15 クイズ番組感想集
「近況報告」でちょくちょくクイズ番組の感想を述べてきた。それらを残しておくため、この項を作った。
2003年
6月8日(日)
- 2か月くらいぶりに見ると手練れ大会だったアタック25。かつて「アタック25体験記」にも書いたが、手練れ大会では早とちり(とスタッフは言う)が多いから、果たして時間切れとなった。しかもパネル4枚も残して。名数問題や対比系の前フリ問題での押しが、かなり早くなってしまっている。「小野市(兵庫県)」から「小野田市(山口県)」「大野市(福井県)」どちらにふるかは5分5分(中野市(長野県)にふれないこともないが)。なのに「小野市があるのは兵庫県」だけで押すのは、いささか理解に苦しむ。もはやあそこまで行くと「先読みをしている」という感じがしない。ただの当てずっぽうにも見える。手練れ同士、という緊張感がそうさせるのかもしれない。
- なお、「大野市」からは「小野市」「中野市」以外に「大野城市」がある。アタックで出たこともあったように記憶している。市の名前の問題は、水谷さんがものすごくおくわしい。
- で、はたから見ていれば「なぜ?」という誤答も多かった。「クーパーズタウン」が思い出せなかったり、「ジーンズの語源」を「ニーム」と答えたり(ま、出題する方も出題する方だが)。こういうのは実際あの場に行ってみないとつい「へぼい間違いやな」と言ってしまいがちだが、こういうこともあるでしょう。と、へぼい間違いをしまくったわたしにはよく分かる。
- 手練れ大会のときに、視聴者を置いていく早押しを誘発するような問題を出題するのはやめてもらいたい、とずっと前から思っている。今日は「19○○年6月8日」で押した解答が2回あった。せめて「何月何日」を問題の途中に入れられないか。というか、「何月何日問題」って出す意味あるか?
- やはり手練れは表情が豊か。いささか不自然な表情も多い、って人のことは言えませんが。
- ただひとつ良いことは、クイズの手練れを別に特別扱いしていないことである。
- 草柳大蔵ってあまり有名でないのだろうか?
2002年
10月25日(金)
- しかし最近出たいと思うクイズ番組がない。「常識の時間」は言うに及ばず、「タイムショック」も出たいと思わないまま終わっていった(わたしが出たという怪情報が流れた、と或る人に聞いたが、嘘です。予選にすら出てません)。唯一出てみたいのは「ミリオネア」だけど、いろいろとめんどくさそうだし。理由をつけなければいけない、というのがうっとうしい。
- 秋元さんのHP「ヌーベルクイジーヌ」では、昨今のクイズ番組について分析しているが、その中に「クイズに常識という要素を入れると駄目になる」という趣旨のことがかかれてある。そういえば福留氏の名言「クイズにモラルはあんまりないけどね」というのも思い出す。わたしはちょっと違った観点から「常識の時間」を分析してみる。古舘系統の番組はクイズに限らず、たいてい「常識」というコンセプトを入れたがる。ところが、「常識」でもない事柄を「常識」として無理に出題していることも、格好あるように思う。「赤っ恥青っ恥」で「御曹司とは元々誰のこと?」とか出題されると、「それ常識か?」と思ってしまう。「FNS」でもそうだったが、何かひとつのコンセプトだけでクイズ番組を作ると、その達成がだんだん厳しくなってしまうようだ。「クイズ常識の時間」でも、だんだん常識っぽくないことが出題されそうな気がする。
- そんな予感がしたのは今回の放送で、90%以上の正解率の問題が出まくったから。事前に正解率のモニタリングをしていないのだろうか。で、難易度を上げると「常識」ではなくなってしまうし。でも低い難易度ではゲームとして成立しないし。このあと、問題作りに偉い苦労を強いられることは間違いない。
- そんな中、鶴くんのページが更新された。テーマは「努力が報われなければいけないのか」。大変優れた論考である。ま、そもそも「努力しなければクイズは楽しめないのか」ということを、もっと疑ってかかる必要はある。
8月30日(金)
- 福留さんの決まり文句は「全国20万人の頂点に立つのは果たして何処の高校か」。ラルフの場合は「全国5万人の高校生の頂点に立つのは」。だいぶスケールが小さくなった。文化系の高校生が減ったと言うことなのかもしれない。「5万人」というのは関東大会の数字という印象が強い。
- 各地方大会、第1問が簡単すぎる。昔出ていたような、半々に分けるような問題を作れないのだろうか。
- 「FNS」でも気になった。「水面下100mは何気圧」という問題。この問題で「11気圧」を答えにする場合、水面が1気圧であるという前提が必要だと思うのだが、そんなこと何で言えるの? 日によって違うじゃん。
- 全国大会1回戦2セット目。川越高校が勝負を掛ける意味は全くない。だってどうせ失格だもの。つーか、その点だけルールに無理があるのよ。後に1問○×クイズをした方が良かったんじゃない?
