ポプカ:今度は三つのエンジンを止めちまうんだ! クロノア:行くぞ!
ポプカ:うっしゃ、こいつだ! クロノア:えーと、どうやって止めれば…。 ポプカ:めんどくせェ! そこのブッピィ、エンジンに放りこんじまえ!
ポプカ:おー、いー感じに爆発しそう。 クロノア:よーし、あと二つ…。 クロノア:って、ここで爆発しそうってコトは…? ポプカ:に… クロノア:逃げろォーっっっ!
クロノア:うわああああっ! クロノア:ぉう! クロノア:タット! タット:言っとくけど… レオリナをいじめたアンタなんか 大っキライなんだから。 ポプカ:フーン…おまえ、ケッコーいいヤツだな。 タット:フンだ! いくよ!
クロノア:そら来たぁ!! クロノア:よぉし あと一つ!
クロノア:タット! タット:きやすく呼ばないでよ!
クロノア:ここが、“五つめの国”…。 ロロ:まにあわなかったの……? レオリナ:いや、まだだ。 レオリナ:箱船は道をひらくだけだ…ヤツを… 哀しみの王を倒せば、まだ世界は救える。 クロノア:哀しみの王…。 ロロ:…行きましょう、クロノアさん。 哀しみだけの世界なんて…まちがってる! レオリナ:うぐっ……! レオリナ:チ…こんな痛み…。 クロノア:レオリナはここに残ってて。 クロノア:大丈夫。きっと、勝つ! レオリナ:……フフ、空賊レオリナ様をなめるなよ。 なに、すぐに追いつくさ。
夢の声:助けて…助けて…助けて… ロロ:だれ? クロノア:わからない。 でも…ずっと僕を呼んでいた。 僕に助けをもとめていた。 ロロ:助けを? クロノア:行かなくちゃ。 そこに…答えがある!
クロノア:おまえが、哀しみの王か! 哀しみの王:…倒しに来たんだね。 クロノア:……。 哀しみの王:哀しみを…… つぶしに来たんだね、クロノア。 クロノア:…! ロロ:なぜなんです。 ロロ:<五つめの鐘>を出現させて、 世界に何をしようとしてるんです! 哀しみの王:出現した? ちがうよ。 <五つめの鐘>は最初からそこにあったんだ。 哀しみの王:ずっとそこにあったのに、 君たちは見ようとしなかったんだ。 クロノア:え? ロロ:最初から…そこにあった…? 哀しみの王:人は哀しみにであった時、 それを忘れてしまおうとする…。 まるで、なにもなかったかのように…。 哀しみの王:だから僕は道をひらいた。 箱船で世界と哀しみをつなぐために… 君たちに僕の国を救ってもらうためにね。 ロロ:私たちが…救う…。 哀しみの王:ようこそ、夢見る黒き旅人よ! ???:道化のつむぐいつわりの予言にみちびかれ、 救世主をきどるおろかな世界のかたわれよ! クロノア:え!? ロロ:バグジ…様…!? 哀しみの王:哀しみを忘れようと望むなら… 哀しみの王:そんな世界なんか、こわしてしまえばいい…。 哀しみの王:哀しみで 世界をおおいつくしてしまえばいい…。 哀しみの王:そのために… 夢見る君をここまで連れてきたんだ…! 哀しみの王:世界の責任をとるんだ、クロノアァァァァ!!
哀しみの王:ぐうぅぅぅ…。 そんなに哀しみを消したいのか……。 そんなに悲しみを認めないのか…。 哀しみの王:僕はこの世界にいちゃいけないのか!! レオリナ:勝手なことを言うな! クロノア:レオリナ! レオリナ:自分だけが哀しいと思って とじこもりやがって! 甘ちゃんがつけあがるな! クロノア:レオリナ…! レオリナ:あんた見てるとね、 こっちが泣きたくなるんだよ! 哀しみの王:……。 レオリナ:クロノア! そいつは哀しみのかたまりだ! ほかの4つの国のエレメント… レオリナ:<安らぎ>、<喜び>、<怒り>、<まどい>! レオリナ:思いださせてやれ! 本当の世界ってヤツをな! 哀しみの王:う…う……。 哀しみの王:うあああああああッ!!
哀しみの王:助けて…僕を… 僕を助けて…。 ロロ:クロノアさん。 クロノア:……。 クロノア:助けに、きたよ。 クロノア:もう、逃げなくていいんだ。 クロノア:こわがらなくていい。 クロノア:助けてって僕を呼んだのは… クロノア:世界に助けを求めていたのは…… 君だったんだろう? 哀しみの王:僕は…僕は…。 クロノア:……もう世界は哀しみを忘れたりしないよ。 哀しみの王:クロノア…。 クロノア:もう誰も逃げない。 クロノア:だって、僕たちはここまで来たんだから。 哀しみの王:うん…。 レオリナ:めでたしめでたしだな…。 ポプカ:なあロロ、 オイラ前から思ってたんだけどさ…。 ロロ:? ポプカ:クロノアってさ…クレア様に似てねェか? なんとなく。 ロロ:そうね。そう…。
ロロ:レオリナさん…哀しみの国を建て直すって はりきってましたね。 クロノア:うん。 ロロ:私もがんばらなきゃな……。 今度こそ、自分の力で巫女試験にうかるんだ。 クロノア:巫女の資格、返しちゃったんだ。 ロロ:はい…。 ロロ:でも大丈夫! もう逃げません。 失敗しても、がんばります…。 ロロ:また哀しみの王様、泣かせちゃいますもんね。 クロノア:うん。 クロノア:ロロならできるよ。信じてる。 ロロ:おわかれ…なんですか…? ロロ:そう…ですよね。ルーナティア、 クロノアさんには別の世界ですもんね。 帰る場所、ちゃんとありますもんね。 クロノア:ロロ…。 ロロ:大丈夫! そうじゃないかなって。 へっちゃらです。 ロロ:へっちゃらです。私、がんばれるから…。 ロロ:泣いてもがんばれるって、 クロノアさん、教えてくれたから。 ロロ:だから…だから…… ロロ:だから…泣いても、いいんですよね。 クロノア:ロロ…! ロロ:イヤだ! イヤだイヤだイヤだ! ロロ:私っ、私っ、クロノアさん…! クロノア:ロロ…。 クロノア:世界とはおわかれかもしれない…。 だけど、いつだっていっしょだよ。 クロノア:この哀しみを忘れなければ、 いつもいっしょにいられるんだって… 今なら…そう、信じられる。 ロロ:わぁーっっっ! クロノア:だから……ロロ…。 クロノア:ありがとう。
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