数学科(関数)

 

 

平成1778日実施

授業者 YJ 教諭

文責  高橋 晋作

 

【授業の様子】

学習指導案へ

 

【研究協議会での話題】

話し合いで、まず黒板に出て説明したグループは、なぜ、発表グループをD・E・Fグループに選んだのか、授業者への質問から始まった。授業者としては、しっかり説明できる体制が整っていたことを重視したという話だった。その後、ビデオを通して、Aグループの学び合いの様子を再び、一同で見た。このグループは、三角形の辺の数を注目して、1段目、2段目・・・と増えるにつれ三角形の数がどのように変わっているのかを、話し合っている。4段目は、班員4人全員が、辺の数がいくつになるのか答えが出た。ところが、どうして、そのようになるのか、導き方に違いが出て、Hが一生懸命説明しているのに、MとYが「わからない」の連発を発している。しまいには、「オレの頭も狂ってきたー。」とHも根をあげてしまった。

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100

12

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Hは、XとYの関係で(X×3=Y)導き出しているのに対し、MとYは、Yに3を足して答えを導き出すという、Yだけの見方に立って考えている。このHとM,Yの求め方のズレが、話題の中心になった。

授業者は、Aグループに対し、授業中は相当関わっていた。特に、「一人だけ分かってもダメ。グループ全員が納得するように」という声がけは、相当有効に働いている。その甲斐あって、Hは、普段なら自分ひとりでどんどん進めようとするタイプなのにもかかわらず、班員に必死になって分からせようと説明している。ただ、表を使って説明していないのが、両者のズレをいつまでも平行線に保ったままにしているのであろう。そう考えると、表の欄がやや小さい学習プリントも、話題の焦点になった。

わからないことを授業の中心に据えるという、授業者の挑戦は、このAグループを生かすことで、さらにダイナミックな授業に変わったであろう。このAグループの悩みを、クラス全体に広げていくのである。疑問の交流こそが、表現の共有化に有効な手段であろう。

ただ、なぜAグループに介入していた授業者が、Aグループを取り上げなかったのかを尋ねると、「取り上げたかったのだが、Hの拒絶的な反応が強すぎてできなかった。」ということであった。これも、授業を仕組む授業者にとっては、共感できる点である。授業とは本当に難しい。

考えのズレを生ませる仕掛けと、そのズレを一般化させることで、授業はダイナミックなものとなることを、この授業は教えてくれた。

 

 

 

 

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