木賀幹事長補佐 撮影 風間大幹事長 撮影
「二〇〇四年十月八日、九日 黒部の旅 台風二十句」 十月八日
台風の 円の中なり 黒部行 (出発時)
秋空に 噴煙かすか 浅間山 (上信越自動車道)
酔ふほどに 遠く山霧 バスの窓 (上信越自動車道)
トンネルの 合間に秋の 日本海 (糸魚川あたり)
借景の アルプス隠す 野焼きかな (黒部市あたり)
すすきの穂 揺れてトロッコ 渓谷美 (トロッコ電車・後曳橋)
天と地を つなぐ岸壁 秋深し (トロッコ電車・猫又)
足湯して 見上ぐる山や 薄紅葉 (トロッコ電車・鐘釣)
新米を 食べて今宵の 宴半ば (宇奈月グランドホテル)
十月九日
台風の 進路気にする 目覚めかな (宇奈月グランドホテル)
幾十の 銘酒の看板 刈田道 (立山市あたり)
上り行く 毎に濃くなる 紅葉かな (立山ケーブルカー)
車窓拭き 静かに長き 滝一条 (高原バス・称名滝)
雷鳥の 濡れて出にけり 夢の中 (室堂平)
山紅葉 映す湖 傘の列 (みくりが池)
言葉とは 無力なものよ 峪紅葉 (立山ロープウエイ)
ラーメンを すすり見下ろす ダムの秋 (黒部ダム)
暗闇を 走るトロリー 上は秋 (トロリーバス・扇沢)
帰路の バス窓打ちつくる 雨台風 (中央道)
恒例の ウナギは次回 秋刀魚刺 (横浜・うず潮屋)