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バーチャル実況中継


 参加された14チームの皆様、無事に完走おめでとうございます。作成者が9月末まで日本ロマンチック街道クイズラリーの作成に手をとられてしまい、例年より短い期間で作成したので設定や運営にミスがないか心配でしたが、大きな問題もなくホッとしています。今回の大会の記録として、以下に実況中継風に当日の模様を再現してみました。作成時の裏話や、各クイズの講評も交えましたので、当日を思い出しながら読んで頂けたら幸いです。

スタート〜1CP
 天気予報通り雨の中のスタートとなった。今回は初参加が5チーム、うち4チームはコマ図走行自体が初めてとあって、ドラミではいつも以上に丁寧な説明を心懸けた。そのせいで慌ただしい中でのスタートとなったが、スタート近くにあるクイズTbはドラミ前にしっかり解き終えていたようで、順調に全車スタートを切った。しかしそのクイズTbのすぐ横にクイズTxの1つ、「車地蔵堂」があったことに半分のチームが気がつかなかった。

 八王子市内のルートは、市街地ながら多摩御陵や浅川沿いの雰囲気の良い道を通したが、果してドライブを楽しむ余裕があったかどうか。コマ図が数キロ置きに登場するので、初心者でも落ち着いて対処できたと思われる。スタートで渡されたクイズUbは、橋の下やトンネルを数える単純なものだが歩道橋を数え忘れたチームが多かった。しかしまだ余り差はついていない。

 最初の距離計測ポイントであるACPは、作成当初は稜南公園臨時駐車場の中に設けていた。ところが開催1週間前に東京都のランバイクのイベントにより占有されてしまうことが判明。ここで出題していた3問の代替をいろいろ検討したがいずれも駐車場所を確保できず、単に距離計測を行うだけの場所となってしまった。八王子市内を2時間以上走り回り見つけたクイズポイントだっただけに、残念だが仕方がない。来年公開する番外編で拾うこととする。

 1CPにはほぼゼッケン順で到着すると思っていたが、なぜかゼッケン4のエクレア1号チームが9番目の到着。常連チームなので、ミスコースしたのではなくかなり慎重に走行したのだろう。成績も殆ど差がつかない区間のはずだったが、距離クイズで減点を重ねてしまったすったもんだランサーチーム羊の皮をかぶった狼チームは、出遅れた格好。一方、昨年の覇者チーム新ともは、連想クイズ以外は完璧にこなし早くも単独首位に立った。これにエクレア1号チーム中古でGO!チームヤッパリオジサンズチームが僅差で後を追う展開となった。注目のビギナークラスでは、SSLグランドチームが同点5位となかなかの滑り出しを見せ、ホームページを隅々まで予習した成果が早くも出ている。


1CP〜2CP
 この1CPからSAQRらしくなる。本格的な(=ひねりの入った)クイズは、ここ1CPの小峰公園から始まるのだ。まずは、鳥の名前の漢字検定がビジターセンターの壁に10問貼ってあり、私が何問正解したかという当て物クイズ。不条理な問題と思われるかもしれないが、勝負は時の運とも言うし、誤差減点なので大きな差はつかないはず。結果は、14チームもいてなぜか正解の6問を当てたチームはなく、各車1〜3点の減点を受けた。次は公園を少し歩いてもらい鳥の鳴き声が紹介されている看板からの出題。「ウソとしか思えない鳴き声」とは何だろうと思われただろう、しかし何のことは無い、「ウソ」という鳥の鳴き声をそのまま答えることになる人を食ったような問題であった。

 追上車が小峰公園ビジターセンターを覗いてみると、休憩室で大人たちが大勢で図鑑を一生懸命調べている光景を目にした。何事かと思ったら、クイズUc(写真を見て花の名前を答える)をここで解こうとしていたのだ。これは予想していなかったが、天候が悪かったために一般入場者が少なく、幸い迷惑にはならなかったようだ。

