近況報告2009年分

 

加藤「ありがとう」きたやま「生きてて良かったですね」 2009/12/30

・加藤和彦氏が亡くなってから、フォーク・クルセダーズのCDを車で聞き直しまくっている。

・私は、氏への挽歌を勝手に「感謝」(2002年に復活したフォークルの曲)に決めている。氏がリコーダーを吹き(この様子はフォークデイズでも放送されたことがある)、坂崎氏が歌う。避らぬ別れである死に直面した人の心境を、穏やかに歌った名曲であり、当然に極私的全国民必聴歌である。

・しかるに、この歌は全国ネットで流れることが、まず無い。この歌をゆっくり聴く雰囲気を持ち得るテレビ番組が、存在しないからである。

・と思っていたら、存在した。昨夜の「朝まで生つるべ」で坂崎氏が(リコーダーの代わりにハーモニカを使って)歌った。鶴瓶師匠と坂崎師が加藤和彦氏の思い出を語り、感情を抑制し、大人の雰囲気で。格好いい。格好いいことこの上なかった加藤和彦氏の追悼(というと軽く聞こえるが)には最高のシチュエーション。深夜にこっそり放送するのも似合っている。

・死ぬかも知れない、ということが周囲に知られていても、どうすることもできないことは、あると思う。もしくは、微力にしか関われないことも、きっとある。精神科医であるきたやま氏の発言からは、そういうことがよく伝わってくる。本記事のタイトルは、フォークルの復活時のコンサートで、「イムジン河」(1回目の方)を歌った後、大拍手を受けている最中の2人のコメントである。


いやあ、やっぱり経験不足でしょう。 2009/12/26

・最近読んだ本『教科書では教えてくれない日本の名作』(出口汪・ソフトバンク新書)「学校では教えない国語」的な本が最近多い。どんだけ学校の国語の授業は嫌われとんねん、という感じ。本書で取り上げた小説は「こころ」「地獄変」「春琴抄」「伊豆の踊子」「女の決闘」「憂国」であり、教科書チックなのは「こころ」のみ。

・類書が比較的「テクスト論」に偏りやすいのに対し、本書は結構作者論に傾いている。その分分かりやすい面白さがあるのだが、作品の引用が長いので、小説をある程度読み慣れていないとつらいかも。

・「こころ」の読みで、「私(前・中編の語り手)」にあまり触れていないのがやや不満。つまり、普通の教科書的な読みだったということ。なので、少なくともこの箇所については題名に誤りがあると言える。

・「女の決闘」から太宰の苦悩だけしか読まないのは、やや不満。

・ちょっと古いニュースだが、今年の漢字が「新」になったそうだ。確かに、今年あったことを振り返ると、「漢字検定協会が新体制になった」「山城新伍氏逝去」「新疆ウイグル自治区で争乱」「新王朝成立約2000年」など、「新」に事欠かない。

・流行語大賞にしても、今年の漢字にしても、全く意味がないと思うのだが。ニュース番組は、あんなにこぞって「今年を振り返る」必要があるのだろうか。結局、普段からたいしたニュースは流していないことの証左でしかない。

・清水寺が今年の漢字を発表する理由が分からない。鳩山首相に「今年の漢字は何だと思いますか」と質問する意図は、もっと理解できない。

・アタック25チャンピオン大会。最初の書き問題の通過ラインが発表されなかったのは、相当低得点だったからではないかと思われる。20問中5〜7点というところか。あれを10問正解する人があの中に10人いるとは思いにくかったので。

・「ガキの使い」久しぶりのトーク。秋田県はクリスマスイブの深夜に放送。まさにクリスマスプレゼント。しかし、あんなにウケている山崎邦正さんを見られるのは、この番組だけ。12年前の逃走劇が懐かしい。どれだけ困った状況になっても、笑いで切り抜けようとする松本さんの姿は、もはや感動的ですらある。

・職員室にいたら、或る生徒が或る教員に、(たぶん)エコノミクス甲子園の体験談を語っていた。おそらく大前氏のブログに登場するはずなので、やや楽しみ。いずれ、秋田県ではクイズをバリバリなさっている高校生はいないので、面白い勝負になったのではないかと想像している。

・今日のプチ自慢。人間ドックで内蔵の超音波をしてもらったら、担当者に「今日はじめて、やっと綺麗なオナカに出会ったよ!」とほめられた。基本的にギャランドゥがあるので、「オナカ」は「オナカの中」と受け取っている。

・鶴君のブログにあった話なので、ひとつ。第13回ウルトラクイズのメンフィスは、理系問題(永田氏・田川氏向け)を意図的に多くし、中にちょぼちょぼ文学や歴史(長戸氏・秋利氏向け)を入れている。準決勝に残る4人を、あの4人にするためだと思う。


眠む眠むがええねやがな 2009/12/12

・気づけば1週間くらいせかせかと暮らして過ぎていく。別に更新しなくても良いのだが、眠さで更新できないことに毎日後悔。

・最近読んだ本『人はダマシ・ダマサレで生きる』(池田清彦・静山社文庫)基本的に私も世の中のことを疑ってかかっているので、非情に気が合う池田清彦氏。読み飛ばすにはもってこい。

・稀に「マンションのオーナーになりませんか」という電話が職場に来る。基本的に「いらない」と理由も述べずに一蹴するのが常だが、池田氏にもそういう電話がきたらしい(p207)。うっかり理由を付けて断ったことに対して反省の弁が述べられている。そうなのだ。うっかり余計なことを言ってしまうことがあるのだ。と、自戒の念にかられたり。

・ちなみに、池田清彦氏の本なら、本格的な生物学の本がお薦め。『構造主義生物学の冒険』(講談社学術文庫)は名著。

・最近読んだ本『予習という病』(高木幹夫+日能研・講談社現代新書)基本的には日能研の宣伝。ただ、「従来の予習のやり方で、生徒の学力は本当に付くのか?」という疑問がここ2年くらい、私の頭から離れないから、つい買ってしまったと言うだけ。出張中の移動車内暇つぶしではあるが、やや後悔。

・最近読んだ本『こち亀(167)』100%惰性で購入。ここまで続くとしょうがないのかもしれないが、今までのパターンに似ている話が多くて、気になってしまう。ネガティブ巡査のパターンは、数回使われているし。

・最近読んだ本『ゴルゴ13(126)』(リイド社コミックス)表題作の「歪んだ車輪」が渋い。ゴルゴはフィクションとして、本当に鉄道業界にこういう問題が潜んでいるのか、興味が沸く。

・最近読んだ本『現代人の論語』(呉智英・文春文庫)久しぶりの呉智英。双葉文庫をガツガツ読んだ時期は15年くらい前か。最近、加地『論語』をパラパラ読む機会があり、論語に興味を持っていた時期なので、ちょうどよかった。私は基本的に「古典をしかつめらしく読んでも仕方ない」という主義の人間だから、孔子の人間像を再認識するために最適の書と感動。

・こないだ、孟子の性善説をけちょんけちょんに批判しながら授業をした。気持ちよかった。

・業界の人以外には全くどうでもいい話。最近「ダブルチャンスクイズ」というものについて考えている。ルールとして定式化したのはドレミファドンではないかと思っているのだが、実はこれには2種類あって、1人目が押した後リセットしなければならないのか、しなくても2人目の解答権者を示せるのか。ドレミファドンは後者。ウルトラクイズだと第7〜9回は前者。第12・14回は後者。

・で、そもそもダブルチャンスクイズって何でやってたんだろ、ということが疑問の中心としてある。というのは、編集を考えたとき、ひとりが誤答した後、だれも解答権を得なければ、5秒間(実際は編集してもう少し短くしてあることが多いが)のシンキングタイムが無駄になってしまうからである。5秒あればもう1問放送できるし。

・そこを解くカギは、第7回や第8回で、特殊なペナルティがついていたところにある、ような気がする。特殊なペナルティ(服を着るか潮干狩りか)をさせる部分は写さねばならないので、2度目のシンキングタイムもそんなに無駄にならない。

・第9回の場合は、編集で消しているからだと思うが、一人が不正解で、次にだれも解答権を得なかったという問題が存在しない。ここでダブルチャンスを使った理由は、漁夫の利を得る人を写すことが、ウルトラクイズっぽいところだという判断だったのかも知れない。

・第12回と14回は、ともに残りが6人という時点でのダブルチャンスクイズである。こちらは何で行われたのか・・・もう少し考える。


近況報告 2009/11/18

・更新をさぼると、多少だが、読者の方がやや目減りする。

・相変わらず忙しい。最近は本を読んでいない。苦痛。

・その代わり、「激辛数独6」というのをちょこちょこやっている。最近になって、なぜか数独に目覚めたというわけで。ま、そろそろ飽きてくると想像している。

・ちょっと古いが、一時期酒井法子氏(執行猶予中)の報道について。「再犯率の高さ」ばかりに目を向けて、さも「どうせもうすぐ再犯だ」と言わんばかりの悪意ある報道に見えたのは私だけか? 

