ぐるじゃみ福生レポ

ぐるじゃみ@福生学園(2005年2月18日金曜日)

2005年1月31日、大塚WELCOMEBACKでの『Groovy & Jammin'』(以下ぐるじゃみ)ライブにて、ドラムの臼井かつみちゃんから、メンバーにお願いがあると言って話があったのが、今回の福生学園でのボランティアライブ。もちろん、全員快く参加と言うことで、2月18日金曜日にライブが決定。メンバーは関雅樹(ギター)、臼井かつみ(ドラム)、大野弘毅(ベース)、加藤景子(キーボード)、サラ(ボーカル)のぐるじゃみフルメンバー!

福生学園は福生市と武蔵村山市にある知的障害者施設で、今回お邪魔したのは武蔵村山市にある福生第二学園。ここで職員として働く『ひろこちゃん』が、かつみちゃんの友人でライブの話が持ち上がったとのこと。福生学園では音楽療法を積極的に取り入れていて、ぐるじゃみのファンでもあるひろこちゃんが、是非施設にいる利用者の方々にライブの楽しさを味わってもらいたいとのことで実現した。

当日、学園のホームページを頼りに高田馬場から、西武新宿線拝島行きにゆられ西武立川駅に下り立つ。サラも私も唖然、駅の周りに何もない(笑)。あんなに空が広いところに行ったのは久しぶり。ひろこちゃんがマイカーで迎えに来てくれるまで、横田基地にアプローチする米軍の輸送機を眺める。学園につくと、既に他のメンバーはセッティングを終え、リハーサル中。早速サラのボーカル入りでのリハーサル開始。なにしろ、初めての経験なので選曲も手探り状態、本番で成り行きを見ることに。しかし会場が、というか、施設が素晴らしくきれい。ひろこちゃんの話では、まだ5年も経っていないということ。会場になった場所は施設利用者が運動したり、音楽療法に使われる部屋で、まるで郊外のレコーディングスタジオのようだ。グランドピアノまであるし。

リハーサル終了後、施設の食堂で昼食をごちそうになる。時々、食堂のガラス越しに利用者の方が覗きに来る。知らない人がいるので、興味津々なのだろう。昼食後、関くんと弘毅くんと私で、施設の外に一服しに行く(施設敷地内は禁煙のため。当たり前だけど)。しかし、外に出るには鍵を何度も開け閉めしなくてはならない。利用者の安全のためなのだろう。ちょっと緊張した。

午後1時半から、音出しということで会場に入る。普段のぐるじゃみなら、関くんのMCで進行して、かつみちゃん、景子ちゃん、サラとの掛け合いで進行するのだが、今回は始めて見なければわからないので、とりあえず、B♭のブルースで客入りを待つ事に。
一人また一人と各部屋からやって来る。みんな不思議な音が流れてるので、警戒してるみたいな様子。前を向いて座る人、後ろ向きに座る人、逃げ出しそうになる人も、、、。みんなが揃うのにまだ時間がかかりそうなので、続けて枯葉のインストに。やっと落ち着いたところで、ひろこちゃんの挨拶でライブがスタートした。

1曲目は『はじめてのちゅう』。サラビでもぐるじゃみでも、おなじみの曲。知ってる人もいるみたいで、なかなかのノリ。でもまだ状況が掴めず、会場の雰囲気もざわめきがち。2曲目は『七つの子』。童謡だけに知ってる人も多い様で、口ずさんでる様な人も見受けられる。サラも会場のみんなの感じを掴んできたようで、床に座ってみんなの目線で歌い始める。少しずつ、みんなの関心が音楽に向いて来る。3曲目、マツケンサンバならぬ、『ぐるじゃみサンバ』。ここで一気に盛り上げる作戦にでる。サラの提案で、みんなが普段使ってる楽器(いろんな形のシェーカーや、カスタネットなど)が、職員から配られる。サンバのノリに徐々にみんな積極的になってきた。立ち上がって、バンドの前に出て来る人
も、、、。実はここで、サラはちょっと休憩する予定だったが、この盛り上がりをキープするためにもう一曲。4曲目、『トリステーザ』。みんなで一緒に歌おうと、♪らららーら♪を指導しはじめるサラ。多分絶対に知らない曲だろうけど、みんなノリノリだ!立ち上がる人や、踊り始める人もどんどん増えて来る。シェーカーの音もどんどん大きくなる。職員の方々の顔も緩んで来る。私も何故か、顔がほころぶ。本当にみ
んな楽しそうだ。エンディングで曲に合わせてジャンプでフィニッシュを決める人も!私たちが昼食をごちそうになってた時に、食堂を覗いてたあの人だ。5曲目は、インストで『ジョージア・オンマイマインド』。かつみちゃんのドラムに、関くんのギターに、弘毅くんのベースに、景子ちゃんのキーボードに、みんなが目を輝かせてる気がする。こんなに興奮させちゃって大丈夫なのか、ちょっと心配になってくる。6曲目、サラのオリジナル『紙飛行機』。次のSala & TheBeatsのアルバムに収録予定の曲だ。窓の外の景色にぴったりの曲。あとで聞いた話だが、職員の方々に好評だったらしい。7曲目は『見上げてごらん夜の星を』。きらきら星のピアノのイントロで始まる。みんな少し、落ち着いてきたかな?曲に合わせて身体を揺らす。最後の曲も九ちゃんの『スキヤキ/上を向いて歩こう』。もうみんなノリに乗っている。手をつないだり、肩を組んだりして楽しんでくれている。そんな姿を見て、なんだか涙が浮かんでくる。表現の仕方は様々だけど、みんなが楽しそうだ!音楽って凄い!エンディングでは、ジャンプが今ひとつ決まらなかった彼も、最後に決めてくれた。

ライブが終わり、それぞれの部屋に戻って行くみんなの背中を見ながら、よかったなーと思った。中には、なかなか帰ろうとしない人や、キーボードの景子ちゃんに一生懸命何かを訴えてる人も。初めての知的障害者施設でのライブは、こうして無事終わった。私は横で見ているだけだったけど、ものすごいパワーをみんなから貰った気がする。そして音楽の持ってるパワーを見せつけられた。音楽って素晴らしい。それを再度、気づかせてくれた福生第二学園の皆様に感謝の気持ちでいっぱいだ。そして、そんな機会を作ってくれたひろこちゃん、かつみちゃんに感謝!ひろこちゃんの話によると、ライブ終了後も興奮冷めやらず、踊ったり、歌ったりしていた施設利用者がたくさんいたとのこと。また、あんなにスタンディングが出たのは、初めてだと聞き、本当に嬉しかった。

♪仙波


-Salaつぶに戻ります-