学級活動(いじめ加害者・被害者想定)
平成18年12月7日実施
授業者N・T 教諭
文責 高橋 晋作
【授業の様子】
【研究協議会での話題】
最初に、授業の意図した点、それに対するズレ、授業中迷った点を、絞って自評してもらった。
被害者の気持ちから、加害者の気持ち(どうしてバカらしく感じた)を考える局面になったら止まったという感想を、話題の中心に据えて、話し合いを行った。
被害者の気持ちは考えやすいが、どうしたら加害者の気持ちに立てるのか、資料やロールプレイ体験などの話が出された。後ほど、江間教授から、資料は、最近いじめ問題で多く掲載されている、新聞の投書などを活用することもできると紹介して頂いた。授業では、被害者が自殺して、自分のやったバカらしさに気づくとか、不登校になって、バカらしさに気づいたという発言が占めた。被害者の行為から気づくのではなく、もっと人としての自尊心に迫る方法を考えたい。
KやNなど、勇気を持って話を出した生徒にとって、価値ある授業であった。授業者は、その生徒たちを評価するような発言をして欲しい。そして、そのことを話にして、授業のクローズにしてもよかった。
KとNにとっては、過去の問題とはいえ、加害者を許していない今、加害者の気持ちに立って考えることはできない。Kは、「だんだん気持ち悪くなった。」と言っていたが、被害者の気持ちを書くプリントを、裏返して「もう、これは過去のこと!」と机に置いた。
Kは、このようにして、心のけじめをつけていたのであろう。救われた。
また、小学校の先生の一言で傷ついた生徒にとって、加害者の気持ちに立つということは、最も難しい、いや、無理だろう。いじめ問題は、ケースバイケースで、その事例ひとつ一つで対応が違う。それを授業で行う難しさも垣間見られた。
授業者が授業中に出た笑いについて気にしていたようだったが、参観してみて、決して嫌な笑いでないと感じた。深刻な話題ほど、人間はジョークでバランスをとろうとすること。このクラスの笑いは、そんな笑いの要素だったような気がする。生徒は前時の授業も深刻なテーマだったこともあり、きっと明るくからっとした授業にしようと、バランスをとったのではないだろうか。生徒は本当にすごい。
授業は、いじめられた暴露大会みたいな面も少々でたが、それだけ言いたいことがいっぱいあったのであろう。それを、その場で全体に言えることは、このクラスの今の健全な状況を感じさせる点でもある。
いじめのテーマとは、Kがつぶやいた言葉である「いじめって解決するのかな〜」になると江間教授から話をもらった。