チキンで下痢



先日出張先の御宿からの帰り、特急わかしおに乗って房総の景色を眺めながら、ひとりビールとサラダを楽しんでいた。1つ目の海藻サラダを食べ終わり、割り箸を缶ビールの上に置いて、次のコールスローサラダの蓋を開けようとした時だった。肘を上げすぎて、割り箸が床に転がり落ちてしまった。『げっ』と慌てて下を見たら、そのうちの1本がどうも前の席の下に潜り込んでしまった感じである。車内もまあまあ混んでたんで、あーもういっかと諦め、箸一本だと無理なので、手づかみでコールスロー食べようかなあ、あー先にコールスロー食べときゃよかったなとか悶々としていたときだった。

斜め後ろに座っていた女子高生らしき女の子が、つたつたと歩いてきて、前の席の通路にしゃがみ込んで割り箸を拾ってくれた上に、むふっとか微笑んで箸を渡してくれた。しかも、汚いものを触るなんて感じはまったくなく、旅館の若女将のようにきちんと両手を添えて。こういうときに、至福の幸福感とともに、自分の日頃の行いの良さに感謝する。慌てて後ろを振り向いてお礼を言ったら、友達と一緒に3人組で乗っていたようだ。

おかげでコールスローをつまみにビールを楽しんでいたら、後ろの3人組の話が盛り上がり始めた。どうも3人の内の一人が帰国子女らしく、東京オリンピックのボランティアとして英語の通訳をやるという話をしている。そのうち先ほどの若女将とは違う方の一人が、「ねえ、このお菓子には毒が入っています、ってなんて言うの?」と聞くと、ボランティアガールが、「Here is the poisoned cake.」とか即座に応える。すると残りの二人が「Here is the poisoned cake!」とか合唱しておおはしゃぎするのだ。そしたら、また同じ子が「じゃあさ、このチキンに毒が入っていて下痢した、ってどう言うん?」っと聞くと、少し間を置いて、「I have a barrier because of poisoned chicken」とか言って。そしたら、質問した子が「I have a barrier because of poisoned chicken !」と復唱した後、「かっけー、明日速攻で使おう」とか言って、3人で大爆笑である。それを聞いて危うくビールをこぼしそうになりつつ、『俺も仲間に入れてくれーっ』と心で叫んだ。しかし、誰に使うのであろうか、「I have a barrier because of poisoned chicken」