2年B組の保護者の皆さんへ bQ

 

bPのたよりの感想を、数人の方からさっそく頂きました。本当にありがとうございます。何か発信した後、それに対する反応が返ってくるということが、どんなに嬉しいことか改めて感じました。ひとり一人の感想やご意見は、間違いなくわたしに届いております。今後とも宜しくお願いします。

わたしと2年B組の生徒達との最初の出会いは、わたしが2Bの教室で、机とイスを持ってくる生徒達を迎えるというものでした。新しい教室で、座席の配列を黒板に書きながら待っていると、「失礼します!」と大きな声で、男子が入ってきます。背中で聞いていたので、誰が入ってきたのかはっきりしませんでしたが、何となくその挨拶が、わたしの気持ちを和ませてくれるのです。また、出会ったばかりの始業式から、いろいろ生徒にお願いをすることが多かったです。教科書の配布の手伝いや、入学式準備の清掃。どの生徒も真面目に活動を行ってくれました。Rくんは、クリーニングしたカーテンを窓のてすりにつかまって、懸命に取り付けてくれました。掃除の時間が過ぎたので、「あと明日にしようか?」と言おうとしたのですが、彼の頑張りの目に黙っていたわたしです。

 

聞き上手になる

 「先生は大食いだか?」入学式準備の清掃をしながら、龍太くんが聞きます。「んー、小食ではないな・・・」とわたし。終わりの会で、明日の連絡のときに、「明日は弁当だね。」というと、男子から「弁当は大事だ」という声。なんだろうなと思っていると、Yさんの書いた、わたしへの質問の文を読んで、やっとわかりました。

「先生の名前って、フードファイトのS・Tと同じ名前なのね。びっくり?」

 やはり、聞いてみないとわからないものです。特に中学生の頭の中は、宇宙ですから・・・。

 


 2年B組の子ども達に、学級担任としてこんなことは守って欲しいというお話を、本当は、最初にしなくてはならないのですが、なかなか時間がとれません。昨日は入学式の後、片付けやらテストの結果の配布やら、提出物の確認やらで終わってしまいましたし、今日は学力テストと全校一斉の初発指導で、時間が流れていきます。どうやら、今日のたよりの内容は、明日の学活の予習になるようですね。2Bのみんなは、このたよりを読んで、明日の学活のわたしの話を聞いてください。

 実は、2Bの生徒として、わたしが担任として、このクラスを受け持つ限り、絶対に意識して取り組んで欲しい点が3つあるんです。そのうちの1つが、今回のたよりのテーマです。保護者の皆さん、あとの2つについては、明日の夕飯にでも、聞いてあげてください。

 クラスを作っていく上で、意識して取り組んで欲しい点の1つ、それは「聞き上手になれ」ということなんです。

 人は、“話し上手”になる前に“聞き上手”になることの方が大切です。最近は、特に、自分の主張ばかりを大きな声で言いわめき、それが通らないと、怒りを顔面いっぱいに漂わせる、そんな光景が、学校でも、社会でもたくさん見かけられます。聞き上手になるということは、よりよい人間関係を育む上で、土台になると、わたしは強く思っているのです。

 キャッチボールの話になります。今、日本全国で親子キャッチボールの会が急速に広まっています。会といっても、内容は簡単。暇なとき、公園や広場で、子どもとキャッチボールをするだけなんですけど。これが、インターネットなんかで調べると、関東、九州、東北・北海道にどんどん広がっているんです。なぜ、キャッチボールなんでしょう。

 キャッチボールと言えば、昔は、よく家の前で見られた光景でした。わたしも、よく親父と行いましたよ。わたしがピッチャーとなり、親父が腰を下ろしてキャッチャーになる。親父は、どんなボールでも「バシーン!バシーン!」といい音させて、見事にとってくれるんです。幼い子供のわたしは、それが嬉しくて、どんどん投げ込むんです。

 今の親は、子どもにキャッチボールを教えるのがとてもヘタになったそうなんです。どうしてでしょう?キャッチボールをする時に、まず手首のひねり方や肘の使い方を指導するんですね。「こうように肩を回して」とかなんか言って、手取り足取り指導しながら・・・。でも昔の親は決してそうはしませんでした。ただ、黙々と、子どもの、あっちこっちいく球を見事にキャッチするんです。実は、それが、子どもにとっては、最高の刺激になって、どんどんボールを投げたいと思わせ、しまいには、相手の胸に素晴らしい直球をズバーンって投げ込めるようにしてしまうんです。受け手が大事だから、キャッチボールなんです。決して投げる方がピッチャーだからってピッチボールなんていいません。

 「会話もキャッチボールだ。」なんてよく言われます。そう、会話の場合も、大切なのは、話をキャッチする方、すなわち聞き手なんです。相手の話を上手に聞いてあげる。そのことが、どんなに人と人との関係をよりよくさせるかわかりません。聞き上手には、相手の心を思いやる、さりげない優しさが必要になるんです。そして、上手に話しをキャッチする人にだけ、相手はどんどん受けやすい話のボールを投げ込んでいくのです。

上手に聞けることより、上手に話す人間を、この国では求めすぎてきたように思います。“キレル”子ども達の出現もその変に原因があるのかもしれません。

 

 昨日の放課後、さようならの挨拶の後、Aさんが「先生の子どもの名前は何ていうんですか?」と聞いてきました。「長男が○○○、長女が△△△って言うんだ。」って、わたしが答えると、にっこり笑顔で「かわいいね」って返してくれます。見事なキャッチングです。

 

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