国語科(枕草子)

平成1724日実施

授業者 YM 教諭

文責  高橋 晋作

【授業の様子】

まずは、漢字テストからスタート。

指導者は、その後、ひとり一人のプリントに印をおしながら、教室を回った。

生徒が丸つけをしている間、指導者は黒板に今日の課題を板書する。

『枕草子 音読・現代語訳・暗唱をしよう』

T:昨日はですね、えーと、暗唱をしましたけれども、ただ、教科書読んでないところあります。枕草子では、184ページの美しきものですね。徒然草では、186ページの仁和寺にある法師ですね。今日は、わたし、一切読みません。現代語訳も言いません。ね、プリントはあります。これを各自でするんですけども、ね、先生、じゃ、どうやって読んだりするんですか?となったときに、後ろにですね、M中のCDラジカセをすべて用意しました。

CDも9枚あります。ボタン押すと音がでます。当たり前ですね。これ(1枚の中に)4つ入っています。1番目が、春はあけぼののところです。2番目が、美しきもの、ね、2番目の読み方を知りたい人は、2を押してください。それから、3番目が徒然なるままに、この間したね(行ったね)、それで、4番目が仁和寺にある法師が入っています。だから、今日押すボタンは、2か4になると思います。

 では、せっかくですから、昨日勉強した復習をしていきたいと思います。枕草子の冬まで読んでいきましょう。

     ここから、教師が読んで、生徒が後に続いて音読を行う活動にうつる。

T:春はあけぼの

S:春はあけぼの

     ・・・・・・

     ・・・・・・

はい、OK。では、ちょっと配ります。

T:学習プリントを配布する。

T:はい、ではプリント2枚配りました。じゃあね、プリント見ると、古文のところと隣に(  )があるよね。この(  )のところに、現代語訳を書きます。ね、で、教科書を見ると、参考に載ってますからね、そちらの方を見ながらね、書きます。あと、左の方にチェック欄があります。3つあるよね、ということは、チェックする人がいるのです。さあ、誰でしょう?

S:先生

T:わたしでも結構ですが、昨日みたいに渋滞すると悪いのですから、(参観なされている)校長先生は国語の先生ですから、チェックを受けてください。現代語訳も、周りに(参観なされている)先生方は、優秀な人たちですので、知ってますので全部チェックを受けてください。暗唱は、チェックと現代語訳を終えて、時間的に余裕があるなという人はチャレンジしてください。あと、えー、座席を移動しても構いません。あと、非常に辛いなあ、苦しいなあと思う人は、グループでしても構いません。特に指定はしません。なので、できるだけ、友達同士で「ここどうなの?」と聞きあいながら、完成させましょう。

時間はですね、30分くらいかな、頑張ってください。はい、活動開始。

S:生徒それぞれ活動始まる。

グループ活動により、安心感の中で活動しているせいか、互いに支えあって活動している姿が表れている。

《生徒のつぶやき》

M:「はい来る」って何?

O:2、3歳って、もう歩けるよねー。

教頭先生:数え年なんだよ。

M、O:えー。

 

S:うりの書いた顔ってどういうの?

 

T:尼そぎなるって、どんな髪型?

 

このような、個の問題を全体の場で共有させたい。

 

T:活動を止めてください。ラジカセは後ろにお願いします。

T:プリントなり、教科書184ページなり開いてください。じゃあ、いきます。

 「美しきもの」

S:「美しきもの」

以降、教師の後に続いて読む活動に入っていった。

一通り読み終えて、この授業を終えた。

 

【研協議会での話し合いの様子】

     授業者が、子どもに寄り添おうとしたことが伝わる授業だった。

     『枕草子』『徒然草』という、2つの題材があったわけだが、『枕草子』の方が、思考を活性化しやすいことが確認された。

     聞く活動をどうやって強めるのかという協議になった。

     『枕草子』“ちり”の話。“ちり”や“はひ来る”、“尼そぎなる”などの子どもひとり一人の解釈の違いが紹介された。ただ、音で意味が取れるものもある。ちりなどは、何度も音読みすることで、意味が見えてくるはずだ。

     この授業は、『聞く』『音読』『暗唱』『現代語訳』など、生徒ひとり一人にとっての学びの入り口が沢山用意されている授業であった。

“学びの入り口がたくさんある授業”のメリットは、グループ活動が活発化するという点が上げられる。

“学びの入り口がたくさんある授業”のデメリットは、共有の活動が薄くなるという点が上げられる。

そこで、指導者が重要な点は、生徒が経験してひっかかったところを振り返させる活動であろう。そういう点を全体の場で取り上げることで、共有の活動が深まっていく。

 

この授業では、学びの共有化について、多くの示唆を得ることができた。

     子どもの意見を振り返させる・・・生徒の問題に価値づけてやるということ。

× 教師がそれを利用しようとしてはいけない。

これらは、社会人でも行っているワークショップの活動と同じ。できる限り、教えない方がいい。

授業において、グループ活動から学びの共有化を行う場面は、大変難しいことが確認された。

来年度は、あえてこの『学びの共有化』をテーマに授業改善を図っていこうとあらたな課題を発見した、充実した授業研究会となった。

 

 

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