声劇用台本/流れる季節の中で流れる季節の中で第五話 『せっかくだから』

西沢 和真♂  無気力系の男の子。根暗なわけじゃありません。
津久井 祐次♂ 能天気で明るい男の子。良い奴だけど、どこか抜けてる。
日野 守♂♀  一見おとなしくて優しそ、な雰囲気。だけど、言う事はきつい。
            自分が頭良いと思っている節がある。
笹山 唯♀ おとなしい子。感情がすぐ表に出る。慌てやすい。

1 祐次ユウジ「もう5ガツかぁ」
2 和真カズマ「そうだなぁ」
3    マモル「のんきだねえ。二人フタリとも」
4 祐次ユウジ「なんだよ?」
5    マモル来週ライシュウには中間チュウカンテストだよ。津久井ツクイくん、ほとんどノートっていでしょ」
6 祐次ユウジ「んなことないぞ? ほら」
7    マモル「……マルチノート? ただ全教科ゼンキョウカヒトつのノートにしてるだけじゃん……」
8 祐次ユウジワスれにくくて便利ベンリだぞ? カバンカルくなるし」
9    マモル「そもそもノートなんてってカエらないくせに」
10 祐次ユウジ「おマエコマかいなぁ」
11    マモル津久井ツクイくんが大雑把オオザッパすぎるだけだよ」
12 和真カズマ「だから、ケンカしてるようにえるって」
13    マモル「してないよ。大丈夫ダイジョウブ。」
14 祐次ユウジ「そうそう。オレがイジメられてるだけ」
15 和真カズマ「ならいいけど……と、くないだろ」
16 祐次ユウジ西沢ニシザワまでコマかいことうなよなぁ。テキトーでいいじゃん」
17 和真カズマ「ああ、うん……けど、日野ヒノコマかいよ。ノートくらいいだろ」
18    マモル「そうだけどさ……津久井ツクイくんは、中学チュウガクトキからテストのタビボクのノート使ツカうんだよね」
19 祐次ユウジ「おう、いつもタスかってるぞ」
20    マモル「いつも直前チョクゼンになってコピーするにもなってよ……」
21 和真カズマ「コピーモラってるのか? それ、自分ジブンでコピーすればいいだろ?」
22    マモルボクもそうオモってノートワタしたんだけどね。結局ケッキョク自分ジブンじゃコピーしないんだよ」
23 祐次ユウジ「あの時期ジキ図書館トショカンのコピーむだろ。くのってたらテストオワっててよ。まいったよ」
24    マモル「あのね、まいったのはボクだよ。ノートカエしてきたのテストオワってからだったじゃん」
25 祐次ユウジ「わりぃわりぃ。でも、おマエならノートくても平気ヘイキだろ?」
26    マモル不便フベンなんだよ」
27 和真カズマ「なあ、日野ヒノ……」
28    マモル「なに?」
29 和真カズマ今度コンドオレにもノートしてくれないか?」
30    マモル「……ノートとってないの?」
31 和真カズマ「ほとんど……ああ、津久井ツクイブンもコピーするから」
32    マモル「んー……いいよ。西沢ニシザワくんならちゃんとやりそうだから」
33 祐次ユウジ「もう、テストのハナシはやめようぜ。まだ一ヶ月イッカゲツくらいあるだろ」
34    マモル「……連休レンキュウけたらすぐだよ。さっきったよ」
35 祐次ユウジ「おー、わりぃ。ワスれてた」
36    マモル最初サイショからオボえるないんでしょ」
37 祐次ユウジ「んなことないぞ。今度コンドオボえたぞ」
38    マモル「そんなことでムネらないでいいから……」
39 祐次ユウジ今度コンド西沢ニシザワがノートコピーしてくれる。ってハナシだろ?」
40    マモル「はいはい。そうだね」
41 和真カズマ「え、ええと、日野ヒノ今日キョウしてくれるか?」
42    マモル「いいよ。今日キョウってるのだけでいい? ノコりは明日アシタってくるよ」
43 和真カズマ十分ジュウブン。ありがとな」
44 和真カズマ「あー、出遅デオクれたな。授業ジュギョウ20フンびるとはな」
45 祐次ユウジナガかったよなぁ。最後サイゴきてちまったよ」
46 和真カズマ「いや、おマエ大半タイハンてたろ」
47    マモル「はい、ノート。今日キョウブンいてあるから」