- じゃんけんはぐずぐずだったのでは?
- 途中から、明らかにベタ問題を焼き直した(というか、そのままのものも多い)問題が増えてきた。問題作成のシステムはよく分からないが、問題作成者の気持ちとしては「ベタの方が採用されやすいんだから、ウルトラの問題集あたりを適当にぱくって来ちゃえ」てなもんであろうか。新しい発想で問題を作ろうとしているのは分かるのだが、同じような発想で(「2回出てくる漢字」とか、「似たもの3択」っぽいものとか、同音異義語に着目する、など)問題を作りまくっている、つまり「引き出しが少ない」。ま、高校生相手だから題材的に制約があるだろうし、しょうがないか。
- ただ、全体的に見れば例年より上手い問題が多いとは思う。文章構成のまずい問題もほとんど無いし。地方大会の問題の質の低さを何とかしてほしいけど。
- 旭川東の女の子はめちゃめちゃクイズ強い。それも嫌な感じの強さではない。これが元でアイドル化したりしたら嫌だけど。なお番組では触れられていないが、旭川東は第11回で準優勝している。高校生クイズはどんなに本命っぽくても、同じ高校が2度優勝することはない、と言うジンクスは今年も守られた格好になる。
8月21日(水)
- タイムショック高校生大会。最後の方しか見なかったが、気になった問題は「徒然草の成立したのは何時代?」という問題。クイズ的には「鎌倉時代」で良いのかもしれないが、国文学的にはいろいろなんやかやと難しい要素をはらむ問題である。基本的に徒然草は、内容から考えて1331年ごろに成立したとされている(土屋の古文講義では「絶対値33」と覚えろ、と書いてあった)が、これは戦後すぐに橘純一という人が示した年代であり、最近では否定的にとらえられていることの方が多い。現在の結論は「1331年をまたいだ十数年以上の書き継ぎによって成立した」。室町時代はたいてい1338年からだとするのが普通だから、一概に「徒然草が書かれたのは鎌倉時代」と言うことはできない。だから、大学入試で問われることもない。
7月25日(木)
- わたしはあまりこういうことは言わないことにしているのだが、あまりにもなので言わせてもらう。東大出たなら「すねに傷持つ」くらい知っていてくれよ。どんどん東大生の教養のなさが暴露されちゃうでしょう。ああいう人ばかりではないことを是非分かってもらいたい。(「ミリオネア」に出た東大出身の解答者に対する感想)
7月23日(火)
- 月曜日の「ウィーケストリンク」は、普通のバラエティー番組でしたね。
- 問題の中で「タイガース」を答えさせる問題の文末が「グループサウンズは何」となっていたが、「グループサウンズ」とは「グループ」のことを言うのだろうか? いまいち分からなかった。
7月16日(火)
- 「ウィーケストリンク」拝見。最後の決戦の問題は、いまいち難易度設定がうまくいっていないのでは?
- 気になった問題。「源氏に対して?」答え「平家」。「平氏」だったら×だったのか?
- いわゆる「限定のための前フリ」が多くなってきた。このことの影響はまたいずれ。
7月8日(月)
- たいへん久しぶりに「ウィーケストリンク」を見た。いつからか知らないが、伊東四朗のかけ声が「Let's
play the weakest link」となっていた。以前は「the」が無かったが、これが本家のものと違うかけ声(というか、文法的にちょっとおかしい)であることは秋元さんから聞いて知っていたのだが(秋元さんは水谷さんに聞いたと言っていた)、ちゃんと直すに至った事情を知りたい。次のうちどれだろう。①イギリスからクレーム、②視聴者のたれ込み、③英語に堪能なタレントが気づいた(石田純一とか)、④その他。そういえば、来週は大家族特集だそうだ。もっと淡々とやって欲しいのに。
6月19日(水)
- ちょっと古いが、タイムショックが終わった。いくら最終回でも、あのルールには無理があったような気がする。同じく2週勝ち抜いた大村さんの賞金と石野さんの賞金が違いすぎるのでは? ま、別にいいけど。
6月16日(日)
- 2か月近くぶりに「アタック25」を見た。今回のような熟年(←死語)大会のとき、スタッフは明らかに問題の難易度調整に手こずっているように思う。中盤、難しい(というか、クイズ関係者にしか分からないような)問題がちょこちょこ出題されたが、その後易しい問題でテンポアップしていた。ひとりが圧勝してしまうことが多いのも熟年大会の特徴ですね。
6月10日(月)早朝
- 今日の新聞で「タイムショック21」の欄を見たら「美人クイズ女王」とあった。誰のことを言っているかだいたい想像はつくが、その人と違う人が来たらおもしろいかも。ま、テレビに出る素人を「美人」とみだりに呼ぶことはやめた方がいいと思う。そのように呼ぶことで、逆に視聴者のいらぬ反感をあおってないか? その人が「美人だ」「いや、美人じゃない」とか、その辺で無益な論争が繰り広げられることも多いようだし。それは「クイズ王は誰が最強か」よりさらに不毛だ。
6月10日夜
- で、タイムショックを見た。
- 気になる問題(というか不適切な問題)が1問。「有理数と無理数。分数はどっち?」。例えば2分のルート2とか、6分のπ2とかは分数でも無理数。この程度の不適切さは誰かチェックしなさい。
- もう1問。「ポパイの奥さん」に「オリーブ=オイル」という答えのテロップが出ていたが、結婚に当たって名字は変わらなかったのだろうか? つーか、ポパイの名字ってあるのか?