 連想クイズは、ここまで「りんどう」「甲州街道」というヒントしかなく、さすがに正解者はまだ出ていない。テーマの「秋」に惑わされたと思われる「秋の七草」という解答が多かったが、一方でヒントを無視した「五郎丸」「体操ニッポン金メダル」という解答まで飛び出した。各車は、花の名前や連想クイズに悩みながら、ルートは徐々に山間に入っていき、秋川街道もいつしか檜原街道に変わる。やがて2CPであるふるさと工房へ到着。ここではドラミで予告した通り、和紙の染付体験が待っていた。今回説明をして頂いたのはボランティアの小澤氏で、事前に2回ほど段取りを打ち合わせたり、料金を割り引いてもらったり、最大限ご協力を頂いた。和紙を三角形に折りたたんで、広げたらどうなるかを想像しながら好きな色を重ねていく、センスを問われる作業だ。採点は表彰式会場で人気投票の形で行われるので、最後の逆転劇を演出することになるかもしれない。

 この区間の区間賞はすださんちver20.0チーム。各クイズを最少減点に抑え、総合4位に浮上しヤッパリオジサンズチームに並んできた。一方、つれづれチームは花の写真クイズでの減点7が響き、5位から9位へ転落してしまった。他のチームには大きな順位変動は無く、勝負は後半戦へ。


2CP〜3CP
 連想クイズのヒント「市制10周年」と聞いて、ようやく「甲州街道沿いのりんどうに関係する市」とヒントがつながったようで、7チームが正解を得た。しかし残りのチームは「八王子市」「西東京市」「秋川市」「大月市」「北杜市」「南アルプス市」とバラエティ豊かだ。さて、この区間のポイントの1つは、2CP先約2kmにある観光用駐車場からの出題だ。クイズTとしては、滝のイラスト、時計が丸い理由、そしてxクイズ。更にはここの時計の名前「ゆりーと」と湿度計の2問が記憶力クイズで後ほど出題されている。ただクイズTは殆どのチームが正解したため、クイズUの連想クイズが大きく影響することとなった。

 この連想クイズを最少減点に抑えたヤッパリオジサンズチームだったが、あろうことかクイズTで大叩きしてしまい、総合順位は4位から一気に9位へ転落、2年前の上位入賞の再現はこの時点で難しくなった。最初は好調だったSSLグランドチームは、徐々に集中力が落ちてきたのか成績が下降気味で、ビギナークラスのトップをチームL6に奪われてしまった。

 このあたりまで来ると交通量も少なくなり、奥多摩方面との分岐を左に折れ上野原方面へ南下を始めたところで3CPが登場する。ここの担当オフィシャルの田中さんは、いつもなら実技クイズ担当なのだが、今回はオフィシャルの人数が足らず3CPを1名でこなすことになってしまったため、用意していたクイズUfを実は取りやめていた。

 ここまでチーム新ともが首位をキープしているが、実はずっと1点差でエクレア1号チームが続いている。勝負の行方は早くもこの2台に絞られてきた。



3CP〜4CP
 クイズUgで再び数えものクイズとなるが、指定されたものが両方登場する区間があり気を抜けない。ここで痛恨のミスをしたのが、チーム新ともだ。多くのチームが減点1以内に収める中、数え漏れがあり減点3、これがあとあと響くことになった。もっと派手にミスを犯したのがTeam-BBSで、裏向きも数えてしまい最大減点10点を受け撃沈。また連想クイズは上位陣の中で唯一すださんちver20.0チームがいまだ正解できず、これも最終成績に影響することに。

 数えもの区間が過ぎると、4CPの前にふるさと長寿館が登場し、ここで距離計測とクイズT解答を行う。ここでは先行車と1CPから合流したオフィシャルが賞品の買い込みを行っていたのだが、予定より早くカーオリバトラーズチームが到着したため、慌てて商品を車両に積み込み出発する一幕があった。

 長寿館では油断できないクイズが3問。5番目に高い山の標高では、ちょっとイラストのタッチが異なる富士山を数え漏らすと不正解になる。年齢区分別の人口変動理由は、普通なら出生と答えたくなるところだが「高齢者の」と対象を絞ってあることに気付かねば正解を得られない。そしてxクイズの「ハンドルキーパー」標示。これが長寿館入口の地面にペイントされており、意表を突くような設定。この3問を減点0で切り抜けたのは4チームだけだ。その中の1つ、つれづれチームは前区間から連続で区間賞と調子を上げてきた。総合順位も一時の9位から5位へ挽回だ。

