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市議会本会議での発言・答弁を記録した録画・録音物や会議録などと著作権との関係について、現在議会運営委員会で議論されていると理解しています。この問題に取り組む議会事務局の姿勢について、以下に問題の発端と経過、疑問と私見を呈示しますので、議長並びに事務局として私宛に文書で見解を表明していただくことを申し入れます。また議運の各委員にも参考としてこの文書を配布します。 1.問題の発端と経過 議会事務局がこの問題を議運に提起したのは、私が自分のホームページに、昨年12月の一般質問と市長等の答弁を音声ファイル(インターネット中継放送を録音し、それをデジタル化したもの)として掲載したところ、それを見た一市民から議会事務局に匿名の電話があったことがキッカケであることは、山本次長から私に昨年の12月末に次のような連絡があったことで明かです。
私は後述する理由でHPから外すことはお断りしました。しかし、議会事務局は私に対して説明しないまま、著作権の問題を突然議運の議題に取り上げました。山本次長からの1月初めの2度目の電話によると、匿名の市民からはその後何度か電話があり、「自分もHPで同じことをしてもいいのか(音声をHPに載せることをやっても良いのか)。」と言われたとのことで、この時の様子で事務局が動揺していることが伝わってきました。 2.議会事務局に対する疑問と私見 1)なぜ匿名の市民の、私に対する疑問に、議会事務局が対応するのか。 この問題は第一義的には匿名の市民と私の問題だと考えます。本来なら私に電話なり、メールなりするように、事務局は返答すればよいことです。私の電話番号やメールアドレスは市の便利帳や市議会のHPで簡単に調べられますし、私のHPでもメールは受け付けています。山本次長に対してこのことを伝えましたが、私宛にはこの人物からは電話もメールも全く届いていません。 2)議会事務局は重要な問題で相手の氏名も確認しないのか。 例えば、「市長への手紙」では住所氏名の記載を求めていますし、新聞の投書等で匿名の扱いは、「新聞社では名前等を把握しているが公表はしない」という仕組みであり、名前も住所も知らない人の意見を載せている訳ではありません。 この匿名市民の「2ちゃんねる−武蔵野市長・邑上守正と武蔵野市議会を見守るスレ」への投稿も確認しましたが、電話の主はマニアックな主張を展開していて、議会事務局と緊密なやり取りをしていることも読み取れました。 「2ちゃんねる」は日本のインターネット最大の掲示板で、有益な情報交換の場ともなり得ますが、匿名性をよいことに、しばしば誹謗中傷の場と化し、裁判沙汰になることが多いことでもよく知られています。 3)「市議会の申し合わせ」は、この問題とは全く別の事柄ではないのか。 (H元.9.19)(H11.11.11)の「市議会の申し合わせ」は、まだインターネットなどない時代に、議会事務局が録音したテープを借り受けダビングして、人の集まる場、行き交う路上などで、拡声器を使って流すのは自粛しようという、至極常識的なものだと思います。 しかし、インターットのHPに掲載する場合、そこにユーザーがアクセスしないことには聴けない訳で、誰が迷惑するということもありません。そこが路上などで拡声器で流すことと、HPに載せることの大きく違う点であると考えます。匿名市民の尻馬に乗る形でこのような「申し合わせ」まで持ち出し、市議の活動に干渉することが許されるとは到底思われません。 4)著作権法の解釈について 国や自治体は税金で運営されている以上、その著作物に対する権利は抑制的に主張するべきです。また各レベルの議員の政治活動、言論は最大限保証されるべきであると考えます。 別紙添付した著作権法の一部(第13条−権利の目的とならない著作物、第32条−引用、第40条−政治上の演説等の利用)にもその考え方が反映されていると考えます。 匿名市民の著作権に対する解釈は全く間違っていることは明かです。また、練馬区の野崎孝男区議、藤野克彦区議は、HPで区議会での質問と答弁の録画・録音ファイルを掲載されていますが、トラブル等は一切ないと聞いています。 5)申し入れ事項 議員の個人的かつ常識的な範囲の政治活動について、議会事務局や議長が発言したり修正を求めることは議員の活動への干渉であり、今後このような対応は謹んで頂くことを要望します。なお、市民から議員の個人的な活動についての意見・要望・クレーム等があった場合は、市・議長はノータッチとして、直接市民に議員へ連絡するよう求めます。また、匿名者の意見は、市議会としては取り扱わないことを「市議会の申し合わせ」で明文化することを要望します。 最後に、2月24日に「議会・委員会での議員の発言について、武蔵野市に帰属させることの可否を決する」との予告がありましたが、以上の問題点から反対いたします。 議運の場では、以上の背景を踏まえた上で、議論が深まることを期待します。 |
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第13条 (権利の目的とならない著作物) 次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的となることができない。 1.憲法その他の法令 2.国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人(独立行政法人通則法(平成11年法律第103号)第2条第1項に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)又は地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの 3.裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの 4.前2号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの 第32条 (引用) 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。 2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。 第40条(政治上の演説等の利用) 公開して行なわれた政治上の演説又は陳述及び裁判手続(行政庁の行なう審判その他裁判に準ずる手続を含む。第42条において同じ。)における公開の陳述は、同一の著作者のものを編集して利用する場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。 2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人において行われた公開の演説又は陳述は、前項の規定によるものを除き、報道の目的上正当と認められる場合には、新聞紙若しくは雑誌に掲載し、又は放送し、若しくは有線放送することができる。 3 前項の規定により放送され、又は有線放送される演説又は陳述は、受信装置を用いて公に伝達することができる。 |