2年B組の保護者の皆さんへ bP4
先日の学年行事への参加ありがとうございました。少々参加人数が少なかったですが、大変楽しく過ごすことができました。最近、終わりの会で配付しているプリントが、確実に家庭に届いているのか不安になっています。学校で配ったプリントを、面倒くさがってお家の方に見せていないなんてことはないでしょうか。この通信だって、読まれているかどうかわかりませんね。真夜中に作りながら、なんとなく寂しさを感じるのです。
明日でいよいよ1学期も終わりです。1学期間ありがとうございました。夏休み後に、いい笑顔でまた、子ども達と会えることを楽しみにしています。どうぞ、くれぐれも事故や事件に巻き込まれることのないように、家庭でのご指導をお願いします。今度登校する日は、8月20日(月)となります。いきなりの実力テストでスタートです。
最大のプレゼント
「今度の誕生日には、ブロックをお願いするんだよ。」息子がたどたどしく、わたしに言います。実は、今、小2の長男は小さい頃作って遊んだブロックに夢中なんです。友達が、TVゲームに夢中な今、ちょっと変わっているなあと思いながら、ただ見ています。あんまり一生懸命なので、わたしも少し手伝ってあげます。
古代ギリシャは、奴隷社会で、仕事をするのは奴隷であり、「市民」と呼ばれる人々には「労働」がありませんでした。「市民」にとっては、毎日が「暇」だったのです。だから、古代ギリシャには、「労働」という言葉すらありません。その代わり、「労働」のことを「暇なし」と言っていたのです。
「市民」は、毎日することが「暇」だったわけですから、「暇」はそれほど価値が高く、重要視された時間だったのです。この「暇をする」時間の中から排出したのが、数え切れないほどの大哲学者でした。アリストテレスは、「我々は、暇を持つために暇なしである。」と言ったそうです。
さあ、いよいよ夏休みです。お家の方々にとっては、ちょっと大変な時期かもしれません。現代は、「余暇」という言葉が、“労働に充てた他の余った時間”という意味で使われ、古代ギリシャの「暇」ほどの積極的な意味はありません。
「遊び」「社会道徳」「人間関係作り」などは、もともと家庭や地域の生活の中でこそ、身につくべきはずです。戦後の教育が進む上で、その一切合切が学校に任されてきました。週5日制の意味も、そのあたりがスタートになっているのです。
今、再び、親の手でそれを現実のものにするために、子ども達にどれほどの意味のある休日にさせられるか、これが家庭や地域の大きな課題になってきました。
わたしは、親が子に与える、一番最大なものは“親の時間”じゃないかって考えています。あのイチロー選手のお父さんは、幼い頃から、野球好きなわが子のために、毎日2時間は、練習につきあったそうです。どんなに忙しい日であっても、毎日自分の時間を子どもにプレゼントしたんですね。子どもにとっては、暇つぶしの遊びみたいなものだったかもしれません。でも、それに対して、真剣に自分の時間を与えられるすごさ。お金じゃないんですね。親が与える一番のプレゼントって。
飽食の時代といわれる今日。金さえあれば、欲しいものは、何でも手に入る時代です。でも、金で買えないものも世の中にはたくさんあるんです。そのひとつが、時間です。自分の時間を、子どもに与えられる、その親のすごさを子はいつか実感します。子ども達に訪れる「暇」は、決して親にとって暇ではないかもしれません。それでも、ご自分の貴重な時間を少しプレゼントする、そんな休みにしてみてください。
仕事でとことん疲れて家に帰ると、さっと、息子がブロックのひとつを持ってくるんです。イチロー選手の父親の偉大さを感じずにはいられません。
部屋に入ると、全部ブロックを利用した、巨大モニュメント。今日も、ビールを片手にブロック作りのはじまりです。
子どもを不幸にする一番確実な方法は何か。
それは、いつでもなんでも手に入れられるようにしてやることだ
ルソー『エミール』より
キ リ ト リ セ ン
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