Q5-4.
長年住んでいる住宅とその敷地を買い換えました。3,000万円特別控除と買換え特例のどちらを選択するかで迷っていますが、この二つの特例の大きな違いは何でしょうか?
A. 居住用の土地建物(以下居住用財産)を譲渡した場合の3,000万円の特別控除は、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円まで控除ができます。
居住用財産の買換えの特例は、所有期間が10年を超える居住用財産を売って代わりの居住用財産に買い換えたとき、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べるというものです。つまり、売却した価額と同額以上の居住用財産を購入した場合、売却した時点では譲渡益は無いものとされますが、新たに購入した居住用財産の取得価額が旧居住用財産の取得価額を引き継ぐため、 将来売却するときに今回免除された譲渡益に対して課税されることになるのです。また、旧居住用財産の売却価額よりも新居住用財産の購入価額の方が少ない場合は、旧居住用財産の売却価額と新居住用財産の購入価額の差額が譲渡収入となり課税されます。
税率については、居住用財産で所有期間が10年を超えるものを譲渡した場合には通常より低い軽減税率が特例適用されますが、買い換え特例との重複適用は認められません。一方、3,000万円の特別控除との重複適用は認められます。
3,000万円の特別控除 | 買換えの特例 | |
居住期間 | 制限無し | 10年以上 |
所有期間 | 制限無し | 売却年の1月1日時点で10年超 |
軽減税率 | 適用あり | 適用無し |
買換え資産の 取得価額 |
旧居住用財産の取得価額を引き継がない | 旧居住用財産の取得価額を引き継ぐ C≧Bの場合 A+C−B C<Bの場合 A×C/B |
譲渡所得 | B−A−3000万円 | C≧Bの場合 課税無し C<Bの場合 イ−ロ イ 譲渡収入 =B−C ロ 譲渡資産の取得費 =A×(B−C)/B |
A・・・旧居住用財産の取得価額 B・・・旧居住用財産の売却価額 C・・・新居住用財産の購入価額 |
分離譲渡所得 税率表 | |||
5年以下 | 5年超 | 10年超 軽減税率の特例 | |
39% (所得税30%) (住民税 9%) |
20% (所得税15%) (住民税 5%) |
譲渡所得 6,000万円以下の部分 |
譲渡所得 6,000万円超の部分 |
14% (所得税10%)(住民税4%) |
20% (所得税15%)(住民税5%) |
3,000万円の特別控除の特例の詳細
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm
居住用財産の買換えの特例の詳細
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3355.htm
軽減税率の特例の詳細
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3305.htm
買い換えた資産の取得価額とされる金額の計算
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3362.htm
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