国語科(メデイアとわたしたち)

 

 

平成17629日実施

授業者 YM 教諭

文責  高橋 晋作

 

【授業の様子】

T:昨日は、サリン事件のビデオを見ました。河野さんという人が、無実で犯人扱いされたものでした。今日は、それを踏まえて、あなたはメデイアとどう付き合っていきたいと考えているか、さらに友達とその考えを読み合うということで、考えを深め合いたいと思います。まず、だいたい4人グループでリーダーを一人決めてください。リーダーは、大判用紙を取りに来てください。まずは、自分の考えを書いてください。できれば、メデイアとどう接していけばいいのか、話しあってください。

     班ごとに、話あったことを大判用紙に書いてまとめ、黒板にグループごとはっていく

     授業者は、時間の関係もあり、黒板に張られた大判用紙の内容を、読み上げていった。

T:まちがった情報もあるから、正しい情報を・・・。メデイアの真実を見極める・・・。メデイアのいうことが本当かどうか考える・・・。先の方を考え、信じる・・・。メデイアの全部を信じない、自分で判断したい・・・。メデイアと距離をおきたい・・・。メリットとデメリットを考える。これ新しい言葉だね。メリットとデメリット。

あいまいな情報を信じない・・・。見て考えて処理する・・・。

T:いろんな考え方があると思います。受け取る側の人間の考えが大切なのではないでしょうか。

T:一つ目、テレビと接するとき。2つ目、本、雑誌というメデイアとの接し方。3つ目、新聞というメデイアとの接し方。4つ目、メール。5つ目、インターネット。これから、ひとつ選んで、自分の考えを書いてください。

T:書き終わったら、サイン交換で、自分の考えを相手に読んでもらい、相手の考えを読んでみましょう。読んだらサイン交換。

 

・・・授業者は、生徒と生徒の考えをつなぎ合う手段として、サイン交換を使っている。

 

 

【研究協議会での話題】

今回は、出張で人数が少ないこともあり、学年ごとではなく長机に座っているグループごとのバズセッションから始めた。

『授業者へ質問したいこと』

     授業の後半で行ったサイン交換は、やや軽く流れていたのではないか。

→確かに、今回の場合、相手の意見を熟考するというよりも、仲間つなぎの楽しさの方が強くなった気がする。サイン交換とは、授業者が生徒の意見をつなげるための手立てとして準備したものであるが、Y教諭なら、思い切って生徒を信じて、全体の中で話を持っていくこともできたであろう。サイン交換は、奥の手として、とっておき、授業が停滞したときに行ってもよかったかもしれない。

     授業の流れとして、個人→グループ→個人の学習形態をとったのはどうしてか?

→最後は、個に帰るという流れは、別段突飛なこととは考えていない(授業者)。ただ、上述したように、更に勇気を出して、全体の場の中での意見の交流をチャレンジしていきたい。

特に、授業の最後にOくんが授業者に語った、「ニュースを見て、疑うなんて実際は無理だ。」という意見は、十分に全体の中で共有化できる意見だった。やはり、考えている生徒は、このくらいの意見は持っていただろう。

 

『ビデオでもう一度みたい場面』

     グループで大判用紙に意見を書く活動のとき、話し合いが停滞していたグループが2つほどあった。それをビデオで確認しあった。

→ビデオで確認されたグループは、4人グループのうち、主要な発言者のKたった一人で、他の3人はまったく聞き手になっていた様子であった。大判用紙には、ひとり一人の意見をKが書いていき、最後のまとめの部分では、なんとか意見を出し合おうと試みたKだが、他の3人が意見を出さなかったため、4人の文章をひとつの文章に組み合わせることで、まとめとした様子が確認された。

 

『全体の話し合いで取り上げたい話題』

・グループごと書いた大判用紙を黒板に貼り出して、授業者が丁寧に、すべての考えを紹介していったことに話題が移った。特に“半信半疑”“キョリ”“デメリット、メリット”という単語を強調しながら、紹介していったことについて後に、ある生徒がメリットという言葉を使って文章や意見を言っていることに影響しているのではとう話に進んだ。ただ、授業者の言葉が、直接話法的な言葉であったので、生徒の意見であるのに、どうしても授業者の意見のようになり、生徒がなかなか反論や意見の交流をしにくくさせていたようだったという話にも及んだ。できれば、子どもの声で発言させたり、紹介するときは、「○○くんは、〜考えているね。」というような、間接的な表現にすることも、その後の意見を広げる授業を考える際には必要なことのように思われた。

     テキストに戻ることの必要性も話に出た。国語科としては、やはりテキストを数多く触れさせたい。そのためにも、授業者としては、絶えずテキストに戻しながら、自分の意見や全体の考え方との振り返させた中での深まりを仕組みたい。

 

 

 

 

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