- 最近、クイズ番組について「問題のカットはすべきではない」という主張がよく聞かれる。が、わたしは別にかまわないと思っている。クイズ番組は「クイズ問題そのもの」を放送するためにあるのではないから。その場の緊張感をあおるためのルール(参加人数やラウンド数など)が、放送に収まりきらない規模のものであるならば、編集は致し方ないでしょう。
5月27日(月)
- 「プロジェクトQ」という番組に応募したら、今日予選会のお知らせハガキが届いていた。予選は6月2日(日)の午後1:30~。筆記を通過したら全部で4時間くらいかかる予選会だそうで、とてもではないが秋田からは行けない。しかも6月2日って、いくら何でも急すぎる。もう少し日程は何とかならなかったのか。つーことで、不参加決定。
- 「タイムショック」を見たら、未だに出場者を募集していた。「5週勝ち抜いて云々」と言っていたが、あと5週間くらいしか放送しないだろ。来週も応募するかしら? しっかし、パーフェクトとったんだったらもう少し盛り上がればいいと思うんだけど。ま、もう終わる番組だからいいんだけど。
5月13日(月)
- 「ウィーケストリンク」を5月13日に初めて見た。ものすごく面白かった。わたしにはミリオネアより遙かに面白かった。少々考えたことを書く。
- 秋元雅史さんがブリティッシュスタイルクイズを作って我々に披露してくださることが結構あるのだが、そこで出題されそうな問題ばかりだったのでびっくりした。秋元さんのクイズをまねしたのではないか、と思われる部分が多々あった、ってやったことない人にはわからんですね。つまり問題は良問揃いということです。
- いつも言っていることだが、易しい問題をきっちり作ると言うことがいっちばんむずかしいんだよ(伊東四朗調で)。その意味で、ミリオネアのはじめの方の問題よりさらに良問なのに驚いた。
- 決勝、5問目の難易度が急に上がった意図は演出上奥が深い。「小松左京」で正解して優勝が決まれば確かに盛り上がるし(もっとも、今更何でこの問題?という気はしたけど)。ただ欲をいえば、もう少し微妙に難易度を上げていってほしかったかな。こう思うのは日本的発想なのか?
- 伊東四朗の微妙な下手さが良かった。手塚治虫の絵が微妙に下手なのと同じ。
- 今週は門田という女子大生が残り3人に残ったことに編集が救われた気がする。そうでなかったらおもしろみは減ったかも。そういう保険のために芸能人がいるのだろうか。
- クイズの手練れをあまり入れようとしていないことも、面白さに一役買っていると思う。参加者があまりクイズ的なことをべちゃべちゃ喋ると、見ている一般の人はつまんないだろうから。こないだ予選に参加した知り合いに聞いたら、クイズマニアっぽい人はいなかったと言うことだ。
- それに引き替え「タイムショック21」はどうなんだろう? 一般の人が見て面白いかを是非聞いてみたい。わたしにはどんどんやばい方向に行っているようにしか見えない。テレビ局の姿勢に大変疑問を感じる。そもそも「クイズ王」がそんなにいるわけねえじゃねえか。だれかれかまわずクイズ王と呼ぶことが、クイズを一般の人から遠ざけることだけが心配である。
- 「クイズ王なのにこんな問題もできないのか?」という視聴者の声を想定しているのかもな、とも思った。
- 「クイズとは人生そのもの」など出演者が言うはずも思っているはずもない強烈なキャッチフレーズを付すことは、もうそろそろやめたらどうか。演出の範囲を超え、不愉快ですらある。
- 「クイズの頂点」という言い方を安易にする姿勢もクイズ番組として不見識である。タイムショックには、自分たちの番組こそ最上、という意識が見え隠れしてイヤだ(今尾さんという方が出たときに強く感じた)。
- 「部首のしんにょう、画数は何画?」という問題が出ていたが、ワルイ問題である。しんにょうには3画のもの(常用漢字に使う)と4画のもの(表外漢字に使う)がある。たいていの漢和辞典には書いてあることだけど。
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