西沢 和真♂ 無気力系の男の子。根暗じゃない。やる気がないだけとも積極性が無いだけとも 台詞数:25 | ||
日野 守♂♀ 一見おとなしくて優しそうな雰囲気。だけど、言う事はきつい。自分は頭が良いと思っている節がある。 台詞数:14 | ||
笹山 唯♀ おとなしい子。感情がすぐ表に出る。慌てやすい。 台詞数:28 | ||
麻田 梢♀ 明るい子。優しくて他人を気遣うのが好き。 台詞数:19 | ||
第十二話『なんなんだろう』 | ||
1 | 和真 | 「笹山、ちょっといいか?」 |
2 | 唯 | 「はい。なんですか?」 |
3 | 梢 | 「まあまあ、座って座って」 |
4 | 唯 | 「梢ちゃん? と、日野くん?」 |
5 | 和真 | 「で、昨日の話なんだけど」 |
6 | 唯 | 「はい」 |
7 | 和真 | 「良い場所が無いか日野に相談したんだけどさ、部室貸してくれるって」 |
8 | 唯 | 「部室ですか?」 |
9 | 和真 | 「うん。日野、いいんだよな?」 |
10 | 守 | 「大丈夫だよ。明日は活動無いから」 |
11 | 唯 | 「あの……どういう?」 |
12 | 梢 | 「唯、昨日私に訊いたじゃない。落ち着いて勉強できる場所ないかって」 |
13 | 唯 | 「う、うん……訊いたけど」 |
14 | 梢 | 「それで、都合良く、うちの部室が空いてたから使ってもいいよって話」 |
15 | 和真 | 「笹山が良ければ使わせてもらおうと思うんだけど、どうかな?」 |
16 | 唯 | 「えっと……いいんですけど……」 |
17 | 和真 | 「ん?」 |
18 | 唯 | 「なんで……かなって」 |
19 | 梢 | 「ああ、なんで唯と西沢君が二人っきりで勉強できる場所探してるの知ってるのかって?」 |
20 | 唯 | 「で、でもあれは場所を訊いただけだよ……」 |
21 | 和真 | 「あー……麻田さんに訊かれたから昨日二人で――」 |
22 | 唯 | 「あ、あのね。梢ちゃん、こ、これは……あ、あのね!」 |
23 | 梢 | 「唯、もしかして照れてる?」 |
24 | 唯 | 「え! さ、探してるって言っても西沢くんに頼まれたからで」 |
25 | 和真 | 「え、頼まれたからって……別に――」 |
26 | 守 | 「西沢くん、いい天気だね」 |
27 | 和真 | 「は? なんだよいきなり」 |
28 | 守 | 「笹山さんと西沢君って仲良いよね?」 |
29 | 和真 | 「え、ま、まあな?」 |
30 | 守 | 「あ、ごめんごめん。話の腰折っちゃって」 |
31 | 和真 | 「??」 |
32 | 梢 | 「まあ、そんな恥かしがることないじゃない」 |
33 | 唯 | 「う〜……そうだけどぉ。でも……なんで梢ちゃんに話しちゃうかなぁ」 |
34 | 和真 | 「いや、そんなこと言われてもな……」 |
35 | 梢 | 「西沢君責めちゃ駄目よ。美希がね、昨日の唯見て気づいたの」 |
36 | 唯 | 「美希ちゃんが? ……なんでだろ?」 |
37 | 梢 | 「無駄にするどいのよね、美希は。ま、言われてみればけっこう分かり易かったよ」 |
38 | 唯 | 「あ、そ、そうなの? 隠せてるかなーって思ってたんだけど……」 |
39 | 和真 | 「……なあ、笹山。やめようか?」 |
40 | 唯 | 「え? なんで……」 |
41 | 和真 | 「なんか……笹山も乗り気じゃないし」 |
42 | 唯 | 「あ、あの!」 |
43 | 和真 | 「……笹山、今回はやめとこう」 |
44 | 唯 | 「え、でも……」 |
45 | 梢 | 「そうよ。何もやめることは無いって」 |
46 | 和真 | 「いや、やっぱりやめとくよ。悪いな、日野」 |
47 | 守 | 「……それ、本当に悪いよ」 |
48 | 和真 | 「そっか。今度埋め合わせする」 |
49 | 守 | 「いや、僕はいいんだよ。そこは気にしないで」 |
50 | 唯 | 「あ、あの……西沢くん?」 |
51 | 和真 | 「……」 |
52 | 梢 | 「ほ、ほら……じゃあ唯ももう帰ったら? 一緒の方向でしょ」 |
53 | 唯 | 「う、うん。そうだけど」 |
54 | 和真 | 「帰らないの?」 |
55 | 唯 | 「い、いえ、帰ります。ちょっと待ってください」 |
56 | 和真 | 「そ。先行ってるよ」 |
57 | 唯 | 「あ……」 |
58 | 梢 | 「ほらほら、早くしな」 |
59 | 守 | 「きっと待っててくれてるよ。でも、急いだ方がいいよ」 |
60 | 唯 | 「はい。じゃ、じゃあ……梢ちゃんばいばいっ。日野くんも」 |
61 | 梢 | 「またねー」 |
62 | 守 | 「じゃあね」 |
63 | 梢 | 「あーあ……」 |
64 | 守 | 「あーあ……」 |
65 | 梢 | 「これは……困ったね」 |
66 | 守 | 「いやな予感はしてたんだよねぇ……」 |
67 | 梢 | 「まあ、いつの間にかばれてたら唯の反応も当然だし」 |
68 | 守 | 「津久井君ならこの状況を面白がるんだろうねぇ」 |
69 | 梢 | 「それは、かなり羨ましい話ね。あたしには無理だわ」 |
70 | 守 | 「僕も。で、どうしようか? 何か罪悪感が残るんだよね」 |
71 | 梢 | 「そうね。今回はあたしが引っ掻き回しちゃったって感じだし」 |
72 | 守 | 「じゃあ、なんとかしてあげようか」 |
73 | 梢 | 「そうねっ。ってどうするの?」 |
74 | 守 | 「この前と同じ手は通用しないだろうしねえ」 |
75 | 梢 | 「さて、どうしたもんかしらねえ」 |
76 | 唯 | 「あ、あの! 西沢くん」 |
77 | 和真 | 「ん……俺はもう靴履き替えたから」 |
78 | 唯 | 「ありがとう……待っててくれて(ぼそ)」 |
79 | 和真 | 「なに?」 |
80 | 唯 | 「えと、一緒に帰りましょう」 |
81 | 和真 | 「ふう……そうだね」 |
82 | 唯 | 「はい! あ、あの……怒ってますか?」 |
83 | 和真 | 「……」 |
84 | 唯 | 「……」 |
85 | 和真 | 「……行くよ」 |
86 | 唯 | 「あ……はい……」 |
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