声劇用台本/流れる季節の中で流れる季節の中で第四話 『お互いのこと』

西沢 和真  無気力系の男の子。根暗なわけじゃありません。  15歳
笹山 唯 おとなしい子。感情がすぐ表に出る。慌てやすい。  15歳
笹山ササヤマ レイ ユイアネ活発カッパツ強気ツヨキ性格セイカク。さっぱりしている。    19歳

1 和真カズマ「じゃあ、またなー」
2    ユイ「ばいばい、みんな」
3 和真カズマ「ふう……カエろうか? 方向ホウコウ一緒イッショだよな」
4   唯「はい。あっちの オカホウです」
5 和真カズマ「うん、オレもそっち。」
6    ユイ「じゃあ、一緒イッショカエりませんか?」
7 和真カズマ「え? なんでわざわざそんなことうの?」
8    ユイ「あ……だめですか? ナニ用事ヨウジとか?」
9 和真カズマ「そうなじゃくて、一緒イッショカエるのはたりマエじゃないの?」
10    ユイ「あ、そっか。かったです。えへへ」
11 和真カズマ「それに――」
12    ユイ「はい?」
13 和真カズマ友達トモダチ、だろ?」
14    ユイ「はい……友達トモダチですっ」
15 和真カズマ「あはは……」
16    ユイ「ん? どうしたんですか?」
17 和真カズマ「いや、なんでもない。ただ……ハズかしかっただけだよ」
18    ユイ「あはは…………そうわれるとワタシまでハズかしくなっちゃいます」
19 和真カズマ「しかし、やられたなぁ」
20    ユイ「え?」
21 和真カズマ「ほら、二人フタリだけでミセくことになったでしょ」
22    ユイ「ああ――あれはコマりました。って、西沢ニシザワクン二人フタリになったのがイヤなんじゃなくって!」
23 和真カズマ「あははは、かってるって。それくらい」
24    ユイ「……西沢君ニシザワクンイヤでしたか?」
25 和真カズマ「え? チガうって。ただ、突然トツゼンだったからね」
26    ユイ「うん、そうですね。やっぱり緊張キンチョウしました」
27 和真カズマ「かなりアヤしかったから、警戒ケイカイしとけばかったねぇ」
28    ユイ「でも、とってもタノしかったです」
29 和真カズマ「んー……まあ、そうだな。面白オモシロかったし、いいかっ」
30    ユイ「うんうん、そうですよ」
31 和真カズマ「はあ……やっといたな」
32    ユイ「はい、毎日マイニチアルいててもやっぱりコタえますね」
33 和真カズマ「だいたい10フンくらいか? このノボザカ
34   唯「それくらいですね。んー…… アサクダりだから5フンくらいかな」
35 和真カズマ「いや、それはハヤすぎ。毎日マイニチハシってるからじゃない?」
36    ユイ「あ、そっか――そうでした。あはは……」
37 和真カズマ「ふぅ……スコスワりたいんだけど……い?」
38    ユイ「いいですよ。ちょっとヤスみましょうか」
39 和真カズマタシかさ」
40   唯「ん? どうしたんですか?」
41 和真カズマ「……ここでったんだよな」
42    ユイ「そうでしたね。入学式ニュウガクシキなのに一人ヒトリだから、てっきり先輩センパイかとオモいました。」
43 和真カズマオレ一人ヒトリだったからね。まあ、おタガサマだね」
44    ユイ西沢ニシザワくんのご両親リョウシンは……なんで?」
45 和真カズマ「ん? ああ、ベツタイした事情ジジョウじゃないよ。オトウト中学チュウガク入学式ニュウガクシキカブっただけだよ」
46    ユイ「そうですか――」
47 和真カズマ「ん? なんで深刻シンコクカオしてるの?」
48    ユイ「いつもオトウトさんばっかりヤサしくしてもらってるとか……」
49 和真カズマ「え? ああ、あはは。チガチガう。っまあ、タシかにオトウト可愛カワイがられてるけどな」
50    ユイ「なら、かったです。安心アンシンしました」
51 和真カズマ「そんなに心配シンパイしなくていいよ。それより笹山ササヤマホウになるよ」
52    ユイ「わたしもタイしたことないですよ? るのは無理ムリだったけど
    おイワ いはいっぱいしてくれましたし」
 
