2003.7.5 大野田小学校改築説明会レポート |
完成予想図はこちらです。市のページにも詳しい情報があります。 |
1)シックスクール対策について 保護者の関心が高く、問題が起こっている他の自治体の動きにも触れた具体的な対応についての質問が寄せられました。 [市の回答] ・ 搬入材料のデータシートを事前に取り寄せてチェックして、現場内での安全性を確認する。 ・ 養生に十分な乾燥期間を取り(2〜3週間)、安全確認した後に引渡しを行いたい。竣工時の換気測定を行い、(国の)指針値以下であることを確認し、もし上回っていれば竣工を認めない。備品納入の際の検査も行う。換気設備を重視しているので、学校側も十分利用して欲しい。(施設課長 冥加氏) ・ 竣工後の児童の健康調査について→今の段階では言えないが検討していきたい。できる限りのことはしたい。(教育部長 南條氏) この問題について、役所側は他の自治体の動きなどあまり調べていないようで、回答は具体性に欠ける内容が目立ちました。なお市が依頼しているシックスクール対策の専門委員はこの場に出席した長澤氏(学校建築の専門家)ですが、例えば文部科学省のシックハウス症候群の調査研究の協力者を見ると、医学・薬学・化学・保健などの分野の方々が指名されています。建築の専門家に依頼して十分な対策が取れるとは思えません。 2)オープンスクール(廊下と教室の境がない教室)について 「オープンスクールで子どもの集中力が低下するから、見学者を制限して欲しい。」 「オープンスクールを使いこなす先生たちのソフト面の指導は?」 「普通の教室でよいから、少人数学級でやってもらいたい。」 「最初からオープンスクールありきで進んだのでは?」 などの質問が出ました。中には、既にこのシステムを実施している千川小の学区からたまたま大野田学区に引っ越してきていて、見学会や保護者会など通じて否定的な見解を持つ保護者からの質問もありました。 [市の回答] ・ 都内では約70の学校で採用されている方法。メリットが5点ある(先生達が協力し やすい、弾力的な運用ができる、習熟度別にやれる、机の大きさも広く取れる、教材の準備もやりやすい)。(長澤氏)。 ・ ソフト面については奈須氏を講師に招き、先生らに研修をしてもらう考えである(教育長 川邊氏)。 ・ 少人数制については→何でも少人数だから良いのではない。僻地の学校の例を上げ、ある程度の人数のほうがいろいろとやれると説明(奈須氏)。 最大のデメリットである「騒音問題」については触れられませんでした。オープンスクール(オープンスペース)ついては、教育研究者の間では「絶対に正しい」という信仰に近いものがあるようですが、これを体験した子供や親、現場の教師の見解は割れているようです。しかし、すでにプランは固まっていて、可動式の仕切りを設置するかどうかぐらいしか変更の余地はないとも思われます。 3)計画の進め方・設計者選定方法について 「計画に対して保護者が意見を言う場が少なく、今までの進め方がオープンでない」 「今日の説明会の運営方法や、ここで出された保護者の意見や要望はどんな風に計画に反映されるのか?」 「委員会のメンバーだけの議論は疑問、保護者が議論に加われる場が欲しい」 などの不満の声が数人から出ました。 [市の回答] ・ 今まで9回以上も意見を聞いてきた。 ・ H17年3月完成という期限があるので、千川小のように時間を掛ける事はできなかった。今まで十分やってきたが、今後は大野田小の1階の新校舎情報コーナーに箱を設けているので、質問・意見・要望はこちらに出して欲しい(教育部長南條氏)。 保護者の認識と役所側の見解との間に大きなズレを感じました。 4)4階の特別教室の非常階段について 「4階の特別教室(図工室・家庭科室)が空中廊下でつながっているだけで、その棟に階段がない。非常時に不安なので、外側に非常階段をつけて欲しい。」 [市の回答] ・ 関東大震災・阪神大震災クラスの地震でも大丈夫な耐震性を前提に作るので、心配ない。外階段を取るスペースがない。(日本設計) 設計者の回答はピント外れなものです。4階の平面図の一部(5階も大体同じようなプランです)を見れば分かるように、特別棟(図工室などのある側)の4階・5階は孤立した「はなれ」のようになっています。図面上では何とか2方向の避難路や防火区画は確保出来ているようで、消防法はクリアしているにしても、考えたくはないことですが、東棟(普通教室のある側)の手洗い場付近で火事が起きたり、暴漢が侵入したりしてきた時には特別棟にいては逃げ場がないという見方は、素人考えとして退けるわけにはいかないのではないでしょうか。また工夫次第で外階段は取付けられると思われます。デザインその他から、今更変更したくないというのが本音でしょう。 |
5)その他 「ペアガラスの割れ方について」「校庭の芝生化はできないのか?」「建物の防犯面はどうなっているか」などについて質疑がありました。 6)今後の事業計画の進め方 H15年 7月 工事契約準備(1ヵ月半、工事業者は一般競争入札で決定) 9月 議会での承認 工事説明会の開催(保護者向けに工事中の注意など) 10月 工事着工 H17年 3月末
完成、移転 4月初 使用開始、仮設校舎解体 外構工事(校庭など)・・・夏休み終了まで |