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2008.12.28
・今年を振り返って
今年の初めに思い立って川柳のホームページを立ち上げた。
最新の公募川柳の情報をを提供しているサイトを探して
いたが見つからず、それなら自分で作ろうというのが動機
であった。生意気なことを言うようであるが、本当に情報
を欲しい人が自身の努力でたどりついいていただけること
を目指しているのでサイトの宣伝、リンクは基本的にはし
ていない。先日もマイナーな公募川柳の主催者からリンク
の申し出があったがお断りをした。このような状況で本当
にサイトを見ていただけるのかという不安はあったが、開
設5-6ヶ月後から次第にサイトのヒット数が増え始めた。
今ではグラフに示すように1日に200弱のヒット数となり
先週で3万ヒットという当初思ってもいない結果となった。
またこの1年でご紹介した公募川柳(常時募集除く)は
合計175件となり2日に1件という頻度であった。来年は
この数がどうなるかが心配な状況ではあるが、今年と同様
に新鮮な品質の高い情報を提供するつもりである。この
こだわりが息切れをしてただのサイトにならないように一
層の皆さんの応援、励ましをよろしくお願いします。
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2008.12.21
・公募川柳と景気
景気の悪化とともに企業の財布の引き締めが始まっている。
費用削減で最初やり玉に挙がるのは費用の3Kと言われる
広告費、交際費、交通費である。ホンダのF1からの撤退、
西武のホッケー部の解散などファンから見れば残念なニュ
ースが伝えられている。公募川柳も主催の大部分は企業で
あり費用は広告費から出ていると思われる。先週の新規
公募川柳は一つであり、ぼちぼち景気の影響が出てこない
か危惧している。逆に景気が悪い時だからこそ世の中を明
るく笑い飛ばそうという企業が現れることを期待している。
2008.12.14
・著作権について(その四)
半年以上前に著作権について調べた時には、応募句すべて
の著作権が主催者に移動する比率(A)は45%(18/40)、
著作権に関して無記述のサイト比率(B)は40%(16/40)、
入選句のみ著作権が移動する比率(C)は15%(6/40)であっ
た。
今回同じ比率を母数を増やして調べた結果(A)は47%
(63/133)、(B)は33%(44/133)、(C)は14%(19/133)であ
った。また入選をしても著作権は作者にあり、使用権が主催
者側に移るという前回はなかった新しいパターン(D)も5%
(7/133)現れた。無記述が減ったことは著作権への関心が少し
増えたことを表している。また(D)のような新しいかたちが5%
とはいえ増えてくることは歓迎である。ただまだ47%の公募
サイトが応募句すべての著作権を主催者側に移すということで
ある。この点については主催者側には是非再考を促したい。
2008.12.7
・川柳の地域性
前々回は公募川柳のスポンサーの地域性について述べたが
今回は応募者と入賞者について調べた。応募者については
最近届いた花粉症五七五の1万人以上の応募者の県別データ
を使用した。また入賞者については本サイトで発表済みの
公募川柳の中で入賞者の県別が記載されているものを調べ
約500人のデータを使用した。絶対数では比較が困難なので
人口比と比較して検証を行った。その結果が下表であり、
人口比に比べて入賞比、応募比がともに小さい地域は、
九州、近畿、北海道であり、逆にともに大きい地域は、
中国、関東であった。単純にいうと後者の地域が前者よりも
川柳熱が高いことになる。三週前にgoogle trendsで調べ
た時の疑問、川柳検索の一番多い都市が中国地方ということ
が少しは分かったような気がした。
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2008.11.30
・川柳のルーツ
落語のルーツは、1600年代に京都の僧侶安楽庵策伝が書いた
醒睡笑だと言われている。またなぞなぞのルーツも京都にあり
「後奈良院後撰何曾」という1500年代の書物に今でも通用する
あぞなぞが集められている。川柳のルーツを京都に求めて、
ここで一度簡単に紹介した1700年初頭に書かれた「軽口頓作」
という句集をもう少し調べてみた。この句集には2200句が
掲載されている。全句を調べたわけではないがどうも句が洗練
されていない。京都の町人が書いたと言われているがはっきり
言って田舎くさい句が多い。それに比べて江戸時代に生まれた
川柳は句数も圧倒的に多く、洗練されている句も多い。結局
時期的には江戸の川柳よりも少し早い軽口ではあるが川柳ほど
多くの人が楽しんだものでもなく川柳のルーツとは言えないと
思われる。
2008.11.24
・公募川柳の発信地
このサイトで取り上げた公募川柳の中でマネー川柳のような
全国規模のものを除いた主催者の地域特性を調べた。この
主催者には地域自治体や地域に本社のある企業等が含まれて
いる。結果はグラフに示すように近畿地方が一番多く、一方
北海道はゼロという結果であった。前回の川柳雑感の検索数
との相関を調べようとしたが全く逆の結果となった。中国
地方での川柳検索数が多かったが、この地方での主催者は
非常に少なく相関関係はない。主催者の地域特性としては
