第33日目 8月7日(火) 曇り後晴れ
4時20分起床。目を覚ましたら雨が降っていた。今は上がってところどころ青空が見えているが。何度経験しても雨に濡れたテントを畳むのは決して気持ちのいいものではない。濡れると砂や泥が付いて余計に重くなってしまう。
好調に飛ばし旭川に早く着いたので少し足をのばして比布に着いた。7時以降電話料金が安くなるので、それまでアイスを食ベたり絵ハガキを書きながら時間を潰していたため、テント場に着いたのが7時10分、ちょっと遅くなってしまった。
話のネタにと思い、あの有名になった比布神社と比布駅に行ってみた。駅員の話では僕が駅に着く1時間前までピップの会長さんが来ていたらしいが、果たして本当だろうか? ちょっとウソ臭いような気もする。
夕食比布の駅前で315円を出して健康タワシ(あか落し)を買い、銭湯に入った。そういえば今まで何度か風呂に入ったが、ほとんどが露天風呂であったため、タワシでゴツゴシ洗ったのは実に34日ぶり、銭湯では恥ずかしくなるほどアカが出て、少し罪の意識を感じた。でもとても気持ちがよかった。この時の風呂代240円はとても安く感じたものだ。まるで天国に行ったような気がした。僕たちは普段の生活では、風呂に入ることなどあたり前になっていてありがたいということを感じないが、こうして野宿の旅をしていると普段は気付かないことがいろいろ見えてきてたいへん勉強になる。そんな面からも今回の旅は、多いなる収穫だと思う。
シュラフは相変らず汗でベ夕つくが、洗濯済のパンツとTシャツで今夜だけは快適に寝られそうだ。いつもは体がベ夕つくことがあたり前と思うような生活なので、こうさっぱりすると何だか不自然な気になる。今日たくさん走った分、明日は余裕ができたので属雲峡でゆっくりしよう。三国峠のダート越えにも備えられる。
しかし、遂に恐れていたことが起こった。左の足の裏がペダルとすれて赤くなり、もう少しで皮が剥けそうだ。ヒリヒリと痛んで走りに影響しそうだ。加えて膝の上の筋肉が両足とも痛む。何しろここ2日間はハイペースで走ってきたから疲労が溜まってしまったのだろう。明日はのんびりできそうなので安心だ。せっかくの層雲峡、是非とも晴れてほしいものだ。できれば1984m(今年と同じ数字で話題になっている)の黒岳にも登ってみたいものだ。
今夜はテントを張ったのが遅かったので、夕食の後片付けを終え今日記を書いているだけですでに9時を回っている。それも明日に余裕ができたからだ。明日は70kmくらいで済むのではないだろうか。しかし、ひとつだけ不安なのは明日のテント場である。三国峠のほうは比布駅で会った2人組のサイクリストの話では勾配はキツくなく、インナーギアを使うほどではないが、ただホコリが酷いらしい。僕にしてみれば汚れることは気にならない性格なので、ホコリはどうでもいい。
とにかく“百聞は一見にしかず”行ってみれば分かるだろう。そうしたら然別湖や東雲湖が楽しみだ。明日は余裕ができたので今夜は少しのんびりしよう。いつもならすでに消灯の時間を過ぎている。
夕方に比布駅のキヨスクでバイトをしていた女子高生と話をした。女の子と話をするのはずいぶん久しぶりのことだ。その彼女が何と取手(茨城県)のキヤノンのことを知っていてとても驚いた。何しろ僕の家からキヤノンまではすぐ近くなのだから。 消灯9時半。
本日の宿泊地 比布小学校、本日の走行距離 140km (累計 3200km)