・なぜか最近、「クイズは創造力」を読み直した。詳しくはいずれ感想を。

・所ジョージのCDのおまけプレゼントを手に入れた。「西武沿線」はダジャレが無く、ややペーソスがあるバージョン。「雨のしずく」のテンポアップパターンや、未発表曲6曲、「ギャンブル狂騒曲」「畳」「ちり紙」の別バージョンも嬉しい。注目は「君こそスター誕生」の別バージョン。と書いてみたものの、何人の人が理解できているのだろうか。


大阪は笑いの鎖国 2009/11/9

・修学旅行に行ってきた。

・大阪で自由時間があり、ハコモノとして批判されていることで知られる「ワッハ大阪」に行ってきた。正直な感想は「確かに、つぶしたくなるかもしれない」というもの。職員も(実際はどうか分からないが)何となくひまそうだし。

・見所は、昔の演芸の映像コーナー。ブースがあって、映像を見ることができるのだが、なぜかそのコーナーだけは無料でも入ることができるらしい。ということなので、地元のおじちゃんおばちゃんがブースを占領し、せっかく400円払っても見ることができない。これだったら、図書館で見られるようにしとけばいーじゃん。

・展示室は、上方の演芸年表や直筆台本などの資料が並んでいる。が、やや中途半端な集め方に思えた。1つ感動したのが、宮川左近直筆の台本。達筆にして流麗。一読して著者の教養が伺える。もっとたくさん台本を用意できればいいのに、あとは人生幸朗、秋田実、ダイマルラケットのものだけ(だったと思う)。

・いずれ、見たくなる資料があまり無い。しかも展示室が狭い。これなら最近の若手の私物でも置いておいた方が人が入るのではないだろうか?

・笑いという文化を紹介するために必要である、という意見は分かる。だったら、もっと本気になって「笑いという文化」を紹介してほしい。漫才コンビの笑いの特徴を分析し、それが分かるような映像を比較放映するとか。

・もっとも、笑いは分析すればするほど、つまんなくなるという傾向はあるが。 

・この中で、初めてジョニー広瀬がマジックをしているところを見た。また、4人だった頃のホットブラザーズも見た。これは良かった。

・作った後、中身を更新しないような「自称資料館」は、やはりハコモノと呼ぶしかないと思う。最初に集めた資料だけで勝負しようとしていることが、ワッハ上方の残念な点であった。

・もうひとつだけ。売店小さすぎ。北島三郎記念館の売店の7分の1くらいの広さでっせ。


どんだけ嫌われとんねん 2009/9/27

・千秋楽。あーおもしろかった。にしても、だから言ったでしょ。先代九重親方の解説はだめだって。

・とにかく本人の好き嫌いが出過ぎるのである。朝青龍をよほど嫌いなのだろうが、相撲内容をもっと適切に解説してほしい。あれでは舞の海氏もしゃべりづらいだろうに。

・穿った見方をすれば、NHKがわざわざ千秋楽に「アンチ朝青龍」の解説者を出したと言うことに、何らかの意図を感じる。どうせだったら内舘牧子も呼べば良かったのに。

・「品格」を問う声がまた出てくるだろう。でも、品格のある朝青龍なんか本当に見たいのだろうか?

・ま、北の富士関の現役時代、品格があったのかどうかはよく知りませんが。


非情のライセンス 2009/9/26

・報告。今発売中の「大学への数学」(10月号)のどこかに、私が載っている。

・最近「大相撲は今こそ見るべきだ」と言いまくっているが、今場所も図ったように面白い展開。大関がもう少し絡んでくると面白いのだが。

・今日の解説は九重さん。九重解説はすごく良い。少なくとも、先代の九重親方より具体的で、相撲の見所をきちんとおさえていて、たいへん勉強になる。

・トークが無くなった「ガキの使い」。ライセンスは、前説ではなくレギュラーと考えて良いのだろうか。


こころに冒険を お願いそのままで 2009/9/24

・高校生クイズの感想も出尽くしたようで。そろそろひとこと、はまた今度。

・以下は、やや長くなるが、自分への覚え書きとして。

・最近読んだ本『昭和の戦争』(保阪正康対論集・朝日文庫)結局読んでる保阪正康。朝日文庫の本に渡辺恒雄との対談を載せているのはなかなかすごい。しかもこの対談、昭和天皇の戦争責任をめぐり、立場の違う二人の意見がぶつかり合うのが面白い。

・保阪正康氏がここまで持論を展開するのも珍しい。昭和の戦争について全体像として氏がどうとらえているのか、手軽に(というのがなかなかくせ者だが)つかめる便利な一冊。

・保阪氏は、今(といっても数年前の対談だが)こそ昭和天皇研究の端緒が開ける時期だ、と考えているのだろうと思う(理由は本書中にある)。と同時に、「戦争責任」という概念の使われ方を総括すべき時期だと考えているようである。まだまだ保阪本から目が離せない。

・そういえば鈴木貫太郎の戦争責任、という観点は今まで考えたこともなかった。迂闊であった。

・最近読んだ本『国語教科書の中の「日本」』(石原千秋・ちくま新書)結局読んでる石原千秋。私は教科書の文章を結構授業内で批判してしまう方なのだが、石原氏はそういう教員が少ないと見ているようだ。つーか、だいいち「国語」という名前が胡散臭いし。

・教科書をテクストとして読む、という試みとしては、『国語教科書の思想』の続編。分析と合わせて随想的文章が挿入されているから、読んでいて飽きない(国語業界ではない人だったら、飽きるかも)。

・石原氏は「羅生門」を教科書に入れることに否定的である。私は常々「羅生門」「山月記」「こころ」「舞姫」の無い教科書ができれば魅力的だろうなぁ、と考えている。特に「こころ」「舞姫」は、ページ数が多い。同じページ数で短編小説を六編くらい入れた方が、小説を読む経験としてはグンと拡がると思う。ところが、これらを入れない教科書は採択されにくい(国語教師が嫌がる)という事実がある(『舞姫』が載らないことは、ままある)。「こころ」が小説として大変魅力的であることは言うまでもない。が、「こころ」でなければ学べない事柄は、あまり無いのではないかと考えている。これは「羅生門」などでも事情は大して変わらない。しかも、授業時数もたくさん必要となる。授業時数減少の現状では、はっきり言ってやりたくない教材となっているのである。今でも「舞姫」に9時間かけた、というような授業実践を見るが、飽きっぽい私には信じられない。

・秋田県高校教育研究会の研究部員をしているのだが、そこで「今年は『こころ』の授業法だけを研究しませんか」と提案した。その方向で動いていたのだが、諸事情でポシャってしまった。ま、結論として「ね、『こころ』って別にやらなくてもいい教材でしょ」と言うつもりだったから、別にポシャってもいいのだが。

・だいぶ話がずれた。ひとつ間違いを見つけた。p174「三浦哲郎『盆土産』は(中略)父親が主役を演じている点において、光村図書の教科書としてはこれも「新しい」のである」としているが、『盆土産』は少なくとも20年以上前(つまり私が中学生の頃)から掲載されている文章である。

・最近読んだ本『秘密とウソと報道』(日垣隆・幻冬社新書)結局読んでる日垣隆。足利事件や西山事件の論評も面白く読ませてしまう。『情報の「目利き」になる』(ちくま新書)同様、要はメディアリテラシーの力を付けるためにどうすればいいか、というのがメッセージなのではないか、と思う。すぐ読める(のは筆者に筆力があるからだが)ので、特に高校生あたりにお薦め。


優勝は、となり村のベティさんです 2009/9/21

・「B−1グランプリ」というのが横手で開かれたので、行ってみた。全国の新名物と言えるB級グルメが出品されるということで、珍しく私の大嫌いな「食い物のための行列」に並んでみた。

・かつては「うまいものなし」と言われた「名物」だが、最近は本当においしいものが増えてきた。ただ、たとえば「オムカレー」とか「シロコロホルモン」とか、とても「B級」と言えない物も出品されているのが実情で、その辺の線引きがよく分からない。

・にしても、あれだけ人が並びまくっていたオムカレーに、全然得票が行っていないのは解せない。シロコロの5位も不思議だ。つーか、会場を2箇所に分けた時点で、投票結果の真実味が相当薄れるのでは?

