3A学級たより bX
6月5日 庄内だましー
地区中学校総合体育大会の組み合わせ会で各部慌しさを増しています。顧問の先生は何とかいいくじ引きが引けるよう祈る思いで出張にでかけます。最終日の今日は私の番です。市内の中学校に二校ぐらい訪問しました。どの学校も、すでに部活動に熱中しています。「でも、少し挨拶して欲しいよナー』なんて思いながら会議室まで行きますが、結局ただのいっぺんも挨拶をもらえませんでした。
「ねえ先生、何で最近の中学生は挨拶しないんですかねー。」数年前、ある派出所の警察官とふとしたことで仲良くなったことがあります。名前は輪島さんというんですがね。私の高校の先輩で、県の日本海沿いの庄内地方をふるさとにしているんです。たまたま二人ともふるさとを離れ、山形県の北部に位置する最上に来たことで、仲良く酒を飲む友達になったんです。そして、その輪島さんが中学生の挨拶について言うんです。輪島さんは、非番のときも、暇だからといっては町の交差点に毎朝立って挨拶しているんですよ。もの好きに思うでしょう。当時私も、独身で暇だから「よっしゃー、庄内だましーみせてやるー。」ってな勢いで輪島さんと二人で毎朝、交差点に立って大声で『おはよう!!』の押し売りをしたんです。小学生から中学生、お年寄りまで、ツッパッテいた高校生なんて、二人でおっかけて耳元で「おはよう!!」って挨拶するもんだから、敵はびっくりして思わず挨拶にこたえてしまうんですねー。
今思えば、とてつもなく異常な警察官と教師でありました。輪島さんは、その年の春、「お先に庄内に帰ります。庄内だましーに乾杯!」という葉書をのこして去っていきました。わたしも、今の学校に移動となりました。
地区総体の抽選会も終わり、車で学校に戻ります。ちょうど部活動も終了。
テニス部、バレー部の面々が、明るくにっこり私に手を振って帰っていくのです。
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