自衛官は、自衛隊の中にある自動車教習所で大型免許取得の実技と学科の訓練を受けます。73式大型トラック教習車は、 自衛隊で大型免許を取るときの教習車両です。今回作成した教習車は、御殿場市滝ヶ原駐屯地内にある、富士教導団 教育隊(富士学校自動車教習所)の車両をモデルにしました。平日、御殿場市内を車で走ると、この教習車を見かけること があります。
普通の大型トラックとの違いは、運転席と、助手席の両方にハンドルがあること。(運転席には学生、助手席には 教習指導員が乗りますが、運転席にしかハンドルがない場合、学生と指導員の間隔が広いので危険回避のために指導員 がハンドルを取ることができないからでしょう。) サイドミラーの数が通常の大型トラックより多い。(教習指導員 の視角を確保するため。) 教習車の後部に、通常の大型トラックには無いリアバンパーがある。 教習車両を示す プレートが付いている。 などです。
キットはアオシマ製の1/72 を使用しています。素晴らしくよく出来ているキットで、いろいろな派生型ができそうなので 数台購入しました。(作れるかどうかは別にして!) 写真は、運転席まわりとシャーシです。運転席はキットのパーツでハンドル部分を、助手席にも自作でハンドル基部を取り 付けてあります。また、運転席と助手席の間に簡易的な座席が設けられており、フロントウィンドウからよく見えますので、 作成しておきました。それ以外の部品はほとんど見えないようなのでキットの部品以外は省略してあります。
シャーシの後側、通常のバンパーと牽引フックの下あたりに、リアバンパーをプラバンで作成して取り付けました。
73式大型トラックのヘッドランプが丸いタイプは、エアクリーナーが左側についています。教習車も左側に付いているので、 キットのエアクリーナー部分を切り離し、反対側に付け直しました。エアクリーナーの内側には、タンクが見えるのですが、 詳細な形がわかる写真が見つからなかったので、不正確な形ですが自作してみました。
右フロントアクスル付近にプラ棒を貼り付けていますが、実車にはここにシリンダー状のものが取り付けられていたので再 現してみました。
運転席のドア付近や後側には、取っ手がありますが、真鍮線でディティールアップしました。この他、チルトアップするための レバーとか張り出しの板があったりしますので、写真を元にちまちま取り付けると精密感がアップします。
幌部品は左右張り合わせのため、真ん中に目立つ接合部分ができます。パテ盛りして削り、できるだけ目立たないようにしま した。また、運転席後ろや幌にある窓は、ビニール製の窓がついています。これを再現するため、DMなどで送られてきた郵便封筒 の宛先部分に貼ってあるパラフィン紙を切り出して貼り付けました。実車の窓でも透明なものは見かけず、半透明のもののように 見えるので、結構雰囲気が出ると思います。
教習車に付いているプレートや、部隊名、ナンバープレートは、自作デカールで対応しました。大きめな黄色いプレートには 「操縦訓練」、小さめな白いプレートには「仮免許教習中」、バンパーの部隊名は「富団ー教」と書かれています。 写真は、白色のミラクルデカールにインクジェットプリンタで印刷したものです。黄色の「操縦訓練」はすでに貼っています。 滲みが出たりするので、多めに印刷して、程度の良いものを使用しました。
切り離してプラバンに貼り付け、プレートを作りますが、部隊名は周囲を黒で塗りつぶしたものを印刷し、バンパーに貼り 付けます。デカールが白のため切り出した縁が目立つので、黒塗料でタッチアップして目立たなくしました。