・今日は小岩井農場に行ってみた。オールドファンには第4回高校生クイズ東北大会の会場として知られる。人が多いのはやや辟易だが、通常の休日に子どもを連れて行くには最高の場所である。「観光客から金をむしり取るぞ!」という感じにはガツガツしておらず、ほんわかした観光名所。宮澤賢治をあまり押していないところにも、大変好感が持てる。

・そこで初めて「鶏頭」の花の本物を見た。「鶏頭の十四五本もありぬべし」(子規)の句意を実感。「鶏頭」も「十四五本」も「ありぬべし」も、全く動かない強い組み合わせなのだ、ということ。

・最近読んだ本『問題解決トレーニング』(西村克己・イーストプレス)ビジネス書のエッセンスをお気軽に読むには便利か。お気軽すぎて、結局身になったことはないような気もするが。

・学校現場にも企業論理を!などと声高に叫んでいた時期があった。その割に学校というところは、効率を重視しないことを美徳とする癖がある。みんなが効率よく仕事をし、勤務時間で帰れるようにすれば、教師も生徒も幸せになる、と私などは思うのだが。

・最近読んだ本『天王洲猥談』(白夜書房)コンビニで買った。結局のところ、一番変態なのは、私と同じ年の徳井義実さんであると思う。しかし、これがテレビで見られるなんて、東京というところは素敵な町だなあ。


近況報告 2009/9/19

・なんだか忙しい。一応こないだHPにアップした問題のフォローはしておいた。

・やっと学校にも教員ひとりひとりにパソコンが支給された。思い起こせば森内閣のときに「全教員にパソコン支給!」と言われ、そのとき以来ノートパソコンも買わず、ほとんどの教員が自前のパソコンで仕事をする中、職員室共有パソコンのみで仕事をしてきた私であった。

・そう言う状況なのに、「個人持ちのパソコンで、生徒情報を扱わないように」という無理な注文が課せられていた。自分で仕事用パソコンを買って、痛くない腹を探られるのもシャクなので、これまで絶対に自前パソコンは学校に持ち込むまい、と固く誓っていた私であった。

・しかし、いざ机にパソコンが来てみると、実に疲れる。慣れるまでは仕方ないが、とにかく仕事の中心がパソコン作業になってしまい、何だか疲れる。そういうもんなのか。

・クイズ問題作成の勉強をし直そうと、久しぶりにウルトラクイズのペーパークイズを眺めている。電子ブックからデータを吸い出し、Excel化したものを見ているのだが、「どうすればこういう発想になるのか」を考えながら眺めると、たいそう勉強になる。いずれご紹介するかも。


近況報告 2009/9/4

・予告。土曜日の夜に、クイズ問題をアップする。「ボツ問題+新作問題」170〜80問くらいになると思われる。東京で行われる某クイズの集まりで、出していただければ、という趣旨である。クイズ好きの人の空腹感を満たせる問題とは思えないが。

・クイズ好きの空腹感は、高校生クイズで満たされるのだろうか。あたしゃ多分無理です。

・「史上最強のクイズ王決定戦」第1回放送を、最近初めて視聴した。見て思ったのが、「それなりに面白い」ということ。結構意外だった。クイズ番組は「どんな問題が出るか分からない」というドキドキ感があると面白いのだ、と私は解釈した。だから、傾向が生まれ、対策が生まれると、とたんにつまらなくなってしまうのだろうか。

・最近読んだ本『天下御免のワースト番組』(田村隆・あうん)BOOKOFF105円。「全員集合」「みごろたべごろ」「ドリフ大爆笑」「ゲバゲバ」などを担当した筆者による、テレビががんばっていた時代へのオマージュ。みんなで真剣にバカなことをしていた、ということをそろそろ再確認しておくために必要な本。ただ、なぜか「ドリフ大爆笑」を1985年開始と記録しているのはいただけない。そんなわけがない。

・最近読んだ本『不滅の歌謡曲』(なかにし礼・NHKテキスト)常々私は、「演歌が日本人の心を歌っている」とは、思っていなかった。演歌に歌われた内容が、架空の日本人を歌ったものにしか聞こえなかったからである。日本人を歌ったのは「歌謡曲」である、と考えた方がよい、ということが本書により明確になった。ややなかにし礼氏の自画自賛のきらいもあるが、阿久悠氏と違った角度からの歌謡曲分析に読む価値はあり。ただ、歌というものを「芸術性」という観点だけで論じることには、やはり無理があるような気がした。

・最近読んだ本『心狸学・社怪学』(筒井康隆・講談社文庫)面白い。ただただそれだけ。唐突に異常な世界に連れて行かれる書きっぷりにはたまらない。また、子どもの作文の文体を用いた「原始共産制」のような不思議な感じの話(毒っ気たっぷりの風刺なのだが)も味わい深い(この辺は別の本の「北極王」あたりと通底する)。筒井小説はBOOKOFFで仕入れまくったので、どんどん読んでいくつもり。あーおもしろかった。


近況報告 2009/8/23

・やや古いが、先週のアタック25でパーフェクトが出た。今の解答者の選び方でパーフェクトが出る可能性があるのは、「たまたまクイズ経験者が、非経験者3人の中に入り、かつ問題がベタばかりだったとき」に限られる。

・もちろん、パーフェクトには運の要素も強いと思うので、その条件があれば必ず行ける、というのではない。ただ、前回も前々回も、パーフェクトはそうやって生み出されていたと記憶する。ただ、今はクイズ経験者をなるべく出さないようにしているようなので(クイズ研究会でちょっとだけ早押しクイズをしていた、という人が一番得しているように思えるが)、条件が揃う可能性が一番高いのが、「高校生対高校の先生大会」なのである。

・立川談春独演会に行ってきた。演目は「子ほめ」「談志エピソード(骨壺編)」「妾馬」。いやーよかった。400人のホールはハコとして丁度よく、贅沢贅沢。

・大曲の花火にも行ってきた。といっても、家から歩いて25分くらい。贅沢な話である。

・現在、某所で遊んでもらう問題を少し用意している。題して「まだまだあったボツ問たち(仮題)」。


もっと陽気であっていいんじゃないか もっと陽気でもいいんじゃないか 2009/8/14

・山城新伍逝去! ショック。

・山城氏が最期までカッコつけるために(だと思うが)、老いさらばえた(想像)姿を我々に見せなかったことに、ただただ合掌。

・思えば「陽気にバカなことを人前で振りまく芸もあるのだ」ということを教えてくれたのは山城新伍氏であった。他にもいるけど。しかし、キメるときはキメる。私の一押しは「県警対組織暴力」での山城氏の情けなく悲しい役柄である。もっとも、あの映画で悲しくないのは○○○○演じる役のみで、みんな悲しいのだが。

・言いたいことは、言えばいい。ただし、エンターテイメントに昇華できれば。これも氏の教えだと思っている。

・今日は感謝しつつ、とにかくご冥福を祈るだけである。

・まったく話は変わるが、「県警対組織暴力」は、深作映画の中でも極めつけなので、是非ご覧戴きたい。


速報 2009/8/11(05:27)

・NHKのニュースを何となく流して見ていたら、たった今、緊急地震速報が流れた。続々と入ってくる情報を冷静に裁くNHKのアナウンサーはやはりすごい。これだけでも受信料を払う価値がある、というと言い過ぎか。

・NHK教育でも同じ放送内容となっている。何のため? 田舎だとよくあることだが、NHK教育の方が映りの良い地域というのも確かに存在するだろうから、そういう地域への配慮だとしたらすごい。

・裏番組ではバード羽鳥と西尾アナが情報を読んでいる。続々と情報を述べまくるNHKに比べると、いささか頼りない。

・重要な情報の速報ニュースは、一人で延々と裁くのが見ていて一番安心できるスタイルだと思う。

・去年の宮城の地震の瞬間、私は陸上の東北大会の引率で、利府(震度5強)にいた。参考。日本海中部地震も経験していない私にとって、初めての震度5以上の地震であった。

・そのとき、緊急地震速報が携帯電話で来たのだが、気づいて数秒後に揺れだした。携帯の場合、鳴ったからといってすぐ見るわけではないから、せっかくの情報も無駄になりやすいのではないか。緊急地震速報の出し方については、これからどう発展していくのか楽しみなところ。


この世で一番エライのは電子計算機 2009/8/4

・最近のアタック25のフィルムクイズは、簡単すぎて気持ち悪いことが多い。

・最近読んだ本『漢字の相談室』(阿辻哲次・文春新書)取りあえず読んでしまい、結局後悔する阿辻哲次著作。とにかくエッセーなのである。質問と関係ないことを延々述べる。また、記述が荒い。

・一例を。しんにょうの点は、歴史的に言って2つのものが正規の形である、という従来の主張が繰り返されている。なぜ正規なのかは、「康煕字典」に載っているから、というのも従来通りの主張。ま、それは別によい。不思議なのは、康煕字典以前、手書きでは一点しんにょうが普通だった、ということに触れていながら、写真で例示した手書き文字は顔真卿の二点しんにょう。顔真卿を普通の楷書の例として出すのはずるい(例えばこんな感じ)。例外をやっと見つけた、という感じがプンプンする。

・なぜ戦前まで二点しんにょうで印刷されていたのに、当用漢字では一点しんにょうで書かれるようになったのか。その事には全く触れていない。多分、従来一点しんにょうでの書き方が書道でのスタンダードなのだということに触れたくないのだろう。そうしないと、康煕字典が矛盾の書であることを明らかにしなければならなくなるから。

・今度の常用漢字の改訂で、一点しんにょうの字と二点しんにょうの字が混在することが、ほぼ決まっている。本書にもある通り、これは現行のパソコンの文字に合わせるための措置である。パソコンの印刷字体と、常用漢字表の字体は一致していなければ混乱するという理屈である。例えば「謎」が二点しんにょうになったのもそういう理屈らしい。あれ、一点で出てきてますがと思った方はするどい。Vistaだと二点で出るのだが、XPは一点で出るのである。彼ははっきりと「これからのOSについて考えるなら、主流は確実にVistaなのである」と述べている。だから二点にするのだそうだ。別によいのだが、OSの主流はVistaか? つーか、そんなにパソコンに気を遣う必要があるのか? ダウンロードすれば何文字かの字体を変えられるようにするシステムくらい、簡単に作れるんじゃないのかい?