48 和真カズマ「あー、ワルいな。タスかる。最後サイゴ試験シケン範囲ハンイってたけど時計トケイばっかてて」
49   守「どうせコピーするんだから くこともないでしょ」
50 和真カズマ「まあな。でも、タヨってワルがしちゃって」
51    マモル「いいって。ハヤったホウがいいよ。まあ……もうオソいかもしれないけどね」
52 和真カズマ「ああ、ってくる」
53 祐次ユウジ頑張ガンバってこいよー」
54 和真カズマ「おマエいって……」
55 和真カズマ結局ケッキョクないでやんの。
56     トイレ くってって、カバンって階段カイダンりるやつは普通フツウないよな」
57 和真カズマ「さて、コピーは……ああ、あったあった……って、なんだよあの行列ギョウレツ
58    ユイ「あ、あの……ええと――」
59 和真カズマ「あ、笹山ササヤマ……」
60    ユイ「どうしよぅ……ここでいいのかな」
61 和真カズマ笹山ササヤマ
62   唯「あっ! ごめんなさい。 邪魔ジャマでしたか? って、あれ?」
63 和真カズマ大丈夫ダイジョウブ?」
64    ユイ「あ、西沢ニシザワクン……あ、あの、コズエちゃんからノートしてもらってコピーしようとオモったんだけど」
65 和真カズマ「そこ、しのレツだよ」
66    ユイ「どこにコピーあるのかからなくてコマってたんです」
67 和真カズマ「……だから、そこはしのレツ
68    ユイ「え? し?」
69 和真カズマ「うん、コピーはあっち。って……うあ、さっきよりヒトえてるし」
70    ユイ「ぅーん、あれ、どれくらいちますか?」
71 和真カズマ「いや、オレかんないよ。まあ、30フンたないといけなそうだね」
72    ユイ「うー、コマりました。ハヤくコピーできるとこりませんか?」
73 和真カズマワルいけど、ってたらここてないよ」
74    ユイ「ですよねぇ……」
75 和真カズマナニヨウでもあるの?」
76    ユイ「はい。今日キョウはおネエちゃんがバイトだから食事ショクジ当番トウバンワタシなんです」
77 和真カズマ「そっか。ってミセのもんべればいいんじゃないの?」
78    ユイ「んー……ラーメンばっかりえるか、っておトウさんがうので」
79 和真カズマ「なんだか不条理フジョウリヒトだな。気持キモちはかるが」
80    ユイワタシもラーメンあんまりきじゃないですし……」
81 和真カズマ「そ、そっか……じゃあ、明日アシタにやれば?」
82    ユイ「でも、それはコズエちゃんにワルいから……」
83 和真カズマ「はぁ……仕方シカタないな。やっておこうか? ければ、だけど」
84    ユイ「でも、ワルいです」
85 和真カズマ「そうはっても二人フタリナラんでてもなぁ」
86    ユイ有難アリガタいですけど、迷惑メイワクはかけられませんから」
87 和真カズマ「んんー……笹山ササヤマ英語エイゴ得意トクイ?」
88    ユイ「え? えと、そんな得意トクイじゃないです」
89 和真カズマ「じゃあ、苦手ニガテ?」
90    ユイ「えと、苦手ニガテでもないです」
91 和真カズマ「よし、じゃあ今度コンド英語エイゴオシえてよ」
92    ユイ「わたしでければいですけど……?」
93 和真カズマ「うん、じゃあそれで。交換コウカン条件ジョウケン
94    ユイ「あの、どういう?」
95 和真カズマ「そのわりコピーってくるから。ほら」
96    ユイ「あ、はいっ……でも、いいんですか?」
97 和真カズマ「うん。あ、ナニかまずい?」
98    ユイ「いえ! そんなことないです。でも、わたし英語エイゴ、だいたい70テンくらいですよ?」
99 和真カズマ「あははは、そんだけありゃ十分ジュウブンだよ」
100    ユイ「でも、でも……」
101 和真カズマ「いいから、ハヤカエりなよ。時間ジカンいんでしょ?」
102    ユイ「……はい。では、ありがとうございます」
103 和真カズマ「うん、っておい、ハシるなよー……あ、図書トショ委員イインオコられてる」

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