に対する投資の総額を決めていくことになりますので、今後とも非常に重大なものになってくるのではなかろうかと、このように考えております。したがって、劣化診断をしていきたいと思っております。
なお、4点目の御質問で具体的な計画はどうかでありますが、具体的な計画は財政状況その他いろんなことを判断しなければなりませんので、劣化診断を基礎にして、長期計画などでもってある程度順位を決めていきたい。さらに具体的には、年次を決めた予算でもってやっていきたいと、このように考えております。
事務報告書に載せるか載せないかについては、先ほど申し上げましたようなことでございますので、事務報告書に載せる考え方はございません。
次に、F・Fビルについてでございますけれども、F・Fビルというのは、武蔵野市開発公社が所有をしている伊勢丹等が入っているビルであります。このビルは、吉祥寺駅駅前広場の再開発を促進するためにつくったビルでありまして、基本的にはキーテナントである伊勢丹と、プラス都市計画の該当者、いわゆる土地を提供した人たちで、土地を提供すれば営業できなくなるわけですから、そういう人たちに入ってもらうための区分所有ビルであります。こういった性格のビル、つまりキーテナント誘致のための商業振興のためのビル、それから都市計画該当者の代替ビル、区分所有ビル、こういう2つの性格を持ったビルであります。
しかしながら、もう経年劣化が進み、いろんなところで手直しをしなければならなくなってきたわけでありますけれども、とりわけ阪神・淡路大震災の後、私は、このビルの耐震的なことが気になったわけであります。このビルは昭和56年以前に建ったビルでございますので、当然のことながら新耐震基準によらないビルであります。ただ、鉄骨鉄筋でありますので、非常にやわらかくて強いと言われているんですけれども、それでも心配であります。武蔵野市が出資をした開発公社が所有しているビルが危険であるということになると、他のビルに対する働きかけも当然しなければならないわけでありますが、まず隗より始めよということで開発公社に指示をいたしました。
そこで、開発公社は平成10年から、阪神・淡路大震災があったのは1995年、平成7年でありますが、その後指示をいたしまして、耐震診断をいたしました。その結果、やはり耐震的に行った方がいいと、こういうことになり、さまざまな経過は省略いたしますが、耐震補強をすることにしたわけであります。
それで、耐震補強をするわけでありますけれども、これは武蔵野市が具体的な指示を出し、他の民間のビルも含めて先導するための役割としての指示をいたしましたので、耐震にかかわるものについては武蔵野市が補助金として出しましょうと、こういうことで始めました。
具体的に設計したら27億円程度でございましたが、最近の報告では25億、数字はもう一回確認して申し上げますが……25億8,300万円と、こういうこというになりました。そして、おおむね耐震工事が45%で11億6,200万円、外装リニューアル工事が55%で14億2,100万円と、こういうふうなことになるわけであります。
それぞれの負担割合でございますけれども、これは開発公社が所有しているビルでありますし、先ほど申しましたように一部区分所有しておりますので、それぞれの割合に応じて負担するものであります。伊勢丹はテナントでありますので、いわゆるそこから先のリニューアル工事をした場合には伊勢丹にも負担を求めると、こういうふうなことになるわけであります。
次に、防災センター(仮称)でございますが、設計されている講堂、会議室等の必要性についてでありますけれども、当初案にはなかったと言いますが、当初案からございました。昨年12月に報告をいたしました武蔵野市防災センター(仮称)庁内検討委員会報告において、庁舎機能の補完の一つとして、150人から200人規模の会議、講演等ができる多目的な講堂が必要であると、このように申し上げてきているところであります。ただ、それを1層でとるか、2層でとるかについては設計上の問題としていろいろ議論してまいりましたが、やはり1階の高さからいって、やはり2層にとってやった方がいいと、こういうことになったので2層にすることにいたしました。したがって、当初案からあったものでございます。
それで、200名程度収容できるということですが、まだ詳細設計をしておりませんので、どの程度が収容できるかわかりませんが、私は最低でも150名は超えてくれよと、150名から200名程度と、こういうふうに指示をしておりますけれども、しかし、これらに対する需要がどのぐらいあるのかということについては、まだ武蔵野市内で、市役所で100名を超える会議はやったことありませんので、実際にどのぐらいになるかについてはまだ定かではありませんけれども、おおむね過去の実績等から予測をした場合には、大体四、五十回はあるんではなかろうかと思っております。40回程度と予測をいたしております。もちろん、この150名に満たない会議でもそれは十分使うわけでございますから、かなり頻度が高くなった使い方ができるだろうと、このように考えております。
次に、大きな4点目のF・Fショッピングセンターについてでありますが、御理解に若干誤解があるようでございますので申し上げたいと存じますが、まず第1点目の質問の、昭和47年当時はショッピングセンターはなかったと。そのとおりであります。それで、昭和54年に開発公社から業務を引き継ぎ、また開発公社に戻していると、こういうことでございますけれども、そもそも何の業務をこの株式会社が引き受けたかということが問題であります。
