生徒指導通信 2
「生徒指導通信」を出した後、お読みになった方々からの感想が戻ってきてくれました。本当にありがとうございます。書いている者にとって、がんばれよっていう声援や、ここは違うじゃないかという指摘など、反応があるということは、勇気がでるものなんですね。1を発行した後、このことを、とても実感致しました。今後とも、宜しくお願い致します。
心の距離
さあ、今年度がスタートして、一週間がたちました。1年生の緊張もピークとなっているようです。少しずつ表情にも、疲れの色が見られます。2年生は、新しい集団の中で、自分の居場所を探して、モガイテイルころでしょう。3年生は、迫りくる運動会に向けて、自分たちをどう表現するか、それを考えるのに必死である今です。
教師にとって、スタートして1週間たつ今という時期は、今年を占う意味でも大変重要な時期なんですね。教師と生徒との、心の距離が離れたり、近づいたり、毎日めまぐるしく変わるでしょう。それも、中学生なのです。いかがですか?
本校は、4月に運動会。この地区以外で育ったわたしにとって、この春の運動会には、最初抵抗がありました。なんで忙しい時に運動会なのだろうか?って。わたしが育ったところでは、運動会は秋にやるものだったんです。でも、最近はですね、すっかり変わって、4月の運動会肯定派なんですよ。確かに、この時期の運動会は生徒にも、教師にも相当のエネルギーを使わせます。保護者の方々にとってもそうですよね。だけど、先ほど述べたように、生徒との心の距離をはかるには、絶好の場面でもあるんだと気がついたわけなんです。
以前、荒れた学校にいたとき、生徒の心がつかめなくて悩んだことがあります。どうして、自分の言った言葉や気持ちが生徒に入っていかないんだろう?どうして、生徒は大人に対してあんなに拒否を示すのだろうって。でも、いくら考えても、職員会議をしてもわからないんですよ。学校が荒れてくるとですね、会議ばかり増えてくるんです。そして、どうしようもない、情けなさが学校中に漂うんです。保護者の方も学校には近づかないんですね。
そんな状況に、運動会がありました。最初は、生徒は教師と一緒に活動することを拒み、教師も生徒と活動することに抵抗を感じていました。でもね、これが3、4日続いていくと変わっていったんですよ。
ある生徒が「先生、応援合戦でどうしても優勝しってんだ。アイデイアねっが?」と聞いてくるんです。そのころになると、教師の方も、自分の組に情が入ってきてですね。「よし、ちょっと難しいかもしんねけど、俺が高校の時やった踊りやっべ!」なんて具合になったんですね。もう、どこの組も、生徒も教師もあげくのはてに、保護者までも優勝という文字にむかって一直線です。この気持ちは、応援合戦からムカデリレーへ、はたまた生徒は競技以外の態度の面まで1位になるんだって向かっていったんです。夕方になると、保護者の方々が、太鼓の指導に登場するんです。
運動会って、どんな会議よりもまさるんだなーって思ったんですよ。
心の距離なんていうものは、生徒と一緒にバカになって活動しないとはかれないものだとわたし思うんです。だから、4月の運動会は大賛成なんですよ。週休2日制の導入で、行事を減らそうという案がいろんな学校で行われ
ています。運動会もその対象にあがっている学校さえあるんです。
運動会って、競争じゃなく、心の交流なのにですよ・・・。
今年も、中学校に運動会がやってきます。今年は、どんなドラマが待っているのでしょう。去年の大根踊り?いやいや、また違ったものを生徒と教師は生み出すに決まっています。おじいちゃんもおばあちゃんも中学生の子どもを持っていない町民みんなが期待しているのがいいんです。とってもいいんです。期待されると生徒はそれにこたえようとするんですから。グランド入り口には、今年もあの杉門がでるのでしょうか。おとうちゃんの子どもに対する願いが伝わります。これもいい。とってもいいんです。子どもは、必ず、親の姿を見て何か感じるんです。
保護者と子どもの心の距離が縮まる瞬間です。
14日の月曜日。昼に運動会結団式を赤、黄、緑それぞれ行いました。先生方も、それぞれの組に、もちろんわかれています。残念ながら、昼に外に出ていたわたしは、愛する緑組の結団式に参加できませんでした。
職員室に向かう階段で、体育館からエールが聞こえます。「フレー!フレー!」3年生の誰でしょう。立派なエ―ルです。
「フレ〜、フレ〜」ちょっとはずれている、○○先生のエールのようです。生徒たちも大爆笑。
でも、これがいいんです。
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