中炮対屏風馬 bP0
図30から馬四進六(図31)とします。
紅方は卒7進1を避けながら馬取りで先手を取りこの一手です。
これで黒方が馬3退4とするようでは馬六進八や車四進二で紅方優勢です。
図31の局面で次の一手をどう指すか、ここが本局のハイライトといえる場面です。
図31から炮4進4(図32)が難局を打開する妙手です。
飛び込んだ炮が車取りになっています。
図32で紅方が馬六進七なら、炮4平1で車を取ってさらに王手なので黒方勝勢です。
図32から帥五平六(図33)と紅方は炮を取る一手です。
もう炮を捨てた意味がわかったと思います。
8路の車の活用です。
ここに車がいつまでもいますと紅方から車四平二とされ黒方の車馬がけん制されます。
そしてさらに炮三平二などの手も生じてきます。
図33から車8平4(図34)と車を回って馬炮の両取りです。
これで炮を取れば王手になるのが魅力です。
図34で炮を守る士四進五は車4退1で黒方が士を得したことになり、黒方有利です。
駒の損得を考えますと図34では馬七進六ですが、以下車4進2、帥六平五、車1進2(参考図22)と進んで結果としては黒方ペースとなります。
参考図22の車1進2で車1平3は馬七進九から馬九退八〜馬八進七の狙い筋が生じて黒方不利です。
参考図22以下は馬七退五、車1平4、士四進五、前車平9、車九平八、卒7進1、炮三退三、車9進2、士四退五、車9退3(参考図23)の進展をなり形勢はわずかに黒方有利です。
参考図23は炮と士相の交換ですが、お互いに車がある局面は士や相がないのは危険だからです。
もし車がない局面なら士と相二枚より炮がある方が有利といえます。
参考図23以下は車八進四に車4進1で紅方の駒が働きにくい形です。
というわけで図34から馬を取る手は紅方不満で、最善手は別の手になります。
中炮対屏風馬11に続く。