・少なくとも、「手書きでは一点でも二点でもいいよ」ということを、強く打ち出すような常用漢字表であって欲しい。

・とにかくいくらでもつっこみたい。もうひとつだけ。最も画数が多い漢字は、という質問に対し、「龍4つ」のみ記し、「興4つ」を全く無視している。語義不詳だからだと思うが、無視して良いのか?


アルファがベータをカッパらったらイプシロンした。なぜだろう。 2009/8/2

・椿鬼奴の歌うときの顔は、大塚まさじのそれに似ている。

・最近読んだ本『秋田の子供はなぜ塾に行かずに成績がいいのか』(浦野弘・講談社+α新書)アダム徳永や岩月謙司の大変素晴らしい(皮肉)本で知られる講談社+α新書。著者は秋田大学教授。子供の成績を上げるために家庭で何をすればいいか、、、はあまり書いていない。秋田の教育で特徴的なことを羅列的に述べているため、話があっちこっちに飛ぶ。また、秋田の教育に関わらないこともちょくちょく入れている。明らかな当て推量も多い。内容も、何処かで聞いたことばかり。ここまで一貫性のない本も、講談社+α新書なら許されるのか。

・秋田に関係ない話の一例を挙げる。東京の子供に「雷はいつ鳴るか」と聞くと、大概夏と答える。秋田では冬と答える子供が多い(秋田でも夏の方が雷は多いと思うが)。夏に雷が鳴る理由を知ったら、それを使って冬にも鳴る理由を考えさせる。これこそ真の学びだ、という話。秋田の子供に考えさせた訳ではないのに、何でこんなこと書くの?

・今時、小学校の徒競走で順位を付けないことを、例として挙げるのは如何なものか。ベタでステレオタイプな記述が多い。

・この本の88ページに、秋田市に勤務する教諭の初任者研修は、秋田市教育委員会が実施し、他の市町村の場合は秋田県教育委員会が実施する、という趣旨の記述があるが、これは誤りだろう。秋田大学に勤めていて、なぜ間違えるのか不思議。


高いところから落ちたときのマニュフェスト 2009/7/31

・勉強合宿、というものに同行したため、全く以て更新が途絶えていた。

・最近読んだ本『ゴルゴ13(124)』(さいとうたかを・リイド社)ゴルゴが石原慎太郎をも利用してしまう「エシュロン」も当然ドキドキするが、やはり「装甲兵SDR2」であろう。当時流行った「バトルロワイアル」に近いのが些か気になるが、AIBOにヒントを得て、人間が無敵のロボットに入って戦闘マシーンとなるという設定が面白い。心臓の弱くない人は一読を。

・最近読んだ本『昭和陸海軍の失敗』(半藤一利ほか・文春新書)座談会形式で、陸軍の失敗を黒野耐・戸部良一・半藤一利・福田和也・保阪正康。海軍を戸高一成・秦郁彦・半藤一利・平間洋一・福田和也。特に昭和期の日本軍の構造や軍人同士の関係などを手早くつかむのに便利かも知れない。また、元陸将補の黒野氏や海将補の平間氏の発言は、昭和史の本だけ読んでいては気づかない内容だったりして、興味深い。もっとも、文藝春秋をいつも読んでいれば、こんな内容は常識に属するかも知れないのだが。

・最近読んだ本『狂気と王権』(井上章一・講談社学術文庫)島津ハル事件を皮切りに、虎の門事件、大津事件から相馬事件、はては二・二六事件での秩父宮と昭和天皇の話まで、すべてを「狂気の扱い」という一点により解釈をする試み。つなげ方は面白いし、内容も総花的でためになったが、いささか引用だらけなのと、断定的記述に欠ける点がやや不満。恣意的な「精神鑑定」の危険性を感じることができる、、、というところまでは、行っていない。


若者なら、耳を出そう(浜田まさとし政見放送より) 2009/7/22

・衆議院解散。高校生クイズの予想問題。「衆議院議員総選挙。第1回から日曜日に行われている。○か×か。」答えは省略。

・琴光喜が白鵬に勝利! たいへん面白い相撲だった。白鵬がいると、相撲をほんとうに面白く見ることができる。大関陣も個性派揃いで、実は大相撲は今こそ見るべきなのではないか。

・最近読んだ本『思考停止社会』(郷原信郎・講談社現代新書)本書後半では「朝ズバッ」をかなり厳しく批判をしている。が、秋田県ではTBSネットがないので、この番組を見たこともない。もっとも、朝から某司会者の暑苦しい雰囲気を味わいたいとも思わないが。

・たとえばいわゆる「食品企業の不祥事問題」のとき、「そんなので体壊すわけねーじゃん」と言う人は周囲に少し存在したし、私も言っていた。畠山鈴香事件の際は、「悪意のある映像使いすぎ」と言った人は、周囲にあまりいなかった。少しは境遇に同情しろよ、と言う人すらあまりいなかった。社会保険庁の事件のとき、「社会保険庁ってそんなに悪い組織なのか?」と疑問を呈した人も、あまりいなかった。そういう人が、もっと増えねばならないわけで。勝手ながら私はそういう人を目指している。

・最近読んだ本『歌謡曲春夏秋冬』(阿久悠・河出文庫)阿久悠氏の作詞に対する姿勢や思考を知る責任があると勝手に自認しているのだが、飽きっぽい私には結構つらい本だった。結局、読むのに半年かかった。ただ、様々な事物から様々な解釈の可能性を探る様子は、大変勉強になる。さながら「歌謡曲歳時記」と言うべきか。

・「パラソル」の項で、松田聖子「白いパラソル」が出ないのはわざとか?

・昨日の問題の答えは明日発表。まったくどうでもいい付け足しだが、「AB型」の歌も、ごくわずかだが存在する。有名な曲に見あたらなかったので、問題にはしなかった。


単なる読書日記 2009/7/20

・出張帰りにBOOKOFFに行ったら、「週末はセールを行いますので、ぜひいらしてください」と言っていた。だから、という訳でもないのだが、週末に別のBOOKOFFに行ったら「ただいま、レディースコミックが3冊200円とお買い得になっております」とのこと。私がレディコミマニアだとでも思ったのだろうか。

・てことで、BOOKOFF105円から3冊。

・最近読んだ本『上司のすごいしかけ』(白潟敏朗・中経出版)「感動の朝礼」「ありがとう袋」など、20の仕掛けで社員はやる気になるのだそうだ。何とまあ楽観的な話よ。

・最近、何となく経営とか問題解決とかの本を廉価で手に入れて読んでいる。この種の本は当たりはずれが大きいので楽しい。学校にも民間の発想を!と声高に言われる昨今、では良質なビジネス書を求めて読んでいる管理職はどれだけいるのだろうか。

・最近読んだ本『日本語の大疑問』(村石利夫・にちぶん文庫)村石利夫なのでつい買ってしまった。面白いのだが、マユツバ語源が多いような気がしてやや残念。なので、クイズ作成には使わない方がよいと思う。クイズ作成の教訓。面白い語源ほど疑え。

・ただ、「おみおつけ」の語源として、今でもよく引かれる「御御御付」の誤語源を正している点は良いと思う。

・最近読んだ本『父親のすすめ』(日垣隆・文春新書)結局読んでる日垣隆。最近日曜のゴールデンの時間帯に「子どもの知能指数を上げるには」とか「子どもを東大・京大に入れるには」とかいうテーマで視聴率を稼いでいる番組がある。そういうのとは全然違う、ある意味で正攻法の子育て法の本(だと思う)。わたしも理不尽な親になろっと。


いろいろ 2009/7/8

・衆議院選挙をにらんだ動きが、報道されまくっている。そんなに報道すべきことか?

・この問題群へのリンクができなくなっていたので、リンクをはっておく。これ。HPからも行けるようにした。

・クイズ問題は少しずつ作っているのだが、あまり発表していない。ということで、そろそろ発表する機会を作らないと。


ジャクソンくんおられますでしょうか? 2009/6/28

・マイケル=ジャクソン逝去。あんなに報道すべきことか? 

・植草元教授上告断念。あんなに報道すべきことか?