53 和真カズマ「へえ、ナカいんだな」
54    ユイ「はい、とっても仲良ナカヨしですよ……あれ? かります?」
55 和真カズマコエとかカオでね。まぁ……タノしそうっていうのかな」
56    ユイ「それなら、西沢ニシザワくんだってそうですよ。カオ安心アンシンしました。
    落ち込んでるのかなって考えたんですよ」
57 和真カズマ「あはは、そっか」
58    ユイワタシイエ料理屋リョウリヤさんなんです」
59 和真カズマ料理屋リョウリヤ?」
60    ユイ「ええと、ラーメンとかチャーハンとか」
61 和真カズマ「ああ、中華チュウカ料理屋リョウリヤね」
62    ユイ「だから、おイワいはウレしかったけど、モノアブラっぽいものがオオくて……」
63 和真カズマ「それは胸焼ムネヤけするね」
64    ユイ「それもなんですけど……ツギ体重計タイジュウケイれませんでした」
65 和真カズマ「はは……あっはっは。そんなことわなくていいよ」
66    ユイ「あ、あ、はい。ってみてから自分ジブンでもそうオモいましたっ」
67 和真カズマカオだよ」
68    ユイ「あー、もう、わないでクダさい」
69 和真カズマうなとわれてもねぇ……でも、なんでそんなハナシを?」
70    ユイ「あれ? なんででしょう?」
71 和真カズマかんないんだ?」
72    ユイ「きっと、う、うれしかった……からですよ」
73 和真カズマ「ん……そ、そっか。ありがとう、でいいのか?」
74    ユイ「た、たぶん」
75 レイ「おーい! ユイー! もうれるよー!」
76    ユイ「あ、おネエちゃん」
77 レイオソいから心配シンパイしてきちゃったよ。怪我ケガしてない?」
78   唯「ん、うん。 怪我ケガなんてしてないよ」
79 レイ「だって、あんたとろいから。このマエもひざりむいてカエってきたじゃない」
80    ユイ「そ、それは……そのぉ。クダザカだから」
81 レイ「あんた、毎回マイカイオナ言い訳イイワケしてるけどさぁ」
82    ユイ「わ、かってるよぉ。みんなクダザカくらいじゃこけないんでしょぉ」
83 レイかってるなら言い訳イイワケしないの。まったく……ん?」
84 和真カズマ「ん? あ、っと、こんにちは」
85 レイ「うんうん、こんにちは。ユイ友達トモダチ?」
86 和真カズマ「はい……一応イチオウ
87 レイ一応イチオウってのはなによ一応イチオウってのはっ。チガうならはっきりえばいいのに」  
88    ユイ本当ホントウ友達トモダチだよ。さっきなってくれたの」
89 レイ「さっき……? ユイ、ナンパされたの?」
90    ユイ「えぇ!? ナニってるのおネエちゃん!」
91 レイ「だって、だってよ。年頃トシゴロ高校生コウコウセイのカップルがいるなとオモったらユイだったんだもの。
    びっくりしたわよ。まさか唯に彼氏が出来るわけもないし、ナンパって思うのが当然でしょ?」
92    ユイ「そこまでうことないでしょぉ……」
93 レイ「ああ、ごめんごめん。つい本音ホンネが。 んで、どうなの?」
94    ユイ本当ホントウ友達トモダチだってってるのに……」
95 レイ「そうなの?」
96 和真カズマ友達トモダチですよ」
97 レイ「そっか、ウタグってごめんなさい。ユルしてください」
98 和真カズマ「いや、にしないでクダさい」
99 レイ「ありがとうね。あ、名前ナマエオシえてもらえないしから?」
100    ユイ「えと、西沢ニシザワくんです」
101 レイ西沢ニシザワくん……ね。あたしはユイアネレイです。よろしくね、西沢ニシザワくん」
102 和真カズマ「ど、どうも、よろしく」
103    ユイ「ねえ、おネエちゃん西沢ニシザワくんコマってるよっ」
104 レイ「そみたいね。でもー、ユイ、あんたなんで苗字ミョウジんでるのよ?」
105    ユイ「え?」
106 レイ友達トモダチなんだから名前ナマエぶもんでしょ? 失礼シツレイじゃないの」
107 和真カズマ「いや、そんなコトないですよ?」
108 レイ「そういや西沢ニシザワくんもユイコト名前ナマエばないの?」
109 和真カズマ「え? まあ、そりゃ」
110 レイ「はぁ……まあ、仕方シカタないか。なんかシャイっぽいもんね」
111 和真カズマ「な、なあ、このヒトクチワルいな(ぼそ)」
112    ユイ「ごめんなさい(ぼそ)」
113 レイ「あー、ワスれてた。ユイ! ハヤカエるよ。ユウハン支度シタクしないと」
114    ユイ「うん、ワタシ手伝テツダうよ」
115 レイ「あ、べてく?」
116 和真カズマ「いえ、遠慮エンリョします。ワルいですし」
117 レイ「むう、そんな優等生ユウトウセイぶることないのに」
118 和真カズマ「ええと……」
119 レイ「いやいや、無理ムリサソうつもりはないよ。をつけてカエりなね」
120 和真カズマ「はい、ありがとうございます」
121    ユイをつけてね」
122 和真カズマ笹山ササヤマこそな。こけるなよ」
123    ユイ「こ、こけませんよ」
124 和真カズマ「だといね。んじゃ、また明日アシタ
125    ユイ「またね、西沢ニシザワくん」
126 レイワルかったね」
127    ユイ「え?」
128 レイワタシなければもっとハナせたでしょ」
129   唯「ううん、 大丈夫ダイジョウブ。おネエちゃんがてくれてウレしかったよ」
130 レイ「いやいや、れるね」
131    ユイ「それに、明日アシタだってたくさんハナせるはずだから――」

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