理 科(ガスバーナーの使い方)

 

 

平成1778日実施

授業者 MM 教諭

文責  高橋 晋作

 

【授業の様子】

T:今日の実験はかなり危険ですから、教科書、資料集はいりませんと言いました。また、わたし的には、教科書、資料集の使い方は、まだ足りないと思っています。ちなみに、ガスバーナーを使ったことがある人?

S1/3くらい手をあげる

T:少ないね。自信を持って使えますよと言える人は?

S:2人

T:では、まず最初に、ガスバーナーを41組で机に持っていってもらいます。そしてその前に、大事なポイントを、確認します。黒板に元栓と書きながら、元栓は、横になっているときは絶対に(ガスは)出ません。縦だと出ます。だから、安全だなと確認してから行ってください。あと、今日は夏なので大丈夫だと思いますが、静電気にも注意しながらやってください。はい、それでは分解してみてください。ただし、ホースは外さないこと、では、分解開始。

S:各班、ガスバーナーの分解を始める。長テーブルに四人横に並んでいる体系なので、およそ分解をする生徒は、中央の2人に限定されてしまっているようだ。

・・・・

T:それでは、みんなで確認してみよう。まずは、2つのパーツに分解されましたね。さらに、3つに分解されます。

※生徒の集中力が増している。

T:それぞれのパーツの説明を、それぞれのパーツを片手に行っていく。これは、ガス調節ねじといいます。・・・さ、ガスはどこから出て、どういう通り道をくるのか、相談してください。

※生徒同士の相談が始まる。各々パーツをいじってはいるが、なかなか話が進まない気配。

・・・・

T:えー、今ね聞いて回ったんですけど、わかったぞという人とその反対の人いるようだけど、説明してくれる人いませんか?

S:なかなか手があがらない

THくん

S:えーと多分、このちっちゃい穴のやつ、締めていくとこの穴が針でどんどん小さくなり、ガスが少なくなる。緩めると空気が入ってくる。

T:ポイントは針と小さな穴だね。ということは、ガスはどっからでているのかわかる?

針の先から?この周りの部分だね。周りの部分からモワっとガスが出てくる。・・・

※説明が続く。

※途中、ねじは右回しで締めるものが多いことなどの紹介を入れている。

T:では、こんどは、組み立ててください。

※組み立ては比較的簡単に済んだ

T:さ、ここでちょっと皆さんにお聞きします。マッチに火をつけてからガスを出すのが、ガスを出した後に火をつけるか、あなたの考えはどうですか?

S:生徒のつぶやきから、後者の方が多い。

T:場合によっては命に関わることだから、話し合ってみて。

S:えー。

※この問いに対しては、先ほどの問いよりも生徒の関心は高い。横だけでなく、前後の生徒との話し合いに進んでいる。

・・・・・・・

T:では、みんなにやらせると危険なので、わたしがやってみます。ここら辺まで来てください。

S:生徒興味を持って集まってくる。

T:まずは、前者の方をやってみせた。次に後者をやってみせる。

S:おー。アブねー。

T:じゃあ聞きます。どっちがいいか。自分はマッチをつけてから火をつけるという人?

S:全員。

T:そうだね。もくもくガスを出しながら火をつけるのは、大変危険です。これでわたしの友人は、前髪を焼きました。

S:笑い

T:本当です。気をつけてください。

T:ガスバーナーの色は何色?

S:青!

T:じゃあ、このガスライターの色と、ガスバーナーとは何が違うか、見つけてください。

S:各班に、ガスライターを1個持たせて実験させる。

T:ガスライターのこの液体は、ガスです。ガスバーナーと同じ。じゃあどこが違いますか。この火花は、マッチだとしたら?あと、何が違う?

※ちょっと生徒の関心が下がってきている感がする。

T:じゃあ、こっちみてください。ライターには、ここに何か+書いてあるのは何?

S:ガスの量

T:じゃあ、バーナーにあって、ライターに無いのは?

S:空気の調節・・・

その後、実際にバーナーを点火させていく。

 

 

【研究協議会での話題】

 バスセッションを行って、その中から出てきたことから話し合った。

『授業者へ質問したいこと』では、炎の色を青くする説明について、授業者は思わず出てしまったということだった。コックの説明がなかなか浸透しなかったのではという話には、ガスの元栓さえわかれば、呼び方はあまり重要視しなかったという答えだった。他に、消火の仕方についての質問や、実験グループの構成の仕方、教科書を使わなかった理由について意見がだされた。

『全体の話し合いで取り上げたい話題』では、考えさせるところと教えるところが話題になった。やはり、危険性も伴うため、その点は、はっきり区別しなければならない。しかし、一方で、共有化を図るには、ある程度の失敗も必要であること。絶対してはいけないことを教えた後、試行錯誤する場面が必要だったという点も話題になる。例えば、「誤った使い方のリストを作ろう」という課題の設定なども、ひとつの方法としてある。

 特に、話し合いの中心となったのは、今回の授業では、ガスバーナーの仕組みをわからせるために、授業者が工夫したガスバーナーの分解の場面であった。どうしても、分解という作業は興味深く行っていたが、授業者の願いであった、仕組みを知るまでには至っていなかった。その点について、話が進むと、操作しているときの、絵がないといけないということに話が及ぶ。特に今回は、断面図が必要だった。ガスの流れがイメージできていない生徒が多かったからだ。つまり、操作には、何かしらのイメージがあるということがわかった。

 授業では、バーナー本体の調節ねじでガスを出すのを怖がり、元栓のコックの開閉で、点火している生徒もいたことが話題になった。火からの距離で、恐怖の度合いも異なってくるのだろうということ。パフォーマンステストなども、次時では行っていくのもよいだろう。

 

 

 

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