開発公社ビルは、先ほど申し上げたように、商業振興のためのキーテナントを誘致するビル、現在は伊勢丹が入っております。それプラス、五十数人の区分所有者ビルとしてつくったわけであります。このための管理運営等を目的として開発公社の事業を分離したわけでありますけれども、どうしてそういうことが必要だったかというと、まず区分所有をしている人の中に、自分で商売が成り立っていかなくなった人が次々と出てまいりました。これは当然ですね。時代の変化とともに、いわゆる商売というのは縮小したり拡大しているわけでありますので、当時、いわゆる区分所有者は71店舗ほどあったのが、現在は26店舗ほどに減っております。さまざまな形で変わります。
例えば、ついこの間も地下1階の食堂が閉鎖したわけでありますが、老夫婦の方が、今から30年前は老夫婦じゃなくて、若者じゃなかったけれども、働き盛りの御夫婦だったんですが、30年食堂を経営している間にお二人とも年を重ねて、そして、まあ、プライバシーですけれども、いろんな御事情で営業ができないということで、これを畳みました。
こういった案件がいろいろ出てきて、それから共同で所有、共有しているところなどの管理などがいろいろ出てまいりましたので、専門の管理会社をつくったほうがいいだろうと、こういうことで権利の制限、整理統合をするための、こういった目的でもってF・Fショッピングセンター株式会社をつくったわけであります。
株式は45万株で、額面は総額で2億2,500万円、当時は500円株でありました。現在の株式は額面を決めなくなっておりますが、当時は50円株と500円株とあったわけであります。この場合には500円株でありました。この株は、40%が武蔵野市開発公社、伊勢丹が21%、F・F商業協同組合、これは協同組合をつくっているんですけれども、これは区分所有ということですが、こういう人たちの組合が約5%、その他の区分所有者が持っているのが株主になって24%と、こういうふうに所有者、またはそこに出店をして実際に商売している人、こういう人たちが資金を出し合って株式会社をつくったわけであります。しかし、公共的な色彩を持たせるために、武蔵野市も責任を持つという格好で8.89%、4万株を出資して今日まで運営をしてきているわけであります。
こういう図式になっておることをまず基本的に御認識をいただきたいと存じます。
しかしながら、昭和54年から30年近くたって情勢が変わりました。失礼しました、25年たっていろいろ情勢が変わってきて、これらの管理をするための会社が特に時代に合わなくなって役割は終わったと、このような判断をした結果、解散ということになったわけであります。
2点目の御質問で、こういう基本的なことを頭に入れた上でお考えいただきたいわけでありますが、2点目の耐震工事27億円との関係でございますが、これらについては基本的には、開発公社ビルでございますから、開発公社がやることで、しかも、これは武蔵野市の指示に従って開発公社がやることですから、F・Fショッピングセンターは管理運営をしているわけですから、直接関係はございません。
次に、3点目の御質問で、開発公社の予算が5倍になったということですが、債権債務を引き受けるということの一時的なものでございます。
次に、F・Fショッピングセンターが所有をしていた財産の評価についてでございますけれども、いわゆる簿価は約28億円、鑑定価格18億円、差額は約10億円で、鑑定評価はマイナスと、こういうことになったわけであります。これは取得した年と比べて経年劣化が進んでいると、こういうふうなことですから、これはやむを得ないことだと存じます。
次に、ショッピングセンターの解散に際して、武蔵野市公社が清算金を負担したということでございますけれども、これは現在、清算の手続に入っておりますが、清算が完了いたしておりません。したがって、事業継承資金として平成16年度の予算に10億円ほど計上をいたしております。
次に、伊勢丹が保証金としてF・Fショッピングセンターに預けた金についてトラブルがあったかということですが、そういう事実はございません。
7点目の、解散に当たって株式を現金化して株主に渡したかどうかと、こういう御質問については、株主に対して出資額の全額を保全することを目標に清算手続中と聞いております。なお、武蔵野市は、当然のことながら出資金2,000万円については保全をしてもらえるものと、このように考えております。
次に、8点目として、助役やOB格を送り込んできたが、市長は開発公社ビルは失敗例だと、こう言っているけれども失敗例なのかということですが、それはちょっと誤解があるので申し上げますが、話の前後をはしょって、その部分だけでは困ります。私が失敗例と言ったのは、どこで言ったのかちょっと記憶にしておりませんが、よくお調べいただきたいんですが、開発公社ビルというのは昭和30年代の発想でやったから、失敗したのは、どこが失敗したかというと区分所有方式にしてしまった。したがって、例えば土屋なら土屋という店は、このビルのこの場所ですよというふうに区分所有にしちゃった。
ところが、わかりやすく言うと、洋品屋さんの隣に文房具屋さんがあり、文房具屋さんの隣に靴屋さんがあるというふうな、いわゆる商品構成がばらばらになってしまった。したがって、最近では、再開発などやって新しくビルをつくる場合には、区分所有ではなくて共有して、その上でキーテナントと一体となって、例えばキーテナントが衣料品を売るところは、その横に衣料品として入ると。こういうふうな、いわゆる目的別にやっている。
ところが、区分所有としてその人に特定の場所を決めて、いわゆる所有権を与えてしまったためにうまくいかなかった。これは昭和30年代のまだ再開発が軌道になってないときの、いわゆる失敗から学ぶという意味で言ったわけでありまして、開発公社ビルが失敗だということを言っているわけではないわけであります。そこのところをつなぎ合わせて、開発公社イコールF・Fショッピングセンター、イコール失敗例とか、そういうことでは全くないと、このように正しく御理解のほどお願いいたします。
|