お笑い

 

上岡龍太郎にはダマされないぞ! 2019/3/25()

・昨日からやたら訪問者が多い。これはいかん。なるべくひっそりと小声でつぶやくためにブログにしてるのに。こうなったらごく一部の人に向けてだけの記事を書いてしまえ。

・「昭和お笑い史」の人なのに『教養としての平成お笑い史』(ラリー遠田)を読了。「壁」がなくてもちゃーんと勉強してるのだ。それはともかく。

・やたら宣伝めいたネット記事が出ていることでも知られる同書だが、お笑いがそこそこ好きで、本をそこそこ読んでいれば書ける内容かな、という印象。いくつか気になったことを。

・平成のお笑いを語る上で、「爆笑オンエアバトル」は最重要視しなければならないポイントであると思っている。「オンバト」の5分という時間制限が、その後の「ショートネタブーム」を引き起こすスタート地点になっているからだ。これを外したら、「通史」という意味をほとんど持たなくなってしまう。

・「M-1」に触れた2章の内容が極端に薄い。特にスリムクラブに触れた章は、結局何が言いたいのか結論がわからない。「スリムクラブが優勝していれば、手数(てかず)ばかりを重視していたお笑いブームの終焉を、M−1の終了がきれいに象徴したはずだった」くらい書けばいいのに。ここから震災の後の自粛の話につなげるのは、さすがに無理あるっしょ。

・「笑っていいとも」終了の章。「MCであるタモリが番組の一部に出ないというのはそれまでありえないことだった。」(210ページ)という記述は、明らかに誤りである。例えば「美少年コンテスト」には出ていなかった(MCは桂文珍)。それ以外にもそういうコーナーは番組の初期にちょこちょこあった(高田純次と所ジョージのコーナーとか)。「森田一義アワー」というサブタイトルに、惑わされてはいけない。

・この辺はウィキペディアにも載っていないようだから、悪意のない単なる事実誤認なんだと思う。ただ、少し詳しい人に裏を取ればそれで済む話だ。「教養としての」と銘打つ以上は、正確な記述が求められる。しかもこの内容が事実かどうかは、本文の主張の根幹に関わってくるのだ。自らの主張をうまくこじつけるために、事実をねじまげたんじゃないの?と疑われてはいけないのである。だから、なるべく正確に話を進めたい。とまあ、この辺の話は『タモリ論』を批評したときにも指摘してある。

・この著者は、少し昔の話になると途端に「まとめサイト」のような記述になってしまう(たとえばここ)。今のお笑いを語るのは得意なようだから、歴史を無理に追わず、今のお笑いシーンだけを追っていった方が危なくないのでは? 

・ということを、本当はクイズに関する雑誌について述べるべきなのでしょう。それは誰かに任せます。私は「昭和お笑い史の人」ですから。

・なお、平成初期までのお笑いの通史として、「テレビお笑いタレント史」(山中伊知郎)を強く勧めたい。非常に丁寧に作られており、とにかく必読書である。ちなみに、「99人の壁」自宅取材で私が勉強している(フリをしている)ときに見ているのがこの本。


分かる人には分かる衝撃画像 2016/5/21()

・時節柄、笑点関連の記事が散見されるが、その中でこのに目を奪われた。

・この写真、よく見ると桂歌丸師匠がいない。そう、笑点公式サイトですらなかったことになっている「メンバー総取っ替え期」が起きた後の写真なのだ! 分かる人なら私の興奮が分かってもらえるはずである。ちなみに、最も上手が馬風師匠(若い!)。良い写真だ。でもこの記事は何でこの写真を選んだんだろ? やや意図不明ではある。でも、私は興奮しまくった。

・実は談志司会晩年の大喜利写真を見るのが、私は浅学にして初めてだった。この時期の写真は、の本にすら1枚も掲載されていないのである(メンバー総取っ替えが起こったことについてはちゃんと記されている)。日テレ的(というか笑点的)には、完全に黒歴史となっているのだろうか。

・その日テレ、現在笑点の公式サイトで「昔の笑点映像」を探しているとの告知があった。よもやお宝映像が出てくるとも思えないが、期待しないで待ちましょう。


2008年勝手な総括 お笑い 2008/12/31()

・今年は、「キングオブコント」が放送されていない秋田県人にとって、特に変化のない1年だった。

・ムリに総括するならば、芸人さんがクイズ番組に使われまくった1年であった。「テレビ局が制作にお金をかけられなくなったこと」の影響をモロに受けている。お笑い番組が減っている中で、ギャラも高くなく使いやすい芸人さんをブッキングして、高度なリアクション技術を求めることは、番組制作上保険として有効に機能する。明石家さんま師も「なるほど・ザ・ワールド」に出て工藤夕貴に突っ込みまくっていたし。ダウンタウンも東京進出期は、「当たって砕けろ(は見たことがない)」とか「世界の常識・非常識」に出ていたし。ギャラも安いし、面白いし、オチも付けてくれるし、言うこと無し。

・しかし、本当にこれで良いのだろうか。わたしはクイズ研究会出身だが、クイズ番組の量にはかなり前からうんざりしている。もっとも、芸人さんはテレビで最も重宝される「しゃべりの力」があるから、クイズ番組が無くなっても居場所はあるだろう。

・事はそういう問題ではないのである。お金がかかる、リスキーなことを避けることばかりして、時間とお金をかけてバラエティのノウハウを蓄積する。そういう経験の断絶で、今後面白いバラエティができなくなってしまうのではないか、と部外者ながら勝手に心配しているのである。

・「ガキの使い」を始めるとき、菅賢治さんは「今の年齢の自分が、腹の底から笑えるものを作りたい」と考えていたという(『笑ったもん勝ち』より)。そう言えば、最近ダウンタウン関連以外で、腹の底から笑っていないような気がする。来年はどうか。

・芸人豆知識。世界のうめざわは、なぜか漫才協会に所属している。

・芸人似ているシリーズ! ナイツの塙さんとリットン水野さん。海原かなたさんと松尾伴内さん。

・全くどうでもいい話。今日一日、有吉弘行さんの元相方の名前と、ビビる大内の下の名前を思い出そうと、悶々としていた。最近、物忘れがちょこちょこあるので、片っ端から思い出さないと。

BACK