必ずしも川柳ということではなく単にお祭り好きということ
なのであろうか。
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2008.11.17
・川柳と俳句と短歌
検索エンジンのGoogleが新しいサービス(Trends)を最近
リリースした。このサービスはある項目に対してある期間の
検索数やそれに関連するニュース参照数をグラフで表してく
れる。このサービスを利用して、川柳、短歌、俳句について
2004年から2008年までのデータを取ってみた。結果は下図
にあるように、ピークを除けば検索数、関連ニュース数共に
一番多いのが俳句であり川柳と短歌が同程度である。これは
いつか雑感で述べたそれぞれの人口に対応している。ただ川
柳は毎年、1月と5月に検索数の大きいピークがある。毎年恒
例のビッグなサラリーマン川柳やマネー川柳の締切や投票時
期と一致しているからだろうか。この点についてはもう少し
調べることにする。
またどの都市が検索数が多かったかも表示され、これによる
と俳句のトップ3は松山、岡山、京都、短歌は京都、長野、
神戸、そして川柳は岡山、広島、新潟となっている。俳句と
短歌については分かるような気がするが、川柳についてはな
ぜ中国地方という疑問は残る。この点についても調べてみる
つもりである。
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2008.11.9
・公募川柳の賞金と応募句数
今年の1月にこのサイトを立ち上げて10ヶ月が経った。
現在では発表済み80、発表待ち30、募集中30になって
いる。ここでカバーしただけでも約2日に一つの公募が
行われているという盛況ぶりである。昨年の同時期のデー
タがないので毎年増えているのかどうかは分からないが、
多分増えているように思える。マスコミに取り上げられて
いる公募川柳では応募句数が10万を越えているものもある。
1万句を越える応募がある公募川柳は今年はすでに12もあ
った。賞金はヒラキ靴短冊の100万円をトップに10万円を
越える公募川柳は17もあった。また来年の1月に締切のマ
ネー川柳は今年は50万円に増えている。賞金と応募句数の
相関があるかどうかを調べてみた。縦軸が賞金、横軸が応
募句数であるが、基本的には相関があり賞金が多いほど応
募句数が多いと言える。しかし100万円の賞金の応募数が
6500句とケースもあり、公募川柳の知名度が一つのポイ
ントとも言える。このようなデータを遊びで取ってみたが、
私自身は決して賞金目当てで句を作っているわけではない
ということを釈明しておく。
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2008.11.2
・生涯作品数
川柳作家の生涯作品数を調べたが、過去の六大作家と呼ば
れる人たちの作品数が見当たらない。川柳作家では唯一
時実新子さんだけが、98年までの全句集とその後の推測で
約1万5千句と分かった。一方俳人、歌人はデータがあり、
松尾芭蕉:約1000句、与謝蕪村:2800句、小林一茶:約
2万句、高浜虚子:約20万句、正岡子規:約1万8千句、
与謝野晶子:2万2千首、石川啄木:4千首らしい。川柳の
データが少ない(もしくはあっても見つかりにくい?)の
はやはりマイノリティの証拠かもしれない。
また多作としては井原西鶴の信じられない記録が残ってい
る。一昼夜で2万3500句を詠む多数吟の最高記録を打ち立
てている。ピカソも製作数14万7千点と言われるほど多作
である。苦もなくできる先天的に才能のある人は仕事も人
よりも圧倒的に早く質も高い。凡人の我々にとっては早い
と駄作が多くなる。川柳を始めた頃に読んだ本にはまず多
く作れとあったので1句/日以上のペースでここまで来たが
駄作が多い。生涯1万句を目指しはしているが、そのため
にはまず長生きをすることが重要だと分かった次第である。
2008.10.26
・公募川柳の選者
公募川柳の選者は、主催者のスタッフ、川柳作家、落語家、
コピーライター、その他であるが調べてみると主催者の
スタッフが圧倒的に多く7割に近い。その次に川柳作家が
来るが3割弱にすぎない。また読者の投票方式も一部では
あるがこれの足切りもスタッフが行っているのが大半であ
る。理由はいろいろあるが基本的には川柳作家と呼ばれる
人が少ないのが一番の理由だろう。もちろん主催者のスタ
ッフの中には川柳の素養のある人も多いと思われるが入選
作品を見れば大体レベルが分かる。もう20回以上を越え
るサラリーマン川柳は投票方式が売り物にすらなっている
ため今さら審査方法を変えろというつもりはないが、今後
生まれる新しい公募川柳の選者は川柳作家になって欲しい。
そのためにも川柳の層が広がり川柳作家がもっと多く生ま
れて欲しいものだ。
今週の一句についてはこれまでは基本的には公募川柳の
入選作品は掲載していなかった。ということは自分以外の
人に評価されていないものであった。このような句を掲載
するよりは何らかの形で評価されたものを紹介したほうが
良いと思い今回からは過去の入賞句(ノミネートも含む)
を掲載する。厳密に言えば著作権の問題が絡んでくるが
そこは作者が作者のHPで紹介するということで目をつぶ
ってもらいたい。
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