・最近読んだ本『おとなの叱り方』(和田アキ子・PHP新書)つい読んでしまったことに後悔。これを読んで溜飲の下がる大人もいるのだろう。それだけと言えば、それだけ。

こういうのに、やや関わっている。なお、記事中「任用後10年以内」については間違いと言っておく。私は任用12年目である。

・にしても、誰がどういう立場で書いている記事なのか、全く分からない。「高校生にふさわしく、分かりやすい教材になるよう期待する」とあるが、秋田出身の作家の作品は、高校生にふさわしく、分かりやすいものが非常に少ない。

・「歴史や背景が映像のように浮かび上がれば教材は生きてくる。」と書いてあるが、それは編集の力でどうにかなることなのだろうか。

・「ひいては若者の県内定着への波及効果も期待される」。期待しすぎかと思います。


好きな女の子と、二人っきりでいると、すぐに立ってしまうモノは何? 2009/6/17

・なんだかんだで「時間」が全然ない。

・最近読んだ本『昭和史再掘』(保阪正康・中公文庫)結局読んでる保阪正康。小品集としてするする読めていく。もっとも、昭和史に関する予備知識が全くないと、読むのはつらいかも。

・この中に、アマチュア数学家によるフェルマーの大定理挑戦への道が描かれている。何処かで書いたかも知れないが、私が受けた教員採用試験の一般教養問題で、「1994年にフェルマーの定理を解いたのは誰か」というような問題が出ていたことを思い出す。私は元来数学教師希望だったので、ラッキーな問題だった。

・秋田県の教育現場を見学に来たり、研修に来たり(沖縄県の先生とか)しているというニュースが偶に放送される。秋田県は小中学生の学力がトップクラスなので、それに学ぼうという趣旨らしい。「学力トップの授業」であると同時に「自殺率1位の授業」でもあるということは、忘れていけないと思うのだが。


負けるな馬之助 男の生き様見せてやれ  2009/6/16

・三沢光晴逝去! 私は基本的にプロレスへの興味を持っていないのだが、高校のある一時期だけ「全日本プロレス」をよく見ていた。お目当ては三沢光晴(と、ラッシャー木村)。とにかく美しいプロレスであった。「怨恨の対決!」とか「因縁の対決!」とかを演出上プロレスに持ち込むのが嫌いなのだ。

・「ダウンタウンDX」に出演したときの、三沢社長の下ネタが忘れられない。合掌。


近況報告 2009/6/9

・最近読んだ本『最後の喫煙者』(筒井康隆・新潮文庫)「自選ドタバタ傑作集1」。昭和40年代後半に、まあこんなものすごい作品群を残したのは、ただただ尊敬。「急流」。荒唐無稽な内容にリアリティを持たせる筆力。「問題外科」。とにかく問題。「最後の喫煙者」。本当の恐怖が待っている。「老境のターザン」。何が彼をそこまで。「こぶ天才」。それが言いたいだけかい! 「ヤマザキ」。途中までの普通さが逆に面白い。「喪失の日」。傑作。これだけでも読む価値がメチャメチャある。最高。男はこいつを決して笑えない。そして愛すべき存在だと気づく。筆者の愛情も感じる。とにかく男性には絶対に読んで欲しい。「万延元年のラグビー」。パロディなのはタイトルだけ。

・「ショートショート」を読み付けていると、「オチ」がある笑いが最高だと感じがちかもしれない。が、読んでいる途中で面白い作品に、「オチ」らしい「オチ」はいらない。これはダウンタウンのコントにも言えること。

・当時のDNA鑑定は精度が良くなかったため、無期懲役になりました。てことは、「当時のヒ素鑑定の精度が良くなかったため」なんてことは、絶対に有り得ないことなのだろうか?


舞台の出や!声はでかいわい! 2009/6/1

・今年から演劇部顧問に復帰。ひさびさに芝居を作りましたが、忘れていることが多い。要リハビリ。

・つかこうへい氏が自作の戯曲をネット公開していることが、微妙に話題になっている。ためしに初版の「熱海殺人事件」を読み直したが、やっぱり面白い。部長が相当本気なのが面白い。

・最近読んだ本『セビーリャの理髪師』(ボーマルシェ・岩波文庫新訳)なんとなく古典的な戯曲を読みたくて買ってしまった。フランス文学はバルザックもモーパッサンも読み通したためしのない、根気のない私だが、一気に読み通せた。脚本自身にテンポと躍動感があり、全く飽きない。古くさい内容もあるにはあるが、それ以上に普遍的な面白さが厳然とそこに存在している。演劇界(というのがあるとして)で「古典の戯曲を読め」と言われまくるのも、よく分かる。次は当然『フィガロの結婚』を読むつもり。

・「バルトロ」という医者が悪者。にしても、医者が好色な悪者である、という設定は『落窪物語』にも見られる(あれは正確には薬を扱う人物だが)。そういえば、私が高校の演劇部で演じた役は教師と医師だった。どっちもスケベといわれる職業なのが気にくわない。


数学だ! 数学だ! 数学だーっ! 2009/5/29

・最近『東大数学で1点でも多く取る方法』(安田亨・東京出版)をちらちら読んでいる。

・私は、ドラゴン桜の勉強法で東大に合格できる確率は、万に一つもないと思っている。

・東大数学で最も重要なのは、「東大数学」特有の解法に習熟すること(立体の体積なら、最高次の文字(例えばy)について、例えば平面y=kでの切り口を考えて、、、とか)。難問は出るが、奇問は出ないのが東大数学。奇問が出ないのだから、対応法はちゃんとある。特に東大数学はパターンが存在するし。

・だから、天才のひらめきによるあざやかな解法などいらない。数学オリンピックの問題と、東大の問題では、難問としてのベクトルが違いすぎるのである。

・よって、筆者・安田氏の「うまい着眼、うまい計算法は、あまり書いてありません」という思想には、深く頷ける。受験生に必要なことは、数学オタクになることではないのだ。

・もっとも、数学オリンピックの問題も、最初の予選問題なら、勉強次第で誰でも解けるようになるのではないか、と思っている。どうすれば誰でも解けるような思考ルーチンを得ることができるか。最近の数学に関する興味の中心である。

・一応国語教師なので、国語についても考えている。国語の場合も、「東大国語で1点でも多く取る方法」が、あるような気がしている。つーか、国語の大学受験で必要な知識・情報・解法をすべて一覧にしたうえで演習問題を山ほどこなさせられないかというのが、国語に関する興味の中心である。

・東大の数学は難問だから、東大対策は英語や理科を一生懸命やり、数学はややおろそかでも良い、と平気で発言する進学校教師もいる。自分が解けないだけじゃないの? 少なくともこの2月の入試問題は、難問ではない。数学の難易度の低下が、公立高校の躍進に一役買っていることは間違いないと思う。数学の対策は、ちゃんとやっておくべきであるぞよ。○○高校の人たちへ。


今年こそ結婚しちゃえよあの人と(田中直樹) 2009/5/19

・松本人志氏結婚! で、「問題 松本人志さんがすんごい年下の女性と結婚しましたが、彼女が産まれたのは、ダウンタウンのデビューより後である。○か×か。」これなら高校生クイズで出せるか? 「デビューの年である」の方がよいか? いずれ、答えは自分で調べてください。

・ま、何にせよおめでとうございます。お子さんの性別は、たぶん女の子だろうと思う。

・ワイフがラージポンポンのとき、周囲から「きっと男の子よ〜」と言われまくった。が、私は頑なに女の子だと言い張っていた。

・理由は色々あるが、だいたい私の敬慕するタレントには何故か娘さんがいるからである。尊敬する明石家さんま師然り。私淑する高田純次師然り。年を取ったらなりたいと願う関根勤師然り。大好きな(あくまでシンガーソングライターとして)所ジョージ師然り。そう尊敬はしていないが、島田紳助師もそうだった。

・つーか、芸人さんには女の子が多いというのがもはや定説になっている。理由の詳細は此処では書けないが、私はあてはまらない。

・にしても今見ている最中だが、「○○な話」は、いまいち中途半端な印象。


近況報告 2009/5/13

・最近、コンセプトに沿ったCDを編集して、車で聞いている。

・少し前、「女性歌手」というコンセプトでCDを作ったとき、清水由貴子の「お元気ですか」を入れた。訃報はそのすぐ後であった。偶然。

・日曜日に「演歌歌手」というコンセプトでCDを作ったとき、千葉紘子の「折鶴」を入れていた。で、今日の結婚報道。偶然。

・私たちの世代だと、夏休みに見る「ルックルック 女ののど自慢」の千葉先生の方がお馴染みである。清水由貴子だと「それは秘密です」の司会こそ最重要プロフィール。いずれ、日本テレビがおいしい映像を持っている。明日の「ズームインSUPER」は、千葉紘子お宝映像か(お相手はバンキシャだし)。必見。


近況報告 2009/4/30

・高校生クイズの今年の司会が茂木健一郎と菊川怜になったそうだ。そんなに東大で固めてどうする。

・茂木健一郎が「こういう問題を答える高校生は、脳の○○の部分が何ちゃらかんちゃら」と語るシーンなど、別に見たくない。蘊蓄が長そうなのが茂木氏出演の番組全般に言える欠点。

・菊川怜が出ると言うことは、福澤朗も・・・? つーか、日曜日に予選をやって、バンキシャ放送には間に合うのだろうか? つーか、バンキシャっていつまでやるの? もしかしてバンキシャ終了の交換条件? ゲス(=わたし)の勘繰りは続く。

・ま、安易にすごさを演出するために、クイズ研究会上がりの、他の人の作った難問を暗記することだけがクイズすることだと思いこんでいるような人をブレーンにして、「史上最強のクイズ王決定戦」とか「FNS」とかの問題をそのまま出題したりしたら、また本ブログやHPで叩きまくるつもりだが。叩く価値もない、という説もあるけど。

・秋元さんも昨年指摘なさっていたが、昔のクイズ本をエサに近寄ってくるクイズゴロが、高校生を食い物にしないことを切に願う。

・角館の桜をちょっとだけ見に行った。4年ぶり。気になったのは、キリタンポをあちこちで販売していること。特に味噌を付けて焼いた「ミソタンポ」を食べながら歩く人が多かった。はっきり言うが、秋田県全土でキリタンポが名物なわけではない。きりたんぽをおいしく食べられるのは、基本的に大館市(=県北部)周辺のみであり、角館(=県南)のキリタンポは全然本物ではない。田沢湖でも売っているが、これもだめ。十和田湖のは比較的おいしい。観光客の方が、県南地区できりたんぽを食べて、「こんなもんか」と思って帰るのは悲しい。なお、大館市に来る機会があるなら、やや値が張ってもキリタンポは食べるべきである。

・「比内地鶏」も、たいへんおいしい鶏なのに、県南地区では評価が低い。私に面と向かって「まずい」とのたまった者までいた。信じられない。全く嘆かわしい。大館で食ってみよ。私は県南部の人間だが、県北に7年勤務した関係上、県北びいきなのである。


近況報告 2009/4/15

・漢字検定協会。「公益法人(というか財団法人)を私物化!」と問題視しているが、理事長からすれば「私物を公益法人化したんだ! 元々はおれのものだ!」くらいの気持があるのではないか。

・逆に「漢字検定は、当分行いません!」とか宣言したら、どういう反応になるのだろうか。案外「やめないで〜」という懇願があったりして。茨城ゴールデンゴールスのように。

・実は「準1級対策 基本熟語集」というのを細々と作り始めていたのだが、必要なくなりそうで。

・にしても、こんなになるまで問題視されてこなかったことのほうが、問題なのである。漢字資料館のレーシングカーなど、なぜ他の理事は問題視してこなかったのか。何処が漢字文化資料なのか。


近況報告 2009/4/13

・相変わらず、年度終わりと年度初めは目の回る忙しさ。

・或る特別な事情が有って、斎藤茂吉と島木赤彦について調べねばならないことになっている。遅々として進んでいないのだが、その事情を知らない方から、偶然にも二人の全集を戴いてしまった。何という僥倖!

・ついでに漱石全集と高橋和巳全集と柳田国男集も戴いてしまった。このあと、さらに資治通鑑を戴く予定。家のどこに置くのか。

・茂吉全集を得て、最初に読まねばならないと思ったのが、戦争を賛美している短歌(主に第4巻所収)。読んでみると、これがなかなか激しい。しかし、避けて通れない。我慢して読んでいく。しんどい。技術が高いだけに、内容が心に迫ってきてしまう。そうか、茂吉の目指した万葉調とは、こういうものなのか。技術を磨き上げ、感情を整理して、最後は敢えて激しく突き放す、かのように見せる。裏にある技術を功名に隠す、食えない爺さんなのである(虚子もそういうところがある)。


近況報告 2009/3/22

・久しぶりで、クイズに関する文章を、本編にちょっとだけ書いてみました。

・今後の予定。「古びるルールとそうでないルール」「問題によって測れるものとは」「ウルトラクイズの功罪」「クイズのモチベーション」「キャンセルをどう考えるか」「早押しの功罪」などなど。


近況報告 2009/3/21

・最近読んだ本『思想なんかいらない生活』(勢古浩爾・ちくま新書)現実生活から離れたところに「思想」を置くことに嫌悪を感じる筆者。難解な(筆者からすれば、無意味な難解さ)思想書を読んで、偉ぶるインテリを蛇蝎のごとく嫌っている。洋泉社から出している本たちよりは、やや硬派でセンチメンタルな怒り方。なぜか太宰治の「如是我聞」を思い出したりして。

・私も、本なんか読んでもエライと思わないし、読まないからといってアホだとも思わない。私はあまりベストセラーを読まないが、ベストセラーを低俗だという気もない。ただ、そのとき読みたくないから読まないだけだ。仕事終わって酒飲んで低俗番組で大笑いして、日々の疲れを忘れることを低俗だという資格が、誰にあるもんか。

・今書いているクイズ関係の文章を、さわりだけ。「『クイズ研究会員』と『非クイズ研究会員』を分ける境目は、『出題者・企画者の側に立つことがあるか否か』にこそあるべきだと思うからだ。」「さわり」は、「イントロ」という意味ではないから気を付けよう。

・今、NHKの「日本のこれから」を観ている。「欽どこ」の映像で高部知子が当たり前のように登場していることに、めちゃめちゃびっくりした。

・この番組、論点を整理してから発言を振った方がいいのではないのか。あまりにも質問に答えない(答えられないのか、答えないのか、自分の言いたいことだけを言うのか)一般人(という名目の人たち)が多すぎる。なので、ナンボ放送時間があっても、話し合われた内容は薄すぎ。こないだ森達也が出演していた「障害者と放送」的な討論番組の方が、同じNHKでも見応えがあった。


近況報告 2009/3/15

・最近読んだ本『真相はこれだ!』(祝康成・新潮文庫)平成16年に買って放置していた。「丸山ワクチン」潰し、成田空港ミステリー、和田心臓移植など、定番と言える8つの事件たちに、改めて光を当てている。このうち、三億円事件に関する話題を除くと、テレビで取り上げられるようなものはない。それだけダークでもあり、タブーでもあるからである。

・最近、昭和のニュースの真相!的な番組がちょこちょこ見られる。数十年経った今取り上げるからには、新たな新事実の発見などがあって然るべきだと思うのだが、そうなってはいない。だから、あまり面白くない番組が多い。。。


近況報告 2009/3/15

こちらのページが10周年。おめでとうございます。私の方は日々の生活を言い訳に、全然更新していない。いかんいかん。で、新しい企画計画中!

・最近読んだ本『靖国神社』(仮説社・板倉聖宣)BOOKOFF105円。「ミニ授業書」シリーズの一冊だそうだが、生徒に「実は靖国神社には、坂本竜馬も祀られています!」と言ったところで、そう食いつきがよいとは思えない。もちろん歴史的には重要な内容もあるので、どう授業に取り入れていくかは難しいところでして。

・最近読んだ本『あぁ、監督』(野村克也・角川oneテーマ21)結局読んでる野村克也。「他人の批判も結局は自分の自慢でしめるか」と思う場面もしばしば(その辺りは佐々淳行著書の読後感に似る)。しかし、タメになると思う内容や、野村克也にしか書けない内容がそこにあるから、ま、結局読んでいる。にしても、角川新書は野村克也出し過ぎでは?

・最近読んだ本『痛快!憲法学』(小室直樹・角川インターナショナル)憲法を理解するため、まずは世界史やら宗教学やら経済学やら、様々な理解が必要になる。ということで、それを小室節で分かりやすく説明をしている。世界史も宗教学も経済学も私はまともに勉強していないので、今後さらに勉強する柱を作って頂いたような感じ。


日本テレビとテレビ朝日 2009/2/26

・モクスペ!で「木曜スペシャル」の映像を出しまくっていた。刮目すべきは、テレビ朝日と違い、一般人に画像処理を全く行っていない点である。某局の50周年番組より、本気なところが伝わる良い特集だった。

・ウルトラクイズの映像が、あそこまでまとまって出てきたのは初めてではないか。おそらくファンのブログは相当盛り上がるであろう。ドロンコは「史上最強の傑作選」あたりとかぶっていた内容が多い。初見の映像は無かったが、それなりに満足。

・長嶋茂雄と石原裕次郎の共演。佐藤孝吉氏の本で読んでいたので知っていたが、実に良い映像であった。

・最近、授業で歴史学を取り扱ったのだが、その際「昔日本テレビの番組でピラミッドを作った云々」という話をしていた。これも佐藤孝吉氏の本で読んでいた。つい昨日もそんな話をした。まさかこんなすぐその映像を見られるとは! 実にいい映像であり、この番組をBS日テレとかで再放送してくれないものか、と思ったりして。

・どっきりカメラは、まだまだ過激な映像が残っているはずだが、比較的ソフトなものに限っていたようである。雪に埋まった林家ぺーさんとか、銃を向けられる玉川良一とか。


近況報告 2009/2/26

・「ガリベン!」が終了。殆ど見たことがないが、印象に残っているのは、特番枠で放送していたとき、勉強してきた成果を超早押しで答えようとする解答者の姿。それに対して東野さんが言った一言。「これのどこがおもしろいのでしょうか!」。名言だ。

・「大胆MAP」終了。ま、晩年は大胆でもMAPでもなかったので、終了は当然か。

・久しぶりに「さんま御殿」を見た。たまたまかもしれないが、驚くほど面白くなかった。バラエティにお金が無いのが原因なのか、菅賢治氏が偉くなったのが原因なのか。

・某誌に「さんま師の、人の話を聞かない司会ぶり」という揶揄があった。要は、制作費がないから、さんまさんに気を遣わせないキャスティングができなくなっている、ということでしょ。今回もとにかくゴリさんや肥後さんにふってたし。さんま師の力が落ちた、という証明にはならない(落ちたのかも知れないが)。

・やっぱりアタック25は、パネル取りミスが多すぎて、やや興ざめる。少しくらいならドキドキもするが、許容範囲を超えている。

・最近読んだ本『家庭づくりの修業』(野口芳宏第二著作集)うーん。いまいち。

・最近読んだ本『医者にウツは治せない』(織田淳太郎・光文社新書)BOOKOFFで買っといた本。医者がウツ的症状に対し、安易に投薬をすることへの批判。医師の介入による状況の悪化の事例。この辺までは付いていける。しかし「呼吸法で改善する」が結論だと言うところまで来ると、「何で最後まで一生懸命読んでしまったのだろうか」という後悔ばかり。事例としては興味深い話が多いのだが、個人的に接した人(元からの知人)に関する話ばかり。一般的な「ウツ」に関する情報を知ろうとする場合は、あまり適さない本か。あくまでも読み物として。


近況報告 2009/2/18

・R−1ぐらんぷり。中山功太さん・エハラマサヒロさんへの高評価には納得。どうもフリップをつかうネタは違和感を感じてしまうので。

・昨日のアタック25。パネル取りミスの連発の典型。これでいいのかアタック25。

・最近読んだ本『俳句発見』(坪内稔典・富士見書房)新聞の俳壇の批判やら評価やら、虚子の批判的評価やら、金子兜太批判やら、とにかく俳句のタブーを淡々と述べる凄まじい本。

・結社に閉じこもってしまっている俳句の現状と、新聞俳壇で繰り広げられる十年一日の月並調俳句のオンパレード。クイズと大して変わらない俳句の現状に、真剣に抗おうとするネンテン先生の姿。感動。

・クイズで言えば「オープン大会という閉鎖的クイズ大会に閉じこもってしまった現状」と「自称クイズ番組で繰り広げられる、似たような問題のオンパレード」。

・俳句における「取り合わせ」を最上とする価値観で、ぶれない批評を貫いている。これになぞって、クイズにも「取り合わせ」は存在する、と言いたい。ただ、最上の価値といえるかどうかは疑問だが。

・最近読んだ本『学級づくりの修業』(野口芳宏第2著作集5/15)担任としての経験を詰め込んだ貴重な内容。あまりやったことはないが、「文集作り」の在り方は参考になる。それ以外の感想は、企業秘密。


近況報告 2009/2/11

・漢字検定儲けすぎ疑惑。もっと何ぼでも刺さって報道できると思うのだが。例えば、これ、なんだい?

これも意図不明。なぜ漢字能力検定協会が読書感想文を主催しなければならないのか? なんかありますねえ。

こういうこともしている。平成18年は、なんと14作品も応募されたらしい。平成19年が何作品応募されたかは不明。

・とにかく、このところ何処へ行こうとしているのか漢字能力検定協会。テレビや新聞での扱いがやけに小さいような気がするのだが。特に朝日新聞。日本テレビは、結構ちゃんと取り上げていた。うーん、漢字検定ブームに乗ったテレビ局かそうでないかの違いが、はっきりしているわけで。

・最近読んだ本『学校づくり修業』(野口芳宏第2著作集5・明治図書)最近「校長」や「元校長」が書いた本が幾分見られるが、どれも「管理職としてどうあるべきか」を自省的に述べたとは言い難い本が多い。この本は自省的。

・面白いのは、「研究紀要」のあるべき姿や、研究会の話し合いを高める手法などについての記述。案外そういうことを述べた本は少ない(というか、私は見たことがない)。国語の教師なんだから、話し合いを上手にしましょうよ、というような内容の発言には、全くもって同意見。と同時に、反省ひとしきり。

・私は現在、秋田県の高校教育研究会(というのが実はあるのです)の国語部会の研究部員をしている。なんとか今までより活発な研究部の活動をできないか、と思案中。そんな自分の気分に存分にマッチした本だった。

・で、来年度の研究部会では「こころ」(夏目漱石)の授業法について、1年かけて研究することに決定した。別に「羅生門」でも「山月記」でも「舞姫」でも、何でも良かったのだが、(特に若手の)国語教師の心にグッと来るのは「こころ」しかない!という論法。

・テレビ朝日50周年。中山律子パーフェクトについては、大変面白く拝見した。やればできるじゃん!と思っていたら、猪木とアリの対決は編集しまくり。全部見せるんじゃないのか! で、またガッカリ。

・「エンタの神様」と「レッドカーペット」、どっちを取るかと言われると、最近「エンタ」を選びそうな自分がいる。


近況報告 2009/2/6

・にしても、シルクさんには笑わせていただきました。ちなみに、シルクさんは『遺書』(松本人志)の英訳をしたことで有名(ではない)。

・最近読んだ本『漱石と三人の読者』(石原千秋・講談社現代新書)買ったまま読んでいなかったが、気づいたら4年以上放っておいてしまった。現代新書が今のような装丁になった始めの頃の本である。漱石が想定した読者が3種類いたはずだ、という論は、かなり面白い。それも「虞美人草」の失敗、「三四郎」での完成。「こころ」の分析など、テキスト論の著者には珍しく、漱石の人生に沿って作者論を展開する興味深い内容。面白かった。また、日本の近代小説の流れがつかめるのもおいしい。

・ただ、実際はそれぞれの小説の分析だけで1冊の本が書けてしまうほど膨らみそうなので、いささか物足りなさは残る。我々がこの観点で漱石を読んでいく楽しみを残してくれた、ということか。

・私は大学で「三四郎」(後半は「坑夫」)のゼミに出ていた。野々宮が美禰子に「かねやす」というお店(これは、今も実在する)で買ったリボンを送るエピソードがあるが、同級生が「かねやす」で当時リボンは売っていなかったという事実を突き止めた(今は売っているようだ)。当時は「ふーん」くらいにしか思わなかったが、これが本当だとすれば、案外重要な指摘なのではないか、と思うようになってきた。というのは、当時の東大の学生は、「かねやす」でリボンが売っていないことを、知っていたと思われるからだ。ではなぜ、漱石はそのようなフィクションを作ったのか。というか、そのことで誰を挑発したかったのか。多分、本書中「顔の見える読者」に違いない。

・最近読んだ本『史上最強の論理パズル』(小野田博一・ブルーバックス)『推理パズル100題』もあと3問となった。いずれ劣らぬ難攻不落。それに比べれば、簡単すぎて簡単すぎて。だから、「史上最強」ははっきり言って言いすぎです。


近況報告 2009/2/4

・「雑学王」50年分の雑学バージョン。企画ありきで進めて、問題作成者がめちゃめちゃ苦労する、という見本のような番組構成。

・50年分の雑学、という企画が、何処からか持ち上がったのだろう。ところが、50年の出来事に関する雑学問題は、既に何処かで聞いたことがある物ばかりしか作れない。そこで、「とりあえず、無理にでも年号を銘打てばいいから」位の気持で作った問題を出題したのではないか、と。年号を銘打つ必要のある問題は、ほとんどなかった。

・にしても、スペースシャトルと飛行機と鉄道・駅に関する問題の多いこと。本当にネタに苦しんでいる姿が伺える。

・だいたい「50周年」を大々的に銘打ってまでする必要のある企画が、そんなにないことが問題なのだ。基本的に、金がないからこういうことになる。そしてもうひとつ、企画を新たに考え、画期的な特番を組もう、という意欲も、あまりないようである。残念。

・最近読んだ本『白川静』(松岡正剛・平凡社新書)白川静の概略を見るのに便利な本。白川氏の著書をぱらぱらとしか呼んでいない「えせ白川派」の私は深く反省。そろそろゆっくり読み込んでみよう。

・最近読んだ本『愛国者は信用できるか』(鈴木邦男・講談社現代新書)2年くらい前に半分読んで頓挫していた。『夕刻のコペルニクス』以来の鈴木邦男氏。女帝論議華やかなりし(?)頃の文章なので、やや懐かしい。三島由紀夫が女帝容認だったことに対し、その理由を様々憶測している部分がある。このように本編には推測の域を出ないような内容も多い、ように見える。わざとそう見せるように書いているのかも知れない。本当は情報ソースがあるが、それを語れないから、とか。

・ただ、鈴木邦男氏の経験と、そこから感じたことを誠実に書き記している点で、読むべき部分も多いかもしれない。竹中労に触れた部分もあるが、『大杉栄』(現代書館版と筑摩文庫版がある)は必読。昭和史好きの私としては、北一輝の本も大川周明の本もあまり読んでいないことを反省。


近況報告 2009/1/31

・テレビ朝日の50周年番組が昨日から始まっている。一瞬だけ期待したが、「Mステ」スペシャルで「昭和のもう一度聴きたい歌」の2位になぜか「My revolution」(渡辺美里)が入った時点で、期待はオシマイ。百歩譲って1位の「I LOVE YOU」(尾崎豊)はいいとして、2位がこれなわけないじゃん。ちなみに3位は「いとしのエリー」。

・「タモリ倶楽部」総集編も、最近の映像に特化しており、全く放送意図不明。ま、最近は肖像権のことでそもそも再放送しづらいから、仕方ないか。それが分かっていながら、ほんのちょっぴりでも期待して、SPモードで録画した私が全面的に悪い。

・ウルトラクイズの再放送を期待している声をよく聞くが、使用楽曲やゲストクイズの肖像権などの理由で、ほぼ100%不可能と思われる。「挑戦者の肖像権」云々を再放送不可能の理由として挙げる論調をたまに見かけるが、「参加規定」を読んでいないのだろうか。そういった権利はすべて日本テレビに帰属しているのだが。

・どうでもいいが、香田晋はなぜヘキサゴンUに最近でないのだろうか。

漢字検定体験記というのがある。立ち読みをしたが、、、うーん、、、こりゃ「漢字検定協会、もうけすぎ」と批判されても仕方がない。おおかた「PRESIDENT Family」(プレジデント社)の売れ行きが好調なのを受けて出版したのだろう。漢字検定2級(準2級の人も!)って、人生を語らねばならないほど、目標として高く険しいものなのだろうか。はっきり言うが、2冊も問題集をマスターすれば絶対受かるんだから。


近況報告 2009/1/27

・朝青龍の一連の報道を見ていると、結局「勝ったら何でもええんかい」てな感じ。あんなに批判していたのは何だったのだろうか。無抵抗の相手にだめ押しをしたり、土俵上でガッツポーズをしたり、二日酔いで記者会見に遅刻したり、批判する材料には事欠かないと思うのだが。今考えたら、批判していた内容も「けいこ総見で負けたこと」に尽きる。あれを見た子供達が、「勝ったらどんな人でも認めてもらえるんだ!」とか考えたら、どうするつもりなのだろうか。

・勝てば官軍なのはオバマ大統領も同じか。まだ何ひとつ結果を出していない大統領を、あそこまでみんなで持ち上げるのも気持ちが悪い。別に親日派でもないオバマ氏就任って、そんなに日本人が歓迎すべき事なのだろうか。

・最近、テレビでどんどん新たな「東大生タレント」が生まれている。東大生の安売り。たいして教養のない東大生も出ているからタチが悪い。福留氏の名言「東大も数が少ないからいいようなものの、こんなに束になってるとなんとつまらないことか!」。

・最近解いている本『推理パズル100題』(田中潤司・大泉書店)クイズ好きには「アタック25のカバーで紹介されている本」といえば伝わるのか。1986年頃購入した本だが、当時は難しいような気がして手を出していなかった。この本は90問目まで解答と解説がついているのだが、91問目以降は答えを載せていない。10問は自力で解け、というわけ。

・ネットで検索しても、この本のことを語る人は少ない。誰か答えを掲載している人はいないか、と思って探しても、ほとんどいない(95問目だけは答えを載せている人を見つけた)。なら、私が答えを掲載してやろう、と今考えている。

・私にとって推理パズルは、数学の難問(答えがある普通の問題)を解くのに似ている。使える道具・武器が限られた中、どうそれを使っていくか、どうするのが近道なのか、遠回りこそ近道なのではないか、などと考えるのが楽しい。

・この本のすごいところは、90問目まで比較的オーソドックスな推理パズルなのだが、91問目からは新たな仕掛けが少しずつ組まれているような気がするところである。今になっても古びない仕掛けがこっそりと忍ばせてあるのが憎い。

・ま、もしかしたら既成のパズルの引き写しかも知れないわけで、その辺は分からない。パズルの世界にも引き写し・パクリは多いからのぅ。クイズと同じだ。

・残り8問、解くのに何日かかるのかわくわく。


近況報告 2009/1/25

・漢字検定協会が、儲けすぎだというので批判されているらしい。ま、検定料が高いのは明らかだから、仕方ないか。

・最近読んだ本『不機嫌な職場』(共著・講談社現代新書)サブタイトルが「なぜ社員同士で協力できないのか」。職場の崩壊は人間関係の崩壊であることを説いた本。よくあるような、単なる成果主義批判ではない。実例を知るために読む分には有用かな、と。


近況報告 2009/1/21

・常用漢字表を新しくする議論の中で、今度加えられそうな「謎」「遜」「遡」がいわゆる「2点しんにゅう」になるというので話題となっている。既に印刷書体として用いられている字体をそのまま使えるようにするため、常用漢字の中で「同じ部首を違う表記で表すことがある」という状況が生まれてしまうのである。

・そのことについては、文化審議会国語分科会でも、それなりの議論はあった(阿辻哲次氏にはがっかりだったが)。

・同じ部首を違う表記で表す、という状況は、現在でも「常用漢字」と「表外漢字(常用漢字に入らなかった字)」でも見られることだ(例えば「神」と「祠」のしめすへん)。事の発端は、明治時代。活字を作るときの字体は、「康煕字典」と呼ばれる中国の昔の辞書の字体に合わせた。ところが、この辞書が「楷書の基礎を踏まえていない」ことで知られている。早い話、実際に書く文字と字典に載っている字体が違っているのである。

・つまり、活字体と書写体には、微妙な違いがある。まず、ここを踏まえる。

・さて、現在常用漢字表を新しくしようと言う議論が行われているが、その表に描かれる字体は、あくまでも「印刷に使う活字の標準字体」である。もっといえば、いくら常用漢字表が変わろうが、手書きの字体が変化することはない。しんにゅうは、昔も今も、常用漢字もそうでない漢字も、「1点しんにゅう」で書いてきたのである。今回の常用漢字表試案にも、そのことははっきりと記されている。

・だから、よく話題になる「辻」のしんにゅうの点がいくつあるか、などという話は、本来全くナンセンスな話である、はずなのだ。

・ところが今、普通の人はたいがい「活字の字体」が書くときのお手本になる字体である、と考えているようなのだ。だから、活字で「2点しんにゅう」になっている字を、黒板に「1点しんにゅう」で書くと、間違っていますよと言う指摘を受けたりする。こちとら漢字検定1級でい。間違うわけねーだろ、と心の中で思いながら。

・そろそろ学校でも「手書き」と「活字」の違いを、強く指導して行かねば、と思う。思うのだが、はたして国語教師の共通認識として、「手書きと活字は違う」ということが、どこまで理解されているのだろうか、疑問である。活字と違った字体の字をかいたら、間違っているというので、バツにされる子供達がで出るかも知れない。結局、常用漢字の運用のために、せねばならないことは相当多いのである。


予想 2009/1/16

・センター試験国語。小説の予想は川端康成で。


近況報告 2009/1/14

・家で本を整理していて、分かる人にしか分からない、小さな発見を2つほど。先に書いておくが、本当に分かる人にしか分からない。

・以前、「第9回ウルトラクイズのオーランドは、放送上2ポイント先取となっているが、本当は3ポイント先取だったのではないか」と疑問を呈したことがある。理由は(1)1ポイントとった人に対して「リーチがかかった」という言い方を福留氏がまったくしていないこと。また、ポイント数を言う場面がほとんど無い。(2)2ポイント先取にしては、みんなガンガン誤答していること。(3)太田さんが途中までピエロを1つつけていたが、急に無くなっている。彼がジェットコースターに乗ったシーンがカットされているに違いない。ということは、その間に数問カットが行われているはず。

・しかし、家で久しぶりに「ウルトラクイズ(9)」を見てみたら、本の中では「3ポイント先取」ということになっていた。なーんだ。にしても、第14回レイクミシガンは、放送では2ポイント先取だが、本には3ポイント先取と書いてある。ただ、こちらの方は福留氏が放送ではっきりと「2ポイント勝ちぬけ」と言っている(後で録音し直したのではないような気がする)。3ポイント先取だと編集が難しい、と思う。あのルールでは、3ポイント勝ちぬけにして時間がかかったり、問題数を消費したりするのは危険でもある。つーことで、こっちの方は結局2ポイント説を採っておきたいような気がする。

・あのねのねの歌に「さよならの唄」というのがある。この歌の歌詞に「天地真理ならよいけれど/○○まさこなら、ちょっと困る」という部分(○○はCDで音声が消されている)があるのだが、○○が何という名字なのか、以前から気になっていた。『封印歌謡大全』という本の中で、「大屋政子」と推測していたのだが、時代的に言って無理があるだろうと考えていた。

・ところが、家にあった「あのねのね」の本に、はっきり歌詞が書いてあったのである。答えは京塚昌子。で、ヤフーで検索をかけてみたら(「ヤホー」という言い間違えの何処が面白いのだろうか)、その事を指摘している人がいた。『封印歌謡大全』の取材の浅さが露呈。

・最近読んだ本『ザ・ベストテン』(山田修爾・ソニーマガジンズ)資料的価値はこれの方が圧倒的にあるが、今は手に入りにくい。買っておいてよかった。テレビの一番おいしい時代に間に合った世代の一員として、こういう本はグッと来る。テレビが面白かった理由を語りつつ、今のテレビが面白くなくなっている理由を浮き上がらせている、と考えるのは穿ちすぎだろうか。ま、全放送ランキングだけで60頁費やすのはずるいと思うが。

・この本の中で、筆者がトランペットをもらった「おとや」くんというのは、ほぼ間違いなくこの人のことだろう。ちなみに『テロルの決算』(沢木耕太郎)は名作だから読むように。

・最近読んだ本『家事検定 公式ガイド・模擬問題集』(主婦と生活社)ブックオフ。読み始めて、一気に飽きたので、珍しく流し読み。

 

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