こういう訳で・・・<コンセプト>
ぷろろ〜ぐ
この地方りでは、山葵の葉や茎のことを「せんな」といいます。
それは、とても痛烈な辛さと、誉れ高い香りのある春の山菜です。
「鮮菜」「仙菜」「泉菜」「川菜」「千菜」「煎菜」「浅菜」・・・。「せんな」がどんな意味をもっているかは、分かりません。
浅川村のおばんざい「せんな」は、新鮮な菜っ葉を使って皆様に召し上がっていただきたい、という意味を持たせました。この時期にこの地域で出来るものは何なのか、本来の作物の姿をもっと身近に感じとっていただきたい・・・。そんな思いから、今からあれこれと密かに企てていこう思っています。
そして何よりも山葵の「せんな」は、春しか食べないけれど、とても美味しくて大好物なのです。
そういうわけで、此処を「せんな」と呼ぶことにしました。
2006.11.14 店主
第二章
昔、このあたりでは用水にシジミが住んでいました。少し前までは蛍が群生していることで有名でした。開発が進むことが悪い訳ではないと思いますが失うこともあり、少し淋しくも感じます。何とかこういうもの達と共存できないものでしょうか。
かつて農業王国だった我国の自給率は四割程度になっているそうで、六割は輸入に頼っています。もし他国が日本への輸出を拒んだら・・・。他国が懸念するほどの赤字国家にとって有り得ない話ではありません。
「モッタイナイ」が万国共通語になってきているのに「モッタイナイ」を作った国が食べ物のゴミの山を作っています。曲ったキュウリは駄目、虫食いの穴がある野菜はきたないと、どんどん捨てられていきます。いつの頃からこの国民はこんな風になったのでしょうか。「モッタイナイ」精神ができてきたら、いつの日か食糧の輸入も減り、シジミや蛍たちとも共存できる気がします。
ここでは、畑で出来た虫食い野菜などをそのまま使うようにしています。ケチではなくて・・ああ勿体ないモッタイナイ!!
2008.10.14 店主
第一章
昔、このあたりは河北郡浅川村字上田上という地名でした。
この地名についてよく知らなかったのですが、先日来店いただきましたお客様から、昭和32年の市町村合併で金沢市に統合されたことを聞かされました。
いずれこの地域は「田上本町」から「朝霧台」という町名に変わっていくのでしょうが、それとともに「浅川」という地名も更に薄れていくのだろうと思います。少々淋しい気がします。
「浅川」という地名で育ったわけではありませんが、金沢にある二つの流れの内一つ「浅野川」からの「浅川」という言葉が何となく好きです。
「おばんざい」は京都でおかずを意味しています。でもここは京都ではなく旧浅川村で、そこで採れた野菜を使うから「浅川村のおばんざい」として「浅川」という名称を残しました。
−−無理して「おばんざい」という言葉を入れなくてもよいではないか−−といわれそうでもありますが・・・。
2007.05.12 店主
第三章
「食育」なるものが平成17年に法律化されました。食べることまで教育が必要なのかと思いましたが、「漬物は温めて食べるもの」など、時代の変化によって驚くべき認識になりつつあるようです。
先頃、同様の歌詞をしみじみと振り返る機会がありました。夕焼け小焼けの赤とんぼ・・・。そう言えば「赤とんぼ」を見ることもなくなった気がする。当たり前だった風景、・・・道徳、・・・食事、お籠に摘んだは・・・マボロシ・・・・か。
先日、小さいお子様に「肘をついて食事をしちゃダメ」と叱っている若いお母さんがいらっしゃいました。昔は当たり前の風景だったのに、清々しい気持ちになりました。栄養のバランスも大事ですが、このような食事を摂る姿勢も、もっと大切なことだと思います。
職域とは、昔のあたり前をあたり前にすることではないでしょうか。・・・あたり前のことをあたり前にすることが、何故だか難しい時代ですが。
2010.08.23 店主
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第四章
農家で育ち、それなりに農業のことを知っているつもりでした。この店を開き、改めてふぁ〜ま〜CHYOKOの手伝いで畑仕事に関わり、何も分からないことに愕然とし農業の難しさを感じたことで、日本の自給率を上げることが如何に難題であるかをも実感しました。
欧米化が進み生活は豊かになりましたが、農地が減り街並みはよく見るチェーン店の看板ばかりでどこも同じ風景に変わり、「日本らしさ」が減ってきています。
江戸時代に「寺小屋」がありましたが、この時代に庶民にまで教育している国はなく、日本人は本来優秀な民族だという話を本で読みました。長年培ったものはDNAに刻み込まれ、失われていないはずだと思います。自信を失いがちな今だからこそ、もう一度「日本らしさ」を取り戻し、もっと誇りを持っていきたいものです。また、学校給食を米飯に変えたら生活態度が良くなり、成績がアップしたと聞きました。食も「日本らしさ」を意識して見直していけば良いのでは、と強く思います。
当店も誇りがあります。残念ですが腕前ではなく、畑で採れる「素材」なのですが・・・。
2012.12.12 店主
Season2 プロローグ
ある方が言っていました。一個のおにぎりを一個しかないと言うより、その一個に感謝していただくということだそうです。
豊かになったことは悪いことではないのですが、時々大切なことを忘れてしまいます。ちょっと考え方を変えただけで、「おいしく」を「美味しく」に変えることが出来るのです。
2014.09.09 店主
初めての店を朝霧台(旧田上本町)で開きました。朝霧台は、市町村合併以前、河北郡浅川村という地名でした。「浅川村」という名を残すために「おばんざい」と一緒にし、店名の前に付けました。そして、近郊のわずかな地面で作った野菜を利用し、季節を感じていただけるように務めました。
お陰さまで色々な人とのご縁により、この場所で再開することが出来ました。以前にも増して、旬の野菜を活かし季節を感じていただける様、またワクワクしながらご来店いただける様、かなり無理して知恵を出していこうと思います。
あまり期待し過ぎていただくと困りますが・・・。
2013.05.11 店主
Season2 第一章
おいしいものを求めるよりも「美味しく」いただきたい
山葵の葉っぱ「せんな」