The Roosters



"Hey, Mona. Oh, Mona."

I said, "Hey! Hey! Hey, Mona.

Oh, oh oh oh oh Mona."

おいらの言うこと聞いとくれ お前の隣に家を建て

毎日お前を眺めては 垣根を越えてキスの雨

うぉぅうぉぅベイビーたまらない おいらのハートは大騒ぎ

信じておくれよ嘘じゃない お前なしでは死んじまう

このモナの歌詞。ただ単に、ボ・ディドリィの原曲を訳しただけなんだけど、とてつもなくイカしてる。この詞の中に大江慎也のすべてが詰まっていると言ったら言い過ぎだろうか。1981年、18歳の春、私は大江慎也に完璧に叩きのめされた。

大江慎也が率いていた頃のルースターズは、とにかく最高である。音のキレ、曲の良さ、男らしさ、何をとっても最高なのだ。やはり、日本語のロックだからこそ、ここまでノックアウトされてしまうのだろう。同じ北九州出身と言うこともあるのだろうけど、私の場合、ひとつを選べとなると、サンハウスや村八分を抑えて、やっぱりルースターズなのである。

大江慎也の声を聴いていると、なぜか冷静でいられなくなる。はちゃめちゃに見えて、クールでかっこいい。いや、本当は、クールだからこそ、はちゃめちゃに見せることができるんだろうけど。石井聰互監督の「爆裂都市」の中で、池畑と陣内が喧嘩する横で、大江がギターかき鳴らして仲間割れを叱咤するシーンがあるんだけど、あのシーンだけで観る価値がある。

あー、なんかもう、書くことがなくなったなあ。そういえば、ずいぶん前だけど、小田急の狛江駅でバンドの練習帰りに、ばったりと井上富雄さんに出くわした。当然、井上さんは、私が数年来のなんとも愛おしいルースターズ・ファンであること、当然すべてルースターズのアナログ盤を持っているが残念ながらブルートニックだけはレンタル屋で借りてしまったことなど知るよしもなく、コンビニの買い物袋をぶら下げて、涼しげにすれ違って行った。大好きな人たちには、声ってかけられないもんだなあ。