本を読む


避難所の渡波(わたのは)小学校の2か月半の生活で
結局本を一冊も読まなかった。
渡波小学校では、夕方4時になると暗くなる。 
夜は電気がなく暗いので本を読むことができない。
寒さで朝4時には目が覚める。 朝、本を読もうとしたが、
文字を目で追うことはできても、なぜか本の内容が頭に入らない。

避難所に入り2−3日後から数週間、話し言葉が若干もつれ気味になった。
頭に話したい内容が浮かんでも、適切な単語が口から出てこないことがしばしばあった。
これは私だけでなく、私の周辺にいた人がそのような状態となった。


本を読めるようになったのは、避難所の渡波小学校を出て、
自宅2階で暮らすようになってからである。
もちろん電気はない。
新しい本(これまで読んでいない本)を読もうとしてもなかなか頭に入らない。
だから、既に読んだことのある本を読んでみた。
内容が既にある程度わかり、論理が明快で、
面白く、読み易い本を読むようにした。 どの本も通読はできなかった。
面白いところがあれば、何度も同じところを拾い読みしながら読んだ。



3. ”劇的”とは     木下順二著       岩波新書






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