生徒指導通信 3

 昨日行われた、○○村村長選挙は、95%近くの投票率だったそうです。大都市の人々がこの投票率を知ったら、さぞびっくりすることでしょう。おらが町、おらが村を思う気持ちが強いことは、とっても誇れることです。この姿を、次代の子ども達が引き継がないわけはありません。

 

幸せを体験する

 今日21日の午後に、生徒会認証式を行いました。認証式というのは、各専門委員になった生徒に、生徒会長H君や各専門委員長が任命状を授与する儀式なんです。各クラスから選ばれた、学級、生活、学習、図書、整美、衛生、報道、応援団の委員がその場に立って、代表者が登壇し任命状をもらうんです。自分のお子さんが、何の専門委員になっているか知っていますか?是非、聞いてみてください。専門員になっていなくても、学級の教科係にはなっていると思いますよ。クラス全員に、何か活躍させる場を与えたいと思うのが、私達、教師の癖なんですから・・・。
 生徒が自らの生活を見直し改善する、その活動の中心となるのが、生徒会なんです。でも、本校に限らずですが、この生徒会の意識がどんどん低くなっているのが現状なんです。話によると、高校では生徒会役員になる人が誰もいなくて困っている学校が大半なんだそうです。高校でそうなんですから、中学校ではもっとでしょう。確かに、専門委員の仕事は、毎日のものが多く面倒なものなんですね。生徒会の仕事で、大好きな部活動にいけない日もあるんですから・・・。一番いいのは、先生の言ったことを、そのまんまやること。だから、生徒会はあって無いようなもんだ、なんて言われちゃうんですね。わたしの事を言うのはちょっと恥ずかしいんですが、わたしは中学校のとき、生徒会長に立候補して見事落選したんですね。だから、生徒会の役員に対する目は、少々嫉妬を含んでいるのかもしれません。落選した事を生徒に言うと、生徒は喜んで笑うんです

「先生、人気ねがったんだなー」って。でも、当時の自分は、真面目に母校を愛し、考えていたわけで、落選したショックは相当でしたね。

 

 話し変わって

生徒もいよいよ、新年度の緊張も解け、様々な姿、形を見せるようになってきました。そして、それと一緒に、生徒指導部にはいろいろな問題が集まってくるのです。

 ズックを隠す、ズックにゴミを入れるなんていうことがありました。近年、増えてきている、人の見えないところで意地悪をし、困っているのを見て満足するという陰湿ないたずらです。

 だいたいですね、こういうこと行う人間は、不平不満のかたまりなんですね。この手の指導には、相当厳しくしていくのと同時に、心のケアが必要なんです。いたずらされた生徒をもちろん救うということがあるんですが、その一方でいたずらしている生徒も救ってやらなくちゃいけないという面があるからなんです。いたずらしている生徒は、自分の存在理由がわからないという傷ついた心をもっていたりするんです。心の病気ですね。相手を困らせることによって「悪い自分はここにいるんだ!」とアピールしたり、「どうせ、俺なんか居ても居なくても同じなんだ。俺が存在しているのは悪いことをしている瞬間だけだ。」なんて思っていることをあるんです。普段はそう思っていなくても、心の奥の方でそう考えているんです。

 生きている存在を認めてあげる。「君が居てくれてよかったよ」「君のおかげだ。」こんな言葉が、最高の薬なんですね。口先だけではいけません。本当にそのような場面を、作ってやらないといけないんです。また、言葉で言わなくてもいいんです。いや、言わない方がいい。自分自身が、「みんな俺をたよりにしている。」じわーとそんな感じが、日ごろ感じられる状況が必要なんです。保護者の皆さんだってそうでしょう。「家族は、自分が居ないとだめなんだ」って思うでしょう。

 

 学校でも、家族でも、地域でも自分があてにされているんだと実感できる生徒は幸せもんなんですね。でも、この幸せを実感したことが無い生徒には、無理矢理作らないといけないんです。それが、学校では専門委員会であり、学級の係であったりするのです。皆さんのご家庭では、この幸せを実感させる方法はどのようにとっていますか?

 「兄ちゃんのくせに!」と言ってきたことを、「兄ちゃんのおかげだや!」に変えるのも、1つの方法ですね。

 制服を短く切ったり、髪を染めたり。そんなサインも、この幸せの体験が少なくなってきている証拠なんですよ。

 

 お蔭様で、わたしは選挙落選の後も、非行やぐれることはありませんでした。
 落選が決まった日、生徒指導部の先生であり、わたしの部活の顧問でもある先生が、わたしを職員室に呼んで言うんです。

「残念だったな。でも、うちの部にとってはよかったよ。」って。

わたし、この言葉で幸せをつかみました。

 

ご意見・ご感想をお願いします。

 

 

 

 

 

 


戻る