 区間賞はもう1チームあった。ここまで2位をキープしてきたエクレア1号チームだ。満を持して1位に躍り出た形だが、2位とは僅か2点差であり予断を許さない。


4CP〜5CP
 いよいよ最終区間となる。恒例の記憶力クイズでは、軍道紙の看板の色と、トンネルの間にあったヘリポートが難しかったようだ。クイズTでは、八米橋手前の私有地でのクイズがこの区間のポイント。この私有地は、たまたま試走中に発見し事情を説明して協力を申し出たところ、快諾を頂きコースに取り込むことができたもの。このイベントを開催して26年になるが、個人の私有地をクイズ出題場所としてお借りしたのは初めてである。2つ返事でどうぞ皆さんで見ていって下さい、と言われるあたり、さすがお金持ちと感じ入った次第。それにしても様々な石像やらオブジェやら、クイズの宝庫で出題を絞り込むのに困ったほど。

 ここまで苦しい戦いを続けていた羊の皮をかぶった狼チームは、何とか全区間最下位を免れた。が、時すでに遅く他チームとの点差は大きく開いてしまっていた。すったもんだランサーチームは、大分から遠征の疲れも見せず途中追い上げる場面もあり、上位ではないものの昨年の雪辱を遂げた。同じく昨年の雪辱を果たしたい中古でGO!チームは、ここまで安定して上位をキープしていたが、記憶力クイズの出来が響きこの区間11位と失速、総合順位を同点5位に落としてしまった。

 優勝争いの行方はどうか。チーム新ともエクレア1号チームとの点差を1つ詰め、順位は変わらないが1点差となった。残すはふるさと工房で染付けした作品の人気投票のみ。


染付作品の人気投票、そして最終成績
 多くのチームが5CPにある風林亭の創作うどん料理に舌鼓を打ち、その後表彰式会場に移動して順に染付作品の人気投票を行った。上位6作品に選ばれなければ、一律8点減点となってしまう。

 果して投票の結果やいかに。上位3チームのここまでの減点が、16、17、24となっており、この人気投票次第でこの3チームの中から優勝が決まる。だが今回はドラマは無く、3チームとも人気投票で減点8を喫したため、エクレア1号チームが1点差のまま逃げ切った。このチームは過去12回参加し何度も上位入賞していたが、ようやく初優勝を遂げた。昨年大会では、優勝したチーム新ともと2位のエクレア1号チームは1点差だった。何と今年は同じ1点差で順位が逆という、2年連続での接戦を演じたことになる。

 他のチームはどうか。最下位が確定していた羊の皮をかぶった狼チームが、驚くことに人気投票でダントツの1位を獲得した。ただでは終わらない、さすが狼というだけある。なお1チームを除いた上位7チームはすべて減点8を受けた。つまり、総合成績と芸術センスは反比例することが判明した。その例外の1チームがすださんちver20.0チームで、人気投票2位を獲得し、総合3位に滑り込んだ。結果論だが、交通標語クイズで看板の裏に気付いていれば実は優勝だった。また後半のクイズの出来は良かったが順位を上げるまでには至らなかったチームL6マリモスターズチーム、初参加で上昇のきっかけをつかめなかったリーサラスペシャルチームを含め、中位以下のチームは大きく順位を変えずフィニッシュ。

 なおワンデーイベントならではのクイズの出来だけを集計すると、Team-BBSがトップだった。連想クイズ、記憶力クイズ、染付人気投票、お金持ちの庭での出題を集計してみたもの。次回からは何らかの表彰を検討したい。

 表彰式は、ビギナークラス優勝のチームL6、総合優勝のエクレア1号チーム、以下成績順に好きな賞品を持ち帰ってもらい、30分遅れとなったのは恐縮だが無事大会を終了した。賞品確保にご協力頂いた、宮ヶ瀬湖のレストラン「オレンジツリー」様、同じく「オートバックスセコハン市場めじろ台」様、特別に作品指導を頂いたふるさと工房のボランティア小澤様、品薄のところ「せいだのたまじ」を手配頂いたふるさと長寿館様に謝意を表わすとともに、準備や大会運営を手伝ってもらったオフィシャルメンバーにも感謝して、早くも来年の構想